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2007年 03月 24日 オールドカメラの露出計チェック




製造後30年ほど経ったオールドカメラの露出計がどの程度アテになるのか調べてみました。
上はテスト用セットです。
中央右にあるのがセコニックの露出計、L-318です。
現在、入射光モードで計測中ですが、ISO100、1/30sec.で、F3.5という値を示しています。
この露出計は、F2.8の次はF4しか表示できず、中間絞りは扇形バーグラフで表示するようになっています。
したがって、この状態は、F2.8+半絞りと読むわけです。ということは、F3.5ですね。

左下にあるのが携帯用標準露出板。
いわゆる18%グレーという灰色が印刷されており、この部分を反射光式露出計で測光すると、入射光式露出計で測った値と等しくなることになっています。
A4判ぐらいの標準露出板があると良かったのですが、手元にはないのでフィルム箱を積んで代用しています。
この状態で、入射光モードで測った値と、反射光モードで測った値が一致するようになっています。

SEKONIC L-318はすでに製造中止になったポンコツですし、厳密な校正をしてあるわけではないので、この値が絶対に正しいという保証はありません。
とはいえ、うちにある露出計の中では一番まともそうなので、とりあえず基準としておきます。
上の写真からL-318を外した状態で、各カメラの内蔵露出計で測ってみました。
シャッタースピードを1/30sec.に設定し、どのF値で適正露出となったかを記しています。
測光モードは、EOSは中央重点平均測光、その他は中央重点測光/平均測光です。
レンズは、EOSがタムロン28-75mm/F2.8、M42がSMC Takumar 55mm/F1.8です。


at ISO100, 1/30sec.,
--------------------------------------------
 SEKONIC L-318: F3.5
 Canon EOS 30D: F3.5
 Canon EOS 100QD: F3.5
 Voigtländer Bessaflex TM: F3.5
 Revueflex SD1: F3.5
 CHINON CS-4: F2.8
 Praktica MTL5: F4.5
 Asahi Pentax SPII: F4.5
 FUJICA ST605II: F2.4
--------------------------------------------

意外に合っているとみるべきか、意外にずれているとみるべきか。
EOS30Dは、ばっちり合っているところをみると、実効感度はISO100あるようです。
EOS100QDは15年ほど前の機種ですが問題ありません。
つい先日まで現行機種だった、Bessaflex TMも手堅いですね。大丈夫です。
Revueflex SD1とCHINON CS-4は同一機種というべきモデルですが、半絞り違っています。
同一機種でも個体差はある、ということでしょうね。
プラクチカMTL5は1980年代のCdSメーターモデルですが、このまま撮ると1段ほどアンダーになります。
ペンタックスSPIIも同傾向です。
FUJICA ST605IIは明らかにオーバーです。
"Xylocopal's Photolog 2006/06/01 FUJIFILM FinePix F11 の白飛び対策"で記したFinePix F11と同傾向です。
偶然なのか、フジフィルムの傾向なのか、よく分かりません。

ネガ撮影であれば、問題になるほどずれたものはありませんが、対処方法を書いておきます。
ただし、個体差はありますから、自分で確認してから対策した方がいいです。
プラクチカMTL5とペンタックスSPIIはISO感度を低めに設定する、つまり、ISO100フィルムを使う際には、ISO64~80ぐらいに設定すると、だいたい正しい値になるようです。
FUJICA ST605IIは逆にISO感度を高めに振った方がいいです。
ISO100フィルムの場合は、ISO160~200ぐらいですね。

今回、調べたカメラのうち、CdSセルを測光素子に使っているのは、Praktica MTL5とPentax SPIIだけで、残りはすべてSPDです。
CdSセルは、ある程度劣化があるようです。
セレン光電池露出計を持つカメラも試してみたかったのですが、あいにく手元にありません。
そのうち、どこかで拾ってきたら試してみるつもりです。
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by xylocopal2 | 2007-03-24 20:09 | Hardware
2007年 03月 23日 私的原点 Asahi Pentax SPII




"SMC Takumar 55mm F1.8"が寂しそうにしていたので純正ボディを買ってやりました。
Asahi Pentax SPII。
1974年10月発売の、ペンタックスとしては最後のM42スクリューマウントMF一眼レフ。
ベストセラー一眼レフ、"ASAHI PENTAX SP"のリバイバルモデルです。

