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2005年 11月 25日 名古屋・大須@レトロフィルター



KODAK Retina II Type 011 / Schneider Kreuznach Retina Xenon F2.0/50mm
Ilford XP2 Super, Scanned with EPSON GT-F520


大須はしばしば「名古屋の秋葉原」と形容されます。
実際の大須はそんな単純な町ではなく、東京でいえば、秋葉原+浅草+上野、といった感じの複合要素が絡み合う町です。
名古屋人にとっての大須とは、大須観音に参詣するジジババの町、パソコンショップに群がる廃人の町、古着ショップに集まる兄ちゃん姉ちゃんの町、ブラジル人やトルコ人が集まる外国人の町といったイメージでしょうか。
大須についてもっと知りたい人は、"Xylocopal's Weblog 2005年02月09日 名古屋大須商店街"あたりを読んでみてください。

いずれにしても、大須が庶民的な町であることはたしかで、そうした町の常で、写真を撮るには良いところです。被写体にことかきません。
今日は、大須に似合いそうなカメラ、"Kodak Retina II Type 011"に、ILFORD XP2 SUPERを詰めてブラブラ散歩に行ってきました。

フィルムを詰めてから、しまったと思いました。
天気が良すぎたのです。
このレチナは1946年の製造で、ISO400のフィルムなど想定して作られていません。
ISO100ですら高感度フィルムの時代、ISO32~50のフィルムが一般的な時代でした。
最高シャッター速度=1/500sec.、最小絞り=F16ですから、ピーカンの快晴でISO400を使うと困ったことになります。

しかも、レチナに付いているコンパーラピッドというシャッターは、1/500sec.だけは特別扱いになっているのです。
1/500sec.だけ別バネになっていて、動作させるには決死の覚悟(大袈裟でなく本当に。嘘だけど)が要り、チャージするだけでもクソ力が要ります。
初めて、このシャッターを使う人のFAQに、「1/500sec.が壊れていてチャージできない」というものがあります。
壊れるかもしれない、というぐらいのトルクをかけないと指標を1/500sec.に合わせることができません。
その上、バネがきつく、普通の操作ではチャージレバーが動かないのです。

そんな調子ですから、シャッターを切ると、なかなかのスペクタクルになります。
普段は「カション」と静かな音しか出さないコンパーが、「バッチ~ン」という轟音を奏でます。
古いものだけに、壊れはしないかと心配になります。
だから、できれば、1/500sec.なんか使いたくない。
ISO400のXP2を入れて、しまった!と思ったのはこういうわけです。

幸い、ILFORD XP2 SUPERは矢鱈目鱈とラチチュードが広いらしく、メーカーのマニュアルにも「ISO50~800に対応」と嘘のようなことが書いてあります。
まぁ、多少オーバーでも何とかなるべ、アンダーよりはマシだべさ、ということで撮ってきました。
このあたり、デジカメでは反対なので御注意ください。
デジカメでは、多少アンダーでも何とかなるべ、オーバーよりはマシだべさ、が正しいです。

私の露出勘はISO100対応なので、ISO400のフィルムを使うときは、2段絞った値をセットしますが、よく換算し忘れます。
現像が終わったネガを見ると、ところどころに真っ黒なコマがあります。
真っ黒の部分だけオーバーなわけですが、たいてい換算し忘れて撮った結果です。

ちなみに、露出計のないカメラでネガフィルムを撮るときは、屋外では露出計を使いません。
露出計を出すのも面倒だし、ネガなら多少露出がはずれていても撮れてしまいます。
露出は難しいと思われるかもしれませんが、それはポジやデジタルの話であって、ネガフィルムでは全然難しくありません。
ISO100の屋外露出は、意外と簡単に覚えることができます。
覚えたい方は、"とても適当なスナップショット講座 <露出編> ~露出計を捨てて街に出よう~"あたりを読んでみてください。
最初は不安だと思いますが、2~3本撮ってみれば、なんだこんなものかと思うこと間違いなしです。

撮ってきたフィルムをスキャンしてレタッチしてみると、明らかにオーバーなものでも、全然問題ありませんでした。
2段ぐらい間違っていても、どう違うのかよく分からないほどです。^^
日陰と日向の両方が写っている写真もありますが、両方に階調が出ています。
4~6段のラチチュードは楽勝でありそうです。
ということは、ILFORD XP2 SUPERを詰めたカメラでは露出計不要ということになります。
F5.6、1/125sec.あたりにセットしておけば、露出固定でガンガン撮れるわけです。
すべてのカメラが、HOLGAになります。^^
どんなに高価なカメラでも「写るんです」になります。

それにしても、レチナで撮った大須の写真、とんでもなくトーンが昭和です。
ぜんぜん締まらず間延びしたシャドウ、豊かだけど少し甘い中間調、適度に落ちる周辺減光、フード付けていないし、ノンコーティングレンズだから、逆光気味になるだけでバンバン出るフレア、なるほど、レトロ写真とはこういうトーンにすればいいのかと納得してしまいました。
カラーネガでばかり撮っていたから気がつきませんでした。
ガキの頃の写真を見ると、こういうトーンのモノクロ写真ばかりです。^^
多少レタッチでシャッキリさせましたが、ノンコーティングのクセノン、まるでレトロフィルターのようです。^^

このクセノン、前玉に拭きキズが盛大なトグロを巻いて付いています。"こんな感じ"です。
後玉には大きな気泡も入っています。
拭きキズのおかげで、描写が柔らかくなり、盛大なフレアが出るのです。
順光時には分かりませんが、少しでも逆光気味になると、てきめんに効きます。
レトロフィルターを作るには、拭きキズが効果的かもしれません。






KODAK Retina II Type 011 / Schneider Kreuznach Retina Xenon F2.0/50mm
Ilford XP2 Super, Scanned with EPSON GT-F520







KODAK Retina II Type 011 / Schneider Kreuznach Retina Xenon F2.0/50mm
Ilford XP2 Super, Scanned with EPSON GT-F520







KODAK Retina II Type 011 / Schneider Kreuznach Retina Xenon F2.0/50mm
Ilford XP2 Super, Scanned with EPSON GT-F520







KODAK Retina II Type 011 / Schneider Kreuznach Retina Xenon F2.0/50mm
Ilford XP2 Super, Scanned with EPSON GT-F520







KODAK Retina II Type 011 / Schneider Kreuznach Retina Xenon F2.0/50mm
Ilford XP2 Super, Scanned with EPSON GT-F520







KODAK Retina II Type 011 / Schneider Kreuznach Retina Xenon F2.0/50mm
Ilford XP2 Super, Scanned with EPSON GT-F520







KODAK Retina II Type 011 / Schneider Kreuznach Retina Xenon F2.0/50mm
Ilford XP2 Super, Scanned with EPSON GT-F520







KODAK Retina II Type 011 / Schneider Kreuznach Retina Xenon F2.0/50mm
Ilford XP2 Super, Scanned with EPSON GT-F520

by xylocopal2 | 2005-11-25 22:25 | Monochrome
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