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2006年 10月 31日 ハロウィンがやってきた



Canon EOS 30D / EF 20mm F2.8 USM


また、レイ・ブラッドベリの小説からタイトルをリーパクしました。
原題は、"The Haloween Tree"。
30年以上前の高校時代にこの本を読んで以来、ハロウィンについての簡単な知識は持っていました。
万聖節(11月1日)の前夜、10月31日の晩に、死者の霊がやって来てドンチャン騒ぎをやらかす、というもの。
日本でいうと「お盆」かなぁ、御先祖様がやってきて、迎え火/送り火を焚くあたり似ているなぁ、それにしてもアメリカ人にとっては、クリスマスと並ぶ一大イベントなのだなぁ、などと思っていました。
というわけで、ハロウィンのことは知ってはいましたが、あくまでも欧米固有のお祭りであり、日本人の自分には関係のないものだと思っていました。

でも、最近は違うようです。
名古屋矢場町のランの館に行ったら、こんなディスプレイがいっぱい。
どうやら、クリスマス、バレンタインデーに続くビジネスチャンス、と考えている業界があるようです。
バレンタインデーであれば製菓業界、節分の恵方寿司なら海苔業界&コンビニなんですが、ハロウィンはどの業界が後押ししているのでしょうか。
小売業全般と、カボチャ産地のJAあたりでしょうかね。
赤と緑と金色がクリスマスカラーとして定着したように、そのうち、オレンジと黒はハロウィンカラーとして、日本でも定着するのかもしれません。





Canon EOS 30D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG


ハロウィン名物、ジャック・オ・ランタンです。
カボチャをくりぬいて、中にロウソクを立てればできあがり。
くりぬいた中身はパンプキンパイにするのだそうです。





Canon EOS 30D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG


カボチャの他に、唐辛子、ピーマン、サツマイモなどもディスプレイされていました。
時期が時期ですから、収穫祭の意味もあるのでしょうね。





Canon EOS 30D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG


白い布を被ったような典型的なアメリカお化けです。
オバケのQ太郎のモチーフは、このあたりでしょうか。





Canon EOS 30D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG


猫の形をしたジャック・オ・ランタン。
この他にも色々なバリエーションがありました。





Canon EOS 30D / EF 20mm F2.8 USM


ガーデニンググッズ販売コーナーにあった、テラコッタ製のジャック・オ・ランタン。
ローソクを灯すだけなら、こっちの方が実用的ですね。
いちいちカボチャをくりぬかなくてもいいし、何年も使い続けることができます。
でも、天然カボチャを使いたいというのが、アメリカ人の心なんだろうなあ。
お盆のキュウリやナスビの馬をテラコッタで作っても、あまり売れそうもないですから。
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by xylocopal2 | 2006-10-31 18:54 | Seasons
2006年 10月 30日 City of the Colors



Canon EOS 30D / EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM +PL






Canon EOS 30D / EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM +PL






Canon EOS 30D / EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM +PL






Canon EOS 30D / EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM +PL


名古屋市昭和区にて
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by xylocopal2 | 2006-10-30 20:16 | Sky
2006年 10月 29日 秋景 南山大学にて



Canon EOS 30D / EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM






Canon EOS 30D / Carl Zeiss Jena MC electric Pancolar 50mm F1.8






Canon EOS 30D / Carl Zeiss Jena MC electric Pancolar 50mm F1.8






Canon EOS 30D / Carl Zeiss Jena MC electric Pancolar 50mm F1.8



名古屋市昭和区の南山大学です。
地元における知名度は抜群ですが、全国的な知名度はほとんど無名という、西南学院大学のような学校です。
女房と兄がここのOG/OBです。
友人知人にも卒業生が多いですね。

私は、16~32歳までの16年間、この学校のすぐそばに住んでいました。
私の実家はここから徒歩7~8分、女房の実家は徒歩5分、結婚してから最初に住んだ家が徒歩3分の距離にありました。
そんなわけで、私にとっては色々な思い出がある学校です。