スペック的には、SPIIとSPでは何も変わりません。
外見的には、アクセサリーシューの有無がSPIIとSPの識別ポイント、ということになっています。
しかし、実際には、アクセサリーシュー以外にもディティールデザインがいろいろ異なっています。
一番違っているのが、ペンタ部とトップカバーの接合部。
PENTAX SPでは、接合部に段差がありますが、SPIIにはありません。
ペンタ部の形状も異なり、SPIIの方がより現代的なデザインとなっています。
SPIIは、デザイン的にはSPよりも"Asahi Pentax SPF"と共通点が多いカメラです。

Asahi Pentax SPF‥‥、懐かしいカメラです。
初めて使った一眼レフ。
高校時代、"名古屋今池の松屋カメラ"で新品を買いました。
私がカメラの基本、写真撮影の基本を学んだのはPentax SPFを通して、といって過言ではないです。
絞りとシャッタースピードとの関係、絞りと被写界深度の関係などですね。
Pentax SPFで撮った写真は、"Xylocopal's Photolog 2005/04/03 尾張屋猫"にあります。
Pentax SPFとSPIIの違いは、前者が開放測光対応、後者が絞込測光オンリーというだけで、外観的にはほとんど同じです。
そのため、Pentax SPIIを触っていると、33年前、初めて使った一眼レフのことをあれこれ思い出します。


 ASAHI PENTAX SPII 仕様一覧
 ------------------------------------------------
  フォーマット: 135判 24×36mm
  レンズマウント: M42 (プラクチカスクリューマウント)
  シャッター: 純機械式横走り布幕フォーカルプレーン
  シャッタースピード: B, 1-1/1000sec.
  ファインダー: ペンタプリズム式アイレベル固定、マイクロプリズムフォーカシングスクリーン
  ファインダー倍率: 1.0倍 (at 55mm)
  ファインダー視野率: 93%
  露出計: CdSセル 絞込TTL平均測光、定点合致指針式
  測光レンジ: EV+1.7- EV+18
  シンクロ接点: 1/60sec.
  露出計バッテリー: H-B型1.35V水銀電池×1
  外形寸法: 143×92×50mm
  重量: 625g
 ------------------------------------------------






Pentax SPIIはM42スクリューマウントです。
このカメラが発売された1974年当時は、プラクチカマウント、Pマウント、ペンタックスSマウントなどと呼ばれ、同時代的にはM42マウントという言葉は聞いたことがありません。
M42という呼称が使われ出したのは、1989年のベルリンの壁崩壊後のような気がします。

いずれにしても、当時、こうしたネジ式マウントはすでに時代遅れのものとなっていました。
Nikon、Canon、Minolta、OLYMPUSなど主要メーカー製一眼レフはバヨネットマウントになっており、ネジ式マウント一眼レフを作っていたのはペンタックスとフジカぐらいのものだったと思います。
それでも、SPF/SPIIの競争力は充分ありました。
道具としての扱いやすさ、機械としての堅牢性や信頼性、レンズの光学的優秀さ、コストパフォーマンスの高さ、そうしたものがペンタックスの人気を支えていたように思います。

そのペンタックスもSPIIの発売後半年あまり経った1975年6月に、スクリューマウントに決別を告げました。
"Pentax K2""Pentax KX""Pentax KM"の3機種を発売し、バヨネットマウントであるKマウントに移行したのです。
当時、スペックオタだった私は、迷わずSPFからKXに乗り替えましたよ。
高校生というものは、ものの本質が分からない、何事も形から入る阿呆タレですから。^^
今から思うと、SPFとKXの差なんて微々たるものです。
マウント以外はほとんど同一といってよいカメラでした。






画面中央やや下に見える"SW"と記された黒いパーツが測光スイッチです。
"Voigtlnder Bessaflex TM""CHINON CS-4""Revueflex SD1"などと同じく、マウント基部左側に付いています。
スライドスイッチを押し上げると絞り込まれ、露出計のスイッチが入りロックされる、というシークエンスで動作します。
こうした形式の測光スイッチの元祖は、Pentax SPです。
SPが良く売れたため、後発各社が同じインターフェースにしたのだろうと思います。

私は、絞り込み測光は好きですが、このスタイルの左手操作押上ロック機構付測光スイッチが使いやすいと思ったことは一度もありません。
私が使いやすいと思うのは、右手操作、ロック機構なしのものですね。
"VEB Pentacon Praktica MTL5/MTL50""FUJICA ST605II"あたりのものが使いやすいです。
理想としては、位置はFUJICA ST605II、機能はPraktica MTL5というところでしょうか。
ST605IIの絞り込みボタンは、露出計スイッチと連動していないので、測光の際には、右手中指で絞り込みボタンを押しながら、人差し指でレリーズボタン半押し、というアクロバチックな操作を要求されます。
まぁ、慣れればどうってことはないのですが。

