人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved
Top
2007年 03月 19日 レチナと修行
















名古屋市昭和区御器所にて
 KODAK Retina Type 117
 Schneider Kreuznach Xenar 50mm F3.5
 Konica Minolta Centuria Super 100
 EPSON GT-X750


うちにあるカメラの中では最長老の"Kodak Retina Type 117"を引きずり出して撮ってきた写真です。
このカメラ、最近は被写体としてしか使っておらず、一応カメラなのだから、たまには写真を撮らせてやろうということで。
また、私自身も、最近、アルツがひどいので、ボケ防止のために、ときどきはこうしたローテクカメラを使った方がいいだろうということで。
何しろ、距離計なし、露出計なし、二重露出防止装置なしのマニュアル100%のカメラですから、とても良い脳トレーニングになります。
距離計、露出計、二重露出防止装置が付いている"Retina IIIc"あたりだと「レチナと散歩」などという優雅な言葉が似合いますが、Retina Type 117あたりだと「レチナと格闘」、「レチナと修行」、「レチナと勝負」などという言葉の方が実態に近いです。






Retina Type 117はレチナの原型、あらゆるレチナの御先祖様です。
作られたのは1934年。
元号になおすと昭和9年ですから、私の母と同い年です。
年寄りとはいっても、まだ73歳ですから、かくしゃくたるものです。
しなびたミイラのようなカメラの腰を支え、腕を支えて、どうにかこうにか写真を撮る、ということはまったくありません。
おそろしく丈夫で元気な頑固爺の印象です。
このカメラを使っていると、1930年代にカメラの基本的技術は確立していたことを実感します。
その後の70年間は使いやすくするための技術革新だったのだと。

この時代のレンズはノンコーティングのため、コントラストが悪いです。
今日はフードを付けなかったので、より一層コントラストが悪い上、派手にフレアが出ています。
このカメラは折りたたみ式の構造上、フードを付けたり外したりが面倒なんですね。
いかにシュナイダー・クセナーが名レンズとはいえ、戦前のノンコーティングレンズですから、条件が悪いとすぐにフレアが出ます。
黒の締まりが悪いのはレタッチで簡単になおりますが、フレアをレタッチでなおすのは難しいです。
by xylocopal2 | 2007-03-19 20:39 | Rusty Scene
<< 日だまりの駐車場 春の光とガラス窓 >>


Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved