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2007年 05月 18日 ミラー測光M42一眼レフ Mamiya MSX 500




また、カメラ買っちゃいましたよ。
今回の獲物は、マミヤ製M42マウント一眼レフ、"Mamiya MSX 500"
1974年発売のMFマニュアル露出カメラです。
年代的には、"Asahi Pentax SPII""YASHICA FFT"あたりと同期、マミヤとしては終盤世代のM42マウントカメラになります。

マミヤのカメラは懐かしいです。
大学時代から結婚後5年ほどの間、愛用していたのが"Mamiya C220 Professional"という二眼レフでした。
マミヤC220は「カラクリマミヤ」と呼ぶのにふさわしいカメラで、なるほど!と手を打って感心するアイディアにあふれていました。
レンズ交換ができ、最短撮影距離35cmと、二眼レフの常識を覆すカメラでした。
レンズ(Mamiya Sekor 80mm F2.8)の良さもあり、写りは非常に良いカメラでした。
このPhotologにもMamiya C220で撮った写真が何枚かあります。

 "Xylocopal's Photolog 2006/02/22 京都猫 Reborn"
  http://xylocopal2.exblog.jp/3562150/

 "Xylocopal's Photolog 2006/03/06 京都猫の時代"
  http://xylocopal2.exblog.jp/3619613/


Mamiya MSX 500は、写真を見るとコンパクトに見えますが、実物は中々どうして堂々たるサイズのカメラです。
Pentax SPIIより一回り大きく、Yashica FFTとどっこいです。
Yashica FFTと同サイズながら、デザインは間延びしたところがなく、なかなか精悍ですらあります。
デザイン上のアクセントは、ボディ右サイドに設けられた縦縞のラバーグリップ。
これがあるおかげで茫洋とした印象にならずに済んでいます。
実用的にも、このグリップがあるとホールドしやすいです。
マミヤのカメラは、特に美しいデザインというわけではありませんが、必要かつ充分な実用的なものが多いような気がします。


 Mamiya MSX 500 仕様一覧
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  フォーマット: 135判 24×36mm
  マウント: M42 (プラクチカスクリューマウント) 定位置ロック付
  シャッター: 機械式横走り布幕フォーカルプレーン
  シャッタースピード: B, 1-1/500sec.
  ファインダー: ペンタプリズム式アイレベル固定、マイクロプリズムフォーカシングスクリーン
  ファインダー倍率: 0.77× (at 50mm)
  ファインダー視野率: 91%
  露出計: CdS TTL部分測光指針表示式 開放/絞り込み測光、
  測光レンジ: EV+2 - EV+18 at ISO100
  シンクロ接点: 1/60sec.
  バッテリー: 1.5Vボタン電池×1 (Eveready S-76, SR44, LR44 etc.)
  外形寸法: 151×96×53mm
  重量: 700g
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最高シャッター速度が1/500sec.であることから分かるように、このカメラは普及機です。
上位機種として、"Mamiya DSX 1000""Mamiya DSX 1000B""Mamiya MSX 1000"などがあります。
MSX 500はローコストモデルとはいっても、作りはいたって丁寧で、動作は滑らか、決して安かろう悪かろうにはなっていません。
この時代の日本のカメラ工業の実力がよく分かります。






マウントはM42ですが、開放測光を行うため、"FUJICA ST605II"のように、位置固定ピンと絞り値伝達用ツメが付いています。
いわゆる、独自拡張M42マウントで、互換性を持つ他社製カメラはありません。
マウントの向かって左側下にあるボタンは、位置固定ピンロック解除ボタンです。
Mamiya SXレンズを装着した場合には、このロック解除ボタンを押さないとレンズが外れません。






このカメラは、ミラー測光式露出計を持っています。
ミラー奥に、CdSセル測光素子のパターンが見えます。
この時代、ファインダー接眼部両側に測光素子を置いたカメラが多かった中、珍しい位置です。
このカメラの測光パターンは平均測光や中央重点測光ではなく、CdSセル測光素子部分だけを測る部分測光です。
ファインダーを覗くと、下のように、画面中央下部が褐色に色づいて見えます。
これが、CdSセルパターン部分です。

測光エリアは、一応ハーフミラーになっているらしく、完全に視野をふさぐことはありませんし、被写界深度から外れているのでボケて見えますが、少々見づらいファインダーではあります。

この測光パターン、慣れないうちは測光ミスをしそうです。何しろ、測光部が画面中央ではなく、中央下部になっているわけですから。取説をちゃんと読み、部分測光であることを理解して使わないと、簡単に露出を外してしまいます。適切に使えば、今なおなかなか正確な露出計です。

上位機種の"Mamiya DSX 1000"では、部分測光と平均測光を切り替えることができ、マミヤではデュアル測光と呼んでいました。







マウント外周にある、絞り値伝達用のツメです。
Mamiya Sekor SXシリーズレンズ専用となっています。
開放測光を行うため、各社は様々な方法でレンズの絞り値をカメラ本体に伝えようとしました。
ペンタックスのマウント内部のツメ、フジカSTシリーズのマウント外周のツメ、プラクチカLシリーズの電気接点、フォクトレンダーVSL1のフランジ面のツメ‥‥。
シンプル確実なのは、フジカSTやマミヤSXのマウント外周ツメによる方法ですが、互換性に問題が出ることが多い方法でもあります。






開放測光対応のMamiya Sekor SXシリーズのレンズには、右下のようなピンが付いています。
これが、ボディ側ツメと噛み合うことで、絞り値情報をカメラ側に伝えるようになっています。
このレンズをマウントアダプターを介して使う際には注意が必要です。
絞り値伝達用ピンがマウントアダプターのフランジ面に当たるため、無限遠が出ないばかりか、絞りを動かすことができなくなります。






トップカバー上面配置は一見常識的なものに見えますが、さすがはカラクリマミヤと思える機構がいくつかあります。
このカメラ、マミヤセコールSXレンズを使う場合は開放測光ですが、その他のM42レンズを使うときには絞込測光となります。
ところが、絞り込みレバー/ボタンの類がどこにも見あたりません。
実は、このカメラ、巻き上げレバーをレンズ方向に押すことで、絞り込み動作を行うようになっています。
また、巻き上げレバー軸上部が露出計スイッチとなっています。
グッタペルカ調のシワシワ部分を押すと露出計OFF、巻き上げレバーは自動的に内側に格納されます。
巻き上げレバーを引き出すと露出計ONになります。






シャッターは、この時代に一般的だった布幕横走りフォーカルプレーンです。
この個体のシャッター幕は比較的綺麗で、何も問題はありませんでした。
モルトは年式相応に劣化していました。
とはいえ、まだ遮光効果はあるようなので、しばらくこのまま使う予定です。
by xylocopal2 | 2007-05-18 20:43 | Hardware
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