前述のとおり、ペンタ部とトッププレートの接合部に段差はなくスッキリしています。
接合部段差があるのは、1950年代~1960年代のペンタックスであり、1970年代のES、ESII、SPF、SPIIにはありません。
ペンタ部に記された六角形のマークは、当時の旭光学のブランドロゴ。
AOCo = Asahi Optical Co,.、旭光学の英文表記ですね。
"Pentax ME"あたりまで、このロゴマークは付いていたように思います。






トッププレート全景です。
巻き上げレバーは無垢の金属製で、やや古典的デザインの優雅なカーブを描いたものです。
33年ぶりにこの巻き上げレバーを操作してみましたが、実に滑らかです。
指がかりが良いところに刻み目が付いており、吸い付くような操作感です。
普及機のSPIIでこうした素晴らしい仕上げをやられては、中級ドイツ製カメラが競争力を失うはずです。

シャッタースピードダイヤルの文字は彫込です。
60、125、250と言った数字が機械加工で彫り込まれています。
おそろしく丁寧な仕上げが施してあり、仕上げの美しさに唸ってしまいます。
1980年代の一眼レフでは、ほとんどが印刷あるいはアルミ板貼付に置き換えられてしまいました。
フィルム感度表示窓はレンズ状になっており、文字が大きく見えるようになっています。
このあたりの芸の細かさ、作りの良さは、「モノ作り日本」が到達した頂点の姿です。
1990年代のプラスチック製AF一眼レフの方が高機能高性能であることはたしかですが、道具としての魅力は1970年代のMF一眼レフの方がはるかに高いのも事実です。

ファインダー倍率は1.0倍、つまり等倍です。
視野率は93%と低いものの、明るく大きな視野像は、APS-Cデジタル一眼レフから比べると別世界の快適さです。
この時代の一眼レフのファインダーは、ペンタプリズム腐蝕による黒筋が見えるものが多いのですが、今回入手した個体は信じられないほどクリーンです。
湿度の低いヨーロッパやアメリカ西海岸で過ごしたカメラなのでしょうか。
Pentax SPIIは日本国内でも売られましたが、主要マーケットは海外でしたから。

露出計はCdS素子ゆえに指針の反応はトロいです。
定点合致式のため、どれぐらいアンダー/オーバーかが感覚的に分かるのは使いやすいです。
追針式露出計より定点合致式露出計の方が使いやすい、という人は多いのではないでしょうか。
ただし、指針式のため、暗所ではさっぱり針が見えません。
メータードマニュアルカメラの露出計は3LED定点合致式が一番です。
そうした意味では、ファインダーを覗かなくても露出が分かる、"CHINON CS-4""Revueflex SD1"あたりが最も使いやすい露出計インターフェースを持つように思います。






シャッターは、ゴム引き布幕横走りフォーカルプレーンです。
この時代、金属幕縦走りフォーカルプレーンシャッターを採用していたカメラはすでにいくつもありました。
ペンタックスは、シャッターに関しては保守的で、Kマウントに移行してからも、"KX""KM""MX"などのマニュアル露出カメラではゴム引き布幕フォーカルプレーンシャッターを採用していました。
メタルフォーカルプレーンに比べると、耐久性で劣りそうなイメージがある布幕フォーカルプレーンですが、30数年経った今でも意外と大丈夫で、低速から高速まで何ともありません。
この時代のペンタックス製一眼レフで、シャッターまわりの故障というのは、あまり聞いたことがありません。
ペンタプリズムの腐蝕や露出計の故障はよく聞きますが、シャッターだけは完動品という個体が多いのです。






フィルムゲートからミラーボックス~レンズ後端を見たところです。
この時代のカメラは、むきだしの原理を眺めることができるため、カメラのことを学ぶには最適でした。
絞りを絞るとはどういうことか?低速シャッターと高速シャッターの違いは何か?自動絞りとは何か?シャッターチャージとはどういうことか?フォーカルプレーンシャッターの先幕後幕とは何か?などが直感的に分かります。
デジタル一眼レフの場合は、このアングルからミラーボックスを見ることはできません。
デジタルカメラから写真をはじめた方は、中古のMF一眼レフを入手されると、モヤモヤしていたものが瞬時に理解できると思います。