学生時代、名古屋に帰省中は、しょっちゅう南山のキャンパスに出入りしていました。
兄が軽音楽部の部長をしていた関係で、軽音楽部の部室にはよく遊びに行きました。
フラフラ大学内を歩いていると、兄の友人や先輩後輩連中によく間違えられました。
何しろ一卵性双生児なので、見た目は同じですから。
おそらく、替玉で試験を受けてもバレなかっただろうと思います。
ただ、兄は私の能力をよく知っていたので、決して「替玉やってくれ」とは言いませんでしたね。^^
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by xylocopal2 | 2006-10-29 18:56 | Seasons
2006年 10月 28日 Gentle Lights #3



Canon EOS 30D / Yashica Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4
ISO100, Av ±0EV, F4, 1/200sec., WB:Auto






Canon EOS 30D / Yashica Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4
ISO400, Av -1.3EV, F2.8, 1/60sec., WB:Auto






Canon EOS 30D / Yashica Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4
ISO400, Av ±0EV, F2, 1/640sec., WB:Auto


名古屋市中区 ランの館にて

手持ちのレンズの中、2番目に高いガンマ線量を測定した、オートヤシノンDS-M 50mm F1.4の試し撮りに行ってきました。
手持ちといっても、うちに来たのは1週間前。
カラーウルトロンにかまけて、このレンズで撮っていなかったのです。
柔らかいレンズと聞いていたので、いつもより開き気味で撮ってみましたが、たしかに柔らかいです。
やや二線ボケ傾向がありますが、F2.8以下でも実用になりますね。
軽い放射線焼けがありますが、色味は特に気にならないです。
富岡光学製レンズが増えてきました。
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by xylocopal2 | 2006-10-28 23:36 | Light and Shadow
2006年 10月 27日 腐っても鯛なカラーウルトロン



Canon EOS 30D / Tamron SP AF28-75mm F2.8 XR Di
ISO100, Av -2.0EV, F5.6, 1/15sec., WB:Manual


Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8。
七色に輝く華麗なコーティングが美しいレンズです。
コーティングの美しさと光学特性の良さが比例するわけではありませんが、これほど見事なマルチコーティングは、現代のレンズでもなかなか見ることができません。

カラーウルトロンは、1970年代中頃に作られたシンガポール製レンズです。
当時のフォクトレンダー製一眼レフ、"Voigtländer VSL1 TM"の標準レンズとされていました。
このレンズ、絞り値に応じて深さが変わる溝がフランジ面にあり、VSL1 TMなどのカメラに付けると開放測光で使えます。
TMというのは、Thread Mount、つまりネジ込み式スクリューマウントを意味します。
VSL1には、ローライQBMバヨネットマウントモデルもあったため、M42マウントのものを"TM"と呼び区別しています。

私の手元にも、"TM"銘のカメラがあります。
コシナ製フォクトレンダー、Voigtländer Bessaflex TM Silver
レンズマウント基部に"TM"の刻印があります。
フォクトレンダーの血脈を感じるというよりは、トプコンREスーパーのパチモンといった風情のデザインですが、これにカラーウルトロンを付けると、なかなかよく似合います。
ペンタ部の"Bessaflex"の文字が"Voigtländer"であれば純正レンズに見えるところです。





星降る南洋の港で作られたレンズが、30数年の星霜を経た後、リンゴの名産地で作られた同じ名前を持つカメラと出会うというのは、なかなかにロマンチックであります。
コシナ製ウルトロンをBessaflexに付けても当たり前なだけで、こうした時空を超えたドラマを妄想することはできません。
こうなると、ドイツはニーダーザクセン州ブラウンシュヴァイク産の正調フォクトレンダーM42マウントレンズが欲しくなるところです。
フォクトレンダーのボディにはフォクトレンダーのレンズを付けてやりたくなる、というのは人情ですね。