ボディ底部のバッテリー室です。
このバッテリーは露出計駆動用のもので、シャッター駆動には関係しません。
Pentax SPIIは純粋な機械式シャッターなので、バッテリーがなくなってもシャッターは切れます。

バッテリーは、H-B型という1.35Vの水銀電池を使います。
しかし、水銀電池は環境問題の観点から1995年以降製造されていません。
代替電池として何を使うか?ですが、第一の選択肢は空気亜鉛電池"Wein MRB400"で決まりだと思います。
外形寸法、出力電圧がH-B型水銀電池と同一のため、何も考えずにリプレースできます。
価格もそれほど高価ではありません。

第二の選択肢は、LR41、SR41などのボタン電池を使う方法です。
これらの電池はコンビニやドラッグストアで買えるため、入手性が良いのがメリットです。
私は、SR41という酸化銀電池を使っています。
LR41も使えますが、バッテリー寿命はSR41の方が長いです。

SR41、LR41ともに、H-B型水銀電池の100%互換品ではありません。
外形寸法と出力電圧がH-B型水銀電池とは微妙に異なっています。
そのままバッテリー室に押し込むと、外寸が小さいため、落ち着きが悪いです。
そのため、私はスペーサーをはさんで使っています。
上の写真に写っている黒いゴムリングがそれです。
これの正体は水道工事用パッキングです。
ホームセンターなどでサイズが合うものを買ってくれば使えます。
専用スペーサーも市販されています。
"PENTAX H-B 水銀電池アダプタ"というものです。

スペーサーを介して、SR41/LR41を使う方法では、露出計の補正が必要となります。
H-B型水銀電池の出力電圧が1.35Vであるのに対し、SR41やLR41では1.5Vとなっているため、そのまま使うと1段ほどアンダーに露出が表示されます。
F8,1/250sec.のところをF11,1/250sec.ぐらいで表示するのです。
これを補正するには、フィルム感度設定を変えるのが手っ取り早いです。
ISO100の場合、ISO50~64に設定すると、だいたい正しい露出を示します。
そんなアバウトな露出計は嫌だ、という人には電圧変更タイプの電池アダプターもあります。
"関東カメラサービス製電池アダプターH-B"というものです。

Pentax SPIIの測光パターンは、フォーカシンググラス全体の光量をベタに計測する平均測光です。
現代的な多分割測光や中央重点測光とは値が違って出ることがあるので、慣れていないと「あれ?」と思うことがあるかもしれません。
空と大地が半分づつ入るような写真では、確実にアンダーになります。
私は、この露出計で写真を覚えたようなものですから、まったく違和感はないです。
EOS30Dでも90%の写真を中央重点平均測光で撮っているぐらいですから。
逆に、インテリジェントな評価測光が使いにくいです。^^

Pentax SPIIで撮った作例写真は下にあります。
天候的に暗い日だったのと、ISO100フィルムを使ったため、絞りは開き目で、開放からF4あたりを多用しています。

 Xylocopal's Photolog 2007/03/12 鉈薬師(医王堂)山門
  http://xylocopal2.exblog.jp/5704792/

 Xylocopal's Photolog 2007/03/13 鉈薬師(医王堂)
  http://xylocopal2.exblog.jp/5710624/
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by xylocopal2 | 2007-03-23 20:57 | Hardware
2007年 03月 15日 カメラマニアのためのeBay英語入門




今日は、"eBay"の話です。
eBayといえば、米国屈指のネットオークション。魑魅魍魎が跳梁跋扈する伏魔殿です。
出品数は"Yahoo!オークション"(以下ヤフオク)の100倍とも1000倍ともいわれています。
以前に比べれば、落札相場が上がり、割安感は減ったとはいうものの、それでも国内オークションよりは安い場合が多いので、利用してみたいという人は相変わらず多いようです。

私が利用しはじめたのは2000年から。
ドイツ製のカメラやレンズなどが日本国内より安く買える、日本国内ではあまり見かけない稀少品が買える、使い始めた動機は大体そんなところです。
もともと、1980年代末から"L.L.Bean""West Marine"などの米国カタログ通販を利用しており、個人輸入にはある程度慣れていたこともあり、ずぶずぶとebay沼にはまりこみました。

最近は、"PayPal"などの個人向即時決済システムが普及し国際郵便為替を送る必要がなくなりましたし、eBay自体も使いやすくなり、以前のように出品者と英文メールのやりとりをする必要がなくなったため、eBayの敷居はかなり低くなったと思います。
おりしも、PayPalの日本語利用も可能になったばかりです。
そろそろ、ebayを始めてみたいという方には、ちょうどいいタイミングです。

eBayを使う上で問題となるのが英語です。
eBayには、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなど各国ごとのウェブサイトがありますが、出品数の多さでは、USサイトが群を抜いています。
ドイツ人など英語を母国語としない出品者も、米国eBayに出品する際には英語で説明文を書くのが普通です。
6~7年前は、"objektiv zustand ist klar...."などと生のドイツ語を書く人も少なからずいたのですが、最近はまず見かけません。
というわけで、eBayを使うには母国語が何であれ英語は避けて通れません。

幸いなことに、eBayの英語はそれほど難しくありません。
オークションに特化した単語、慣用句はありますが、全体的レベルは平易です。
毎年、この時期になると、大学入試問題が新聞に載りますが、あれの英文読解に比べれば、ebay英語はもう全然難しくありません。
高校英語の実力があれば無問題。
高校~大学時代、赤点追試の常連だった私が言うのだから本当です。

ebay英語は文法的構文的には中学校英語のレベルです。
複雑な分詞構文などまずありません。
ときどき、訳の分からない説明を書く出品者がいますが、これはヤフオクなど国内オークションでも同じ、読み手のことを考えていない単なる悪文です。
意味が分からない、あるいは複数に意味がとれる、主語述語の対応がおかしい、目的語/装飾語の対応がおかしいなど、先天的に書き言葉に対するリテラシーが欠けている人が洋の東西を問わずいます。
こういう出品者からは買わない方がいいです。
読み書き能力の乏しい出品者はネットビジネスに向いていません。

国内国外を問わず、ネットオークションにおいて、出品物説明文が的確簡潔で分かりやすく、必要なことをしっかり書いてある出品者とはトラブルになることはまずないです。
トラブる出品者の文章や写真を見ると、これではなぁ、と思うことが多いです。
ネットオークションは自分を表現する場ではなく、商売の場なのですから、分かりやすい説明文、商品状態が良く分かる写真は最低必要条件です。
これが分かっていないような出品者からは買わない方が安全です。
説明文や写真がいいかげんな出品者は、商品梱包や発送も甘いことが多いです。

ebayでも、日本人の入札が多い出品者は、説明文を工夫して、読みやすいようにしていることが多いです。
平易な単語/表現を使う、センテンスはなるべく短くする、複雑な構文は使わない等々。
外国人出品者でも唯我独尊英語文化原理主義の人ばかりではなく、頭のいい人はたいてい日本人向け対策をしています。
何しろ、日本人にはカメラマニアが多いですから。

ebayの敷居は、説明文ひとつとっても以前より低くなっています。
6~7年前に比べると、明らかにセンテンスが短くなり、長文説明が減ったことを実感します。
とはいえ、これはプロ/セミプロ出品者の場合で、一般個人の出品者はそこまで頭が回らない人も少なくありません。
個人出品者でも地球的視野を持った人ならいいのですが、中にはそうではない人もいます。
そうした場合は解読技術が必要となります。

ebay英語が難しいとすれば、高校英語では習わないカメラ用語、オークション用語などのテクニカルタームでしょう。
絞りの動作が粘る、低速シャッターが粘る、露出計が怪しい、ヘコミがある、クモリがある、カビが生えている、こうした類の英語ですね。
これらは、機械翻訳ではまともに訳されませんから覚えるしかありません。
以下、よく現れるカメラオークション用英単語の解説です。

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aperture
 絞りのことです。"iris"を使う人はほとんどいませんが、"diaphragm"を使う人は時々います。
  "open aperture metering"は開放測光のこと、"stop down metering"は絞り込み測光のことです。

as-is
 現状渡しのこと。ほとんどの場合、ジャンクと同義語です。
 "Junk"という言葉は使われませんが、"as-is"、"for parts"、"for repair"がジャンク相当になります。

bargain
 バーゲン/お買い得品の意味もありますが、訳あり難ありにて格安、というのが実態のようです。

bellows
 蛇腹。接写用のベローズより広い意味で使います。

bid
 入札のこと。ebayで入札する場合には、"Please bid"と記されているアイコンをクリックします。

blemish
 表面の汚れやシミのこと。

brand new
 新品のこと。新製品の意味ではありません。

brassing
 トップカバーなどが磨り減って、真鍮などの地金が見えている状態です。

Buy it Now
 いわゆる「即決」です。あまり安くはないですが、競らずに落とせます。

chromes
 クロームメッキされた金属部分のことです。

circa
 頃。"circa 1958"とあれば"1958年頃"。年代を特定できないときなどに使われます。

cosmetics
 カメラやレンズの外観のことです。機能面以外のキズやヘコミ、スレなどの総称です。
 "cosmetically perfect"などのように副詞/形容詞として使われることもあります。