フォクトレンダーというのは、世界最古のカメラメーカーということになっています。
1756年、神聖ローマ帝国時代のウィーンで創業した後、1849年にドイツ・ブラウンシュヴァイクに本拠を移しました。
ブラウンシュヴァイクこそはフォクトレンダーが黄金時代を築いた地、いわば聖地です。
イエナにカール・ツァイスあり、ウェッツラーにエルンスト・ライツあり、バート・クロイツナッハにシュナイダーあり、というようなものです。
中古カメラウィルス感染者にとっては、サンマは目黒に限るのと同様、フォクトレンダーはブラウンシュヴァイクに限る、シンガポール産、信州中野産ではもの足りぬ、ということになっています。

脱線しました。何の話だっけ?
あ、ウルトロンでしたね。ウルトロン。
ウルウルとトロけるような、甘美で柔らかな描写。
ウルトラトロピカルな抜けるようなコントラストと濃厚な発色。
ウルトロンで撮れば、腐って干涸らびたような被写体でもウルウルとみずみずしく、トロ~ンと艶やかな描写に‥‥、
「ウルトロン」という名前は、こうしたオノマトペを連想させ、こと日本においては得をしています。
「ズミクロン」、「ズミルックス」、「ズマリット」などというライツ製レンズの名前が硬質で生真面目な描写を思い起こさせるのとは逆ですね。

実際のところ、ウルトロンの描写はどうなのか?と問われれば、やはり「うるとろ~ん!」に尽きるといえます。
甘く柔らかで艶やか、みずみずしく生命力にあふれた写真が撮れる伝説のレンズ。
ウルトロンといえば、まぁたしかに銘玉中の銘玉です。
ゼプトン、ノクトンと並んで、フォクトレンダー神話を築き上げたレンズであり、レンズの格からいえば、ツァイス・プラナー、ライツ・ズミクロン、シュナイダー・クセノンあたりに匹敵します。
ウルトロン50mm/F2付のプロミネントヴィテッサなどのカメラは、今なお人気が高く、なかなか良い価格で取引されています。
プロミネントはとても欲しかったのですが、価格が良すぎて未だに買えずにいます。

前述のとおり、このカラーウルトロンはシンガポール製です。
星港、新加坡、昭南島などと記される南の島。
なぜ、そんな場所で作られたのか。

このレンズ、栄光のフォクトレンダーの歴史の中では、斜陽期~衰退期のレンズに当たります。
1960年代~1970年代のドイツでは、多くの古参カメラメーカーが、カメラの生産を止めたり、会社自体がなくなったりしました。
低価格高品質な日本製カメラの攻勢に負けたというのが一番大きな理由です。
200年以上の歴史を誇る名門フォクトレンダーも"Made in Japan"には勝てませんでした。

フォクトレンダーの黄金時代は1950年代です。
製品は素晴らしかったにもかかわらず、経営は大変だったようで、黄金時代の最中、1956年にはカール・ツァイス財団に経営権を売り渡しています。
1965年には、ツァイス・イコンとカルテルを結成し、「ツァイス・イコン・フォクトレンダー販売会社」を発足させています。
1969年、フォクトレンダーはツァイス・イコンに吸収合併されます。
1971年、そのツァイス・イコンは、一般用光学機器事業から撤退を決定。
1972年、伝統あるブラウンシュヴァイク工場は操業停止。フォクトレンダーの商標権は、ローライに譲渡移転されました。
そして1999年、コシナが商標使用権を得て、日本製フォクトレンダーが作られるようになりました。

このカラーウルトロンは1970年代中頃の製品ですから、ローライが商標権を持っていた時代のものです。
ローライというと、二眼レフで有名なメーカーですが、もともとはフォクトレンダーの社員であった2人の技術者、パウル・フランケとラインホルト・ハイデッケがスピンアウトして創業した会社です。
フォクトレンダーと同じく、本社はドイツ・ブラウンシュヴァイクにあります。

このカラーウルトロンは、ローライのシンガポール工場で生産されたもので、フォクトレンダー、ツァイス・イコン、ローライという複雑な血統が渾然一体となったレンズといえますが、最も濃く受け継いでいるのはフォクトレンダーの血脈のように思われます。
Color-Ultron 50mm F1.8には、同じくローライ・シンガポール工場製の"Carl Zeiss Planar 50mm F1.8 Made by Rollei"という双子の兄弟があります。
カラーウルトロンとは名前だけで実態はプラナーなのか?とも思えますが、プラナーの方がウルトロンであるという説もあります。
このあたりはよく分かりません。
ウルトロンとプラナーの基本構成は非常によく似ていますから。