courier
 宅配便のことです。

dent
 アタリやヘコミのことです。落下などでできる大きなヘコミが多いような気がします。

ding
 小さなくぼみ。dentより小さいものをいうようです。
 "no dings, no dents."といえば、アタリヘコミなし、ということですね。

diaphragm
 ダイアフラム=薄膜。絞りのこと。シャッターブレードの意味で使う人もいます。
 "auto diaphragm"は自動絞り、"semi-auto diaphragm"は半自動絞りのことです。

engraving
 彫り込まれたもの。多くは文字です。機種名やモデル名が多いです。
 中にはユーザが釘などで彫り込んだ自分の名前などのこともあります。

excellent
 エクセレント。状態グレードのひとつです。日本のグレードでいえば、良品~並品/実用品。
 Exと略し、Ex+は少し良いもの、Ex-は少し悪いものを指します。

exposure meter
 露出計のことです。単に"meter"と書くときもあります。

fair
 フェア。状態グレードのひとつ。良さそうに思えますが、poorと同義です。
 VG(very good)、poor、fairあたりは横一線ですね。UG(ugly)はさらに下でしょうか。
 まともに動くかどうかも分からないホコリまみれのカメラが届きます。

fire
 シャッターが動くことを、"Shutter fires well"などと表現します。

fit for
 ~用の。"fit for M42"とあれば、M42用の、ということです。

fungus
 カビのことです。"no fungs."とあれば、カビなし、ということです。

f stops
 F値のことです。露出段数に使われることもあります。
 "focusing and stopping are smooth"という文脈で使われる場合は、絞りリングのことになります。

good user
 現状渡しのことです。あまり良い意味で使われていません。

Item location
 商品所在地です。ブラジルなどとなっていれば、地球半周分の送料がかかることが分かります。

jammed
 シャッターなどがグチャグチャになって動かないこと。シャッターがジャムった、ということですね。
 アメリカ人は"jam"という単語をよく使います。交通渋滞は"traffic jam"ですしね。

leatherette
 人造皮革のこと。主にボディの貼皮のことをさします。

lens barrel
 レンズ鏡胴のことです。

light tight
 光線漏れがないことを意味します。

looks to work
 "seems to work"と同義。「たぶん動くだろう、保証はしないが」といったニュアンスです。

mark/marking
 主にキズの意味で使われます。"no markings on lens"のように。

mint
 ミント。状態グレードのひとつ。日本のグレードでいえば美品に相当します。
 出品者によって解釈が分かれるようです。
 素晴らしいものが届くこともありますが、Excellentとどうちがうのか?というようなものも来ます。
 mint+/mint-というバリエーションがあります。

misc
 miscellaneousの略。雑多なものという意味ですが、オマケ多数の意味で使う人もいます。

mold
 カビ。fungsと同じです。

no reserve
 最低落札価格なし

no warranty
 無保証。

optics
 光学系。レンズやファインダーのことをさします。"optics are clean"などのように使います。

outfit
 一式。カメラ、レンズ、ケース、ストロボ、ストラップ、バッグなどを揃えて出品する場合などに使います。

parcel
 小包のことです。"packet"、"baggage"とも書きます。

point and shoot camera
 コンパクトカメラのこと。銀塩であれデジタルであれ、こう呼びます。

reserve not yet met
 最低入札価格に達していないことを示しています。最低入札価格に達すると、"reserve met"という表示に変わります。

rigid
 固定式のことです。コンパクトカメラなど交換不可能なレンズを、rigid lensなどと呼びます。

scuffs
 こすれてできたキズのことです。

scratch
 擦り傷やスレのことです。"tiny scratches"とあれば、小さなスレあり、ということですね。

separation
 バルサム切れのこと。レンズエレメントをくっつけている接着剤がはがれています。

shade
 レンズフードのこと。直訳すれば「影」です。

shipping
 商品配送のことです。shipping costsといえば、送料ですね。
 ヨーロッパから日本に一眼レフカメラを送る場合、大体$25~$40ぐらいです。
 レンズの場合はもう少し安く、$15~$30ぐらいでしょうか。

ships to
 配送先のことです。"Worldwide"となっていれば、日本をはじめどこにでも発送してくれます。
 "United States"などとなっている場合は、日本への発送はありません。

shutter curtains
 フォーカルプレーンシャッターの先幕/後幕のことです。

SLR
 一眼レフのことです。"Single Lens Reflex"ですね。

sluggish
 低速シャッターの粘りなどの表現で使われます。遅い、のろい、トロい、にぶい、というような意味です。

sticky
 粘つくこと。シャッターの粘りにも使いますが、貼皮についた接着剤がベトベトするときなどにも使います。

TLR
 二眼レフのことです。"Twin Lens Reflex"ということで、普通に使われます。

VG
 "Very Good"、状態グレードのひとつ。"Excellent-"よりも下位です。
 日本のグレードでいえば、並品以下、ジャンク寸前のB級品です。

wear
 スレキズのこと。"there is a minor wear on top"などのように使われます。

works well
 ちゃんと動作するという意味です。
 "works correctly"、"works properly"あたりだと一層安心できます。
 "absolutely works"は逆に少し心配です。
 "absolutely"という副詞は日本人的感覚だとかなり強い印象なのですが、ebayでは気楽に使われているようです。

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人生にスリルとテンションを求める方には、ebayは向いています。
以前ほど安くないのが玉にキズですが、種類の多さは圧倒的です。
日本製カメラでも、輸出用に作られたものは国内市場にほとんど出回らないため、ebayの方が見つけやすいということは普通にあります。
英語が苦手でも大丈夫です。
現在のebayでは、あらかじめ住所氏名を登録しておけば、落札時に出品者に連絡が行くようになっていますから、昔のように英文メールを書く必要はありません。
何とか解読できれば入札できます。
国際親善のために一肌脱いでやろうという方、幸運を祈ります。^^
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by xylocopal2 | 2007-03-15 00:18 | Hardware
2007年 03月 09日 小型M42マウント一眼レフ FUJICA ST605II




"FUJINON 55mm F1.8"が寂しそうにしていたので純正ボディを買ってやりました。
FUJICA ST605II。
1978年に作られたM42マウント一眼レフです。
FUJICAというのは、富士フイルムのいにしえのカメラブランドです。
このカメラ、"FUJICA STシリーズ"の中では底辺を担うローコスト/ロースペックモデルですが、1970年代の日本製カメラらしく非常に真面目にしっかり作られており、30年近く経った現在でも実用に耐えます。3200円なり。

 FUJICA ST605II 仕様一覧
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  フォーマット: 135判 24×36mm
  マウント: M42 (プラクチカスクリューマウント)
  シャッター: 機械式横走り布幕フォーカルプレーン
  シャッタースピード: B, 1/2-1/700sec.
  ファインダー: ペンタプリズム式アイレベル固定、スプリットマイクロプリズムフォーカシングスクリーン
  ファインダー倍率: 0.96× (at 50mm)
  ファインダー視野率: 92%
  露出計: SPDセル TTL中央重点絞り込み測光、指針表示
  測光レンジ: EV+2 - EV+17.66 at ISO100
  シンクロ接点: 1/60sec.
  バッテリー: 1.5Vボタン電池×2 (SR44, LR44 etc.)
  外形寸法: 133×86×49mm
  重量: 565g
 ------------------------------------------------

FUJICA ST605IIは、一眼レフとしてはかなり小さなカメラで、横幅は133mmしかありません。
135.5mmの"PENTAX MX"、136mmの"OLYMPUS OM-1"より小さいといえば、お分かりいただけるでしょうか。
コンパクトな一眼レフではありますが、トップカバー/ボトムカバーなど主要部分は金属製で、持ってみると意外にズッシリした質量を感じることができます。
このカメラが作られた1970年代後半は、カメラボディにプラスチックが使われ始めた時代で、FUJICA ST605IIは金属製カメラとしては最終世代に属するといえます。






ローコストモデルらしさが現れているシャッタースピードダイヤルです。
ST605IIの最高シャッタースピードは1/700sec.。
"Ihagee EXA 1b"の1/175sec.、"RICOH XR500"の1/500sec.に次ぐショボくささです。
ショボいといっても、1/2sec.~1/700sec.もあれば、実用的にはもう全然大丈夫なんですが。

それにしても、1/700sec.とはいかにも中途半端です。
せめて、1/750sec.にしておけば半絞りなので計算しやすいわけですが、富士フイルムというのは真面目な会社なんでしょうね。
おそらく、この正直申告はオマケ的位置づけなのでしょう。
使おうと思えば使えるよ、半絞りよりはちょっと遅いけど我慢してね、という。
実質は、1/500sec.までのカメラ+オマケ付という理解でいいのではないでしょうか。