1950年の初代ウルトロン50mm F2のエレメント構成図です。
オリジナルウルトロンは、レンジファインダー用レンズシャッターモデルでした。
5群6枚の変形ガウスタイプと呼ばれるエレメント構成は、シュナイダークロイツナッハ・クセノンの設計者としても知られる、A.W.トロニエ博士の手によるものです。
前群には比較的間隔を離した3枚のレンズを置き、後群に1組だけ貼り合わせレンズを使うというのがウルトロンの特徴のようです。
このエレメント構成、実はCanon EF50mm F1.4 USMに似ています。
EF50mm F1.4 USMの後玉1枚を取り外すと、ウルトロンそっくりになります。

1970年代のウルトロンでは、一眼レフの深いフランジバックに適合させるため、1枚の凹レンズを前群先頭に追加し、6群7枚となっています。
これが、通称「ヘコミウルトロン」と呼ばれる"Carl Zeiss Ultron 50mm F1.8"です。
Zeiss Ikon Voigtlander Icarex 35用のレンズで、M42マウントです。
前玉がえぐられたように凹んでいるルックスはなかなか印象的です。

私の手元にあるカラーウルトロンは、ヘコミウルトロンの後継モデルで、基本構成はウルトロンそのものですが、追加前玉は凹レンズではありません。
前玉は、曲率の非常に小さい凸レンズで、一見平面か凹レンズに見えます。
ウィーンから届いた小包を開いたときには、「おお、ヘコミウルトロン!」と勘違いしたほどです。
ヘコミウルトロンは、ebayでも相場が高く、状態の良いものは$300~$500ぐらいします。
描写には定評があり、くわえて前玉の凹レンズが特異なため、なかなか人気があるのです。

こりゃ、儲けた!出品者が間違えたのかな?と思いましたが、そんな美味い話がebayにあるわけがありません。
よくよく見てみれば、普通のカラーウルトロンでした。
落札価格から考えてありえない話でした。
カラーウルトロンは、ヘコミウルトロンに比べると格段に安く、$100前後で買えます。
QBMマウントのカラーウルトロンになるとさらに安く、ときどき$50以下で出品されているものを見かけます。

このレンズ、フォクトレンダーというブランドが無くなりかかっていた時代に作られたレンズですが、描写はすばらしく良いです。
さすがはウルトロン、国破れて山河あり、腐っても鯛であります。
会社は傾き、ローライ頼りになっていても、クォリティは落ちていません。
創業250年の名門フォクトレンダーの栄光をしっかりと感じさせてくれます。

シャープネス、発色、いずれも文句ないレベルです。
絞ってカリカリ、開いてウルトロ~ン。絞りのコントロール範囲は広いです。
コーティングは、ローライ名物の"Rollei-HFT (High Fidelity Transfer)"コーティングとは色が違うようですが、同じシンガポール工場によるものですから、同等のものと思われます。
コントラストはほとんど現代のレンズと変わらないレベルで、シャドウが眠いとかそういうことはまったくありません。
逆光性能もすばらしく、少々の逆光ではフレアは出ませんし、コントラスト低下も少ないです。

以下、作例です。
デジタル一眼レフ、EOS 30Dで撮ったものは、原則ノーレタッチです。
銀塩一眼レフ、Revueflex SD1で撮ったものは、最小限のレタッチを施しています。
私は"超ローコントラスト法"というレタッチ前提のフィルムスキャンをしているため、銀塩写真の場合、まったくノーレタッチというわけにはいかないのです。





Canon EOS 30D / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8 +PL
ISO200, Av -2.0EV, F5.6, 1/160sec., WB:Auto






Canon EOS 30D / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
ISO100, Av -0.7EV, F4, 1/200sec., WB:Auto






Canon EOS 30D / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
ISO100, Av -0.7EV, F5.6, 1/1250sec., WB:Auto






Canon EOS 30D / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
ISO100, Av -0.3EV, F4, 1/320sec., WB:Auto






REVUE Revueflex SD1 / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
Konica Minolta Centuria Super 100, Scanned with EPSON GT-X750






REVUE Revueflex SD1 / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
Konica Minolta Centuria Super 100, Scanned with EPSON GT-X750






REVUE Revueflex SD1 / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
Konica Minolta Centuria Super 100, Scanned with EPSON GT-X750



注意!
------------
Color-Ultron 50mm F1.8は、いわゆる「オート絞り専用」レンズで、後玉横のピンを押さない限り、絞り込まれません。
スーパータクマーのような、AUTO<=>MANUAL切換レバーはありませんし、東独製レンズのような絞り込みレバーもありません。
Bessaflex TMや、Pentax SP、Praktica MTL5などのM42マウント専用カメラで使うときは、問題なく使えますが、マウントアダプターを介して使うときには制限があります。
絞りピンを押さないタイプのマントアダプターでは、常時絞り開放となり、一段たりとも絞ることができません。
絞って使いたいときには、必ずピンを常時押しているタイプのマウントアダプターを使う必要があります。
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by xylocopal2 | 2006-10-27 23:26 | Hardware
2006年 10月 26日 放射能レンズ ガンマ線量実測




財団法人 放射線計測協会で無料貸出を行っている簡易放射線測定器を借りてみました。
愛称は、「はかるくん」
昔ながらのガイガーミュラー計数管ではなく、シンチレーション検出タイプと呼ばれるもので、上のタイプの「はかるくん DX-200」は放射線の中でもガンマ線だけしか測れません。

上は、「はかるくん」を、旭光学製Super-Takumar 50mm F1.4の後玉ギリギリの場所に置き、ガンマ線を測定しているところです。
この写真はPhotolog掲載用のセット写真ですが、「はかるくん」の液晶に表示されている、"4.726"という数値は、この写真を撮ったときに放射されていたガンマ線の実測値です。
単位は、μSv/h(マイクロシーベルトパーアワー)。
つまり、1時間あたりに換算すると、4.726マイクロシーベルトのガンマ線が測定されている、という写真です。

このような放射線を出すレンズは、「放射能レンズ」、「アトムレンズ」などと俗称されていますが、1950年代から1970年代にかけて多く作られました。
ライツ・沈胴ズミクロン、コダック・エアロエクターなどが知られていますが、国産レンズにも少なくありません。
これらのレンズで放射線がカウントされるのは、光学ガラスに放射性物質である酸化トリウムという物質が混ぜられているためです。

トリウムは原子番号90の放射性物質です。
キュリー夫人が研究したことで知られる、古くから認知されていた放射性物質で、原子力発電所の燃料として利用することもできます。
このトリウム、ガラスに混ぜると屈折率が上がり、光学特性が飛躍的に向上することが知られていました。
そのため、かつては多くのレンズメーカーで硝材添加剤として使われたのです。
実際、放射線を出すレンズには、名玉と呼ばれるものが少なくありません。

上の写真、「はかるくん」の先端部に"+"と記されている部分がガンマ線のセンサー部分です。
ほとんど密着状態でガンマ線を測っていることになります。
なぜ、後玉を測っているのかというと、放射線の線源となる酸化トリウムを使ったエレメントは後玉付近に多いらしいという理由からです。
nekocameさんの放射能レンズの測定結果を見ても、後玉付近で最も多くのガンマ量が観測されています。
この放射能レンズのコンテンツはよくまとまっており、分かりやすいので、ぜひ御一読されることをお勧めします。

上で計測中のSuper-Takumar 50mm F1.4は、Xylocopal's Photolog 2006/09/29 "とってもアレゲな Super Takumar 50mm F1.4"Xylocopal's Photolog 2006/10/18 "8枚玉のスーパータクマー"などで何回も書いた初期型8枚玉スーパータクマーではありません。
「はかるくん」が届くのに合わせ、某所で拾ってきた後期型7枚玉のスーパータクマー50mm/F1.4です。
ガラスは真っ黄色というよりも番茶色に変色し、いかにもトリウムたっぷりといった風情のレンズです。
比較のために、ふたつを乳白色アクリル板の上に並べてみました。





右が8枚玉のスーパータクマー50mm/F1.4。
レンズ銘の"1:1.4/50"の文字の後に、"Asahi Opt. Co.,"という文字が来るのが8枚玉、シリアルナンバーが来るのが7枚玉といわれています。
少しアンバーがかって見えるのはコーティングの写り込みで、実際にはほとんど無色透明です。

左が、今回拾ってきた比較用の7枚玉スーパータクマー50mm/F1.4。
見事なまでの黄変、まるで色温度変換用のLBAフィルターのようです。
写真用レンズの黄変は、コーティングやバルサム(貼り合わせ面の接着剤)の変質による場合もありますが、ガラスのブラウニング現象と呼ばれるものである場合が多いといいます。
ブラウニング現象とは、高速中性子によるガラスの黒化現象で、第二次世界大戦中の米国において、原爆製造用原子炉監視装置開発過程で発見されたといわれます。
ブラウニング現象回避のために研究されたのが有機ガラスであり、今日アクリルガラスとして知られているものです。

さっそく、「はかるくん」で黄変レンズのガンマ線量を調べてみましたが、やはり多いですね。
最初の写真のとおり、4.7μSv/h前後。
手持ちのレンズの中では最も強いガンマ線を出していました。
バックグラウンドの自然界放射線のざっと100倍。誤差の範囲ではありません。

一方、黄変していないスーパータクマー50mm/F1.4では、有意なガンマ線が確認できませんでした。
バックグラウンドの自然界放射線に埋もれてしまい、何も出てこないのです。
ということは、8枚玉スーパータクマー50mm/F1.4は放射線を出さないと考えて良さそうです。

以下に、手持ちのレンズの測定結果を掲載します。
測定対象は、1940年代~1970年代に製造されたレンズ。
計測した放射線は、「はかるくん」で計測できるガンマ線のみ。
計測を行った部屋の自然界放射線量は、0.03~0.06μSv/h。
これが、バックグラウンドのガンマ線量になります。
この値程度の計測結果であれば、有意なガンマ線放射量はないと考えて良さそうです。

計測は、上の写真のようにレンズ後玉に「はかるくん」をほとんど密着状態で行いました。
写真はデモ用のため、複数のレンズを置いていますが、実際には測定対象レンズのみを置き、部屋の中央、周囲2m四方には電気製品がない状態で計測しています。
レンズ名の下にある数字が計測結果です。
1分ごとに3回計測しています。
単位はμSv/h。(マイクロシーベルト/hour)


計測地点: 愛知県名古屋市千種区
計測日時: 2006年10月25日(水) 16~18時
計測時の室内自然放射線量レベル: 0.03~0.06μSv/h


●有意な放射線量を計測したレンズ
------------------------------------------------------------
Asahi Opt. Co., Super-Takumar 1:1.4/50 SN.2947019 (7枚玉)
 4.671、4.715、4.723

YASHICA AUTO YASHINON DS-M 50mm 1:1.4 SN.1052041
 2.132、2.094、2.112

Asahi Opt. Co., SMC TAKUMAR 1:1.8/55 SN.7679450
 1.571、1.532、1.541


●バックグラウンドレベルと同等だったレンズ
------------------------------------------------------------
Asahi Opt. Co., Super-Takumar 1:1.4/50 SN.1063739 (8枚玉)
 0.047、0.042、0.040

YASHICA AUTO YASHINON DX 50mm 1:1.7 SN.57012770
 0.044、0.049、0.048

VOIGTLANDER COLOR-ULTRON 1.8/50 SN.2311820
 0.036、0.046、0.043

CARL ZEISS JENA electric MC PANCOLAR 1.8/50 SN.10119361
 0.044、0.037、0.042

Carl Zeiss Jena DDR Tessar 2.8/50 SN.9183920
 0.045、0.045、0.041

Carl Zeiss Jena Tessar 2.8/50 T 3852304
 0.045、0.042、0.047

Carl Zeiss Jena Flektogon 2.8/35 SN.8251873
 0.045、0.043、0.047

AUTO REVUENON 1:1.9 f=50mm SN.963725
 0.037、0.039、0.042

PENTACON auto 1.8/50 SN.5974842
 0.046、0.050、0.048、

Kodak Ektar Made in U.S.A. f3.5 50mm ES3696
 0.040、0.037、0.038

Schneider-Kreuznach Retina-Xenon 1:2 F=5cm SN.1964852
 0.047、0.044、0.032
------------------------------------------------------------


測定結果は、だいたい予想のとおりでした。
Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4は、富岡光学製といわれるレンズで、わずかに黄変しています。
SMC Takumar 55mm F1.8は、トリウムレンズとしてすでによく知られているもののひとつです。
意外だったのは、Kodak US.Ektar 50mm F3.5。
あまりにも素晴らしすぎる写り、製造年代、Ektarという名前から、まず間違いなくトリウムレンズだろう、と考えていましたが、有意なガンマ線は計測されませんでした。
Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.4がトリウムレンズだという話はときどき聞くので、F1.8のパンコラーはどうかな?と思いましたが、こちらは放射線を出していないようです。

nekocameさんの測定の追試となったわけですが、結果はほとんど同じです。
一番多くのガンマ線を出していた、Super-Takumar 50mm F1.4で、5~6μSv/hです。
この値をどう考えるかは、人それぞれだと思いますが、私は注意しながら使います。

人体に対する放射線の影響は下記のようなものが一般的です。
単位はミリシーベルト(mSv)ですから、「はかるくん」の表示単位、μSvの1000倍です。

------------------------------------------------------------
 0.1-0.3mSv: 胸部X線撮影
 2.4mSv: 一年間に人が受ける放射線の世界平均
 4mSv: 胃のX線撮影
 7-20mSv: CTスキャンによる撮影
 50mSv: 原子力関連業務につく人が一年間にさらされてよい放射線の限度
 250mSv: 白血球の減少(一度にまとめて受けた場合、以下同じ)
 500mSv: リンパ球の減少
 1000mSv: 急性放射線障害。悪心、嘔吐など。水晶体混濁。
 2000mSv: 出血、脱毛など。5%の人が死亡
 3000-5000mSv: 50%の人が死亡
 7000-10000mSv: 100%の人が死亡
------------------------------------------------------------

6μSv/hの放射線を出すスーパータクマー50mm/F1.4を腹巻きの中に入れ、寝るときも風呂に入るときも24時間肌身離さず密着させたまま、1ヶ月を過ごした場合の累積被爆量は、おおよそ4mSvになります。

 6μSv × 24 × 30 = 4320μSv = 4.32mSv

バリウム胃透視X線撮影で一度に受ける放射線量とほぼ同じです。
この腹巻トリウムタクマー状態を1年間続けると、およそ52.5mSvの累計被爆量になります。

 6μSv × 24 × 365 = 52560μSv = 52.56mSv

放射線技師や原子力関連業務につく人の1年間の許容限度と大体同じです。
これは、医療法施行規則第30条の27(線量当量限度)に定められている数字で、国連科学委員会(ICRP)によると、現在および将来においても健康を損なう恐れがないとされている被曝量です。
妊娠可能な女子の腹部に対しては、年間13mSvが許容限度となっています。
年間50mSvというのは、なかなかの被曝量といえます。
なかなかの被曝量ではありますが、24時間365日、身体にレンズを密着させ続けるという状況は特殊すぎてあまり現実的ではありません。
週末に2~3時間レンズに触れるという使い方であれば、特に問題はないような気がします。

トリウムレンズを、4x5シートフィルムの上に置いたままにしておいたら感光したという話を聞いたことがありますが、たしかにこの線量であれば、長期間の場合、可能性はあります。
一方、スーパータクマーをカメラに付けたら、フィルムがカブったという話はあまり聞きません。
M42マウントのフランジバックは45.5mmですから、後玉の出っ張りを考慮に入れると、後玉端からフィルム面までの距離は40mmほどということになります。
線源から40mm離れただけで被爆量は漸減し、後玉直近で4.7μSv/hあったスーパータクマー50mm/F1.4の場合、ガンマ線量は0.80μSvと1/6に減ってしまいます。
線源からの距離を変えて、ガンマ線量の実測値を調べてみました。

 0cm: 4.7μSv/h
 4cm: 0.80μSv/h
 8cm: 0.350μSv/h
 15cm: 0.170μSv/h
 30cm: 0.080μSv/h
 50cm: 0.045μSv/h ※バックグラウンド放射線レベルと同じ

0.80μSv/hの放射線を数日間当てたぐらいではフィルムは感光しないということなのだろうと思います。
1年以上フィルムを入れっぱなしにしておけば、多少は影響がありそうですが、潜像やフィルム使用期限の影響の方が大きそうです。

結局、線源からの距離と被曝時間に相関するというところでしょう。
普通に使っている限りは、まず問題はない。
普通に使わないと問題が起こる、かもしれない、ということのようです。
夜ごと、トリウムレンズを抱いて寝るなどという阿呆タレなことをしない限り、寿命が縮むことはなさそうです。
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by xylocopal2 | 2006-10-26 22:25 | Hardware
2006年 10月 25日 木漏れ日の古社



Canon EOS 30D / EF 35mm F2
ISO200, Manual, F5.6, 1/200sec., WB:Auto






Canon EOS 30D / EF 35mm F2
ISO200, Manual, F5.6, 1/125sec., WB:Auto






Canon EOS 30D / EF 35mm F2
ISO400, Av -1.3EV, F16, 1/125sec., WB:Auto


名古屋市昭和区御器所4丁目、御器所八幡宮にて
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by xylocopal2 | 2006-10-25 16:13 | Light and Shadow
2006年 10月 24日 10月の地下階段



REVUE Revueflex SD1 / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
Konica Minolta Centuria Super 100, Scanned with EPSON GT-X750






REVUE Revueflex SD1 / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
Konica Minolta Centuria Super 100, Scanned with EPSON GT-X750


名古屋市千種区吹上駅にて
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by xylocopal2 | 2006-10-24 22:07 | Light and Shadow
2006年 10月 23日 ピラカンサの実がなったよ



Canon EOS 30D / Canon EF 35mm F2
ISO100, Av -0.7EV, F4.0, 1/400sec., WB:Auto






Canon EOS 30D / Canon EF 35mm F2
ISO100, Av -0.7EV, F4.0, 1/640sec., WB:Auto


ツブツブ恐怖症の方、すいません。ピラカンサです。
私はピラカンサの実を見るたびに、「ああ、イクラ丼が食べたい」と思ってしまいます。^^
うちの近所では、ハナミズキと並んでよく目立つ赤い実ですが、意外に花は地味です。
去年の春に撮った花の写真がありますが、繊細な白い花が房のように咲きます。
春はひっそりと、秋は華やかに、という植物のようです。
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by xylocopal2 | 2006-10-23 20:55 | Seasons
2006年 10月 22日 小さな喫茶店



VEB Pentacon Praktica PLC3 / Carl Zeiss Jena MC electric Pancolar 50mm F1.8
Konica Minolta Centuria Super 100, Scanned with EPSON GT-X750






VEB Pentacon Praktica PLC3 / Carl Zeiss Jena MC electric Pancolar 50mm F1.8
Konica Minolta Centuria Super 100, Scanned with EPSON GT-X750


名古屋市昭和区曙通2丁目にて

私が通っていた小学校のそばにある喫茶店です。
曙通というのは、40年前はなかなか活気にあふれた商店街でした。
八百屋、魚屋、菓子屋、洋品店、自転車店‥‥、
スーパーがなかった時代ですから、様々な小売店が軒を連ね、多くの人が歩いていました。

今では、半分以上の店がシャッターを下ろし、道行く人もまばら。
往事の賑やかさは想像することすら難しい状態です。
かつては、どこにでもあった小さな喫茶店も、記憶の中にのみ生き続けることになるのでしょうか。
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by xylocopal2 | 2006-10-22 23:20 | Rusty Scene


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