1/700sec.というシャッタースピードは、スペックを気にする人が多い日本国内向けというよりは、実利を重視する海外向け設定のようです。
最初に1/700sec.シャッターを搭載した"FUJICA ST601"は輸出専用モデルでした。
その後、"FUJICA ST605""FUJICA ST605N"と続きますが、最高シャッタースピードは1/700sec.のままでした。
後継モデルの輸出専用機、"FUJICA ST705""FUJICA ST705W"では、きちんと半絞り分を実現し、1/1500sec.となっています。
それにしても、1/1500sec.というのも聞いたことがない中途半端なシャッタースピードです。
ライカに対抗して1/1250sec.のシャッターを付けたコンタックスより、ユーザサイドに立った中途半端さではありますが。
正直なところ、1/1500sec.は使いようがありますが、1/1250sec.となると計算が面倒なだけで意味があるシャッタースピードとは思えないです。






軍艦部は何の変哲もないプレーンなものです。
強いていえば、バッテリー室が妙な場所にあるくらいのものでしょうか。
バッテリーは、SR44×2 or LR44×2。
両者ともコンビニやドラッグストアで普通に売られているので入手性は二重丸です。

露出計は、レリーズボタン半押しでONです。
絞り込み測光のカメラでは、絞り込みレバーと連動させることが多いのですが、このカメラは開放測光での利用をメインに考えているようです。
開放測光非対応レンズの場合は、絞り込みボタンを押しながらシャッターを半押しします。
煩雑ではありますが、納得のいく操作系ではあります。
"Praktica PLC3"のように、開放測光非対応レンズを使うのが非常に面倒ということはありません。

測光素子はSPD(Silicon PhotoDiode)です。
1970年代前半まで主流だったCdS(硫化カドミウムセル)に比べると、格段に反応が速いのが特徴です。
FUJICA ST605IIは指針式露出計ですが、Pentax SPなどの指針式CdS露出計に比べると反応速度がまるで違います。
CdS式の場合、指針はモタ~ッとしか動きませんが、SPD露出計の場合は、針がピッピッと動きます。
露出計指針の動きを見れば、そのカメラの測光素子がSPDかCdSかは一発で分かります。

巻き上げレバーは、"屈曲式"になっています。
収納時に出っ張らず、運用時に使いやすいスマートな方法だと思います。
レリーズボタンはロック機能付きです。
フィルムカウンターは順算式、裏蓋開放時自動復帰。
リバースクラッチは底蓋のポッチ押し。
こうした標準インターフェースのカメラを使っていると、30年前のものなのに「現代のカメラはいいなぁ」と思います。
古いカメラを使いすぎたんでしょうか。^^






ST605IIのシャッターは古典的な横走り布幕フォーカルプレーンです。
1970年代後半、フォーカルプレーンシャッターは、横走り布幕から縦走り金属幕に徐々に置き換えられつつありました。
軽量な金属幕の方が幕速を上げられ、高速シャッターを実現するのに有利だったからと思われます。
現在では、フォーカルプレーンシャッターといえば縦走り金属幕のものばかりになってしまい、こうした布製ゴム引き幕のものはほとんど見かけなくなりました。
横走り布幕シャッターは全然駄目か?といえば、ライカMシリーズがM7まで使い続けていることを考えれば、そんなことはないと思います。
ただ、1/4000sec.などの高速が出しにくい、AEとの相性が悪い、製造コストが金属幕よりかかる、ということなのだと思います。






ST605IIのマウントは、M42です。
プラクチカマウント、Pマウント、スクリューマウントなどと呼ばれるねじ込み式のマウントです。
ただし、古典的なねじ込みマウントではなく、独自拡張を施したもので、専用のEBC FUJINONレンズを装着すれば開放測光可能となります。
"Pentax SPF""Praktica PLC3""Voigtlander VSL1 TM"などと同じく、開放測光対応拡張M42マウントと呼んだ方が正しいような気がします。






開放測光を行うためには、レンズの開放F値、現在の絞り値などをカメラ側露出計に伝える必要があります。
Pentax SPFはマウント内のツメで、Praktica PLC3はフランジ面の電気接点で、絞り情報を伝えています。
ST605IIでは、マウント外縁部のツメを介して絞り値をカメラ側に伝えるようになっています。
上の丸で囲んだ部分がそのツメです。
開放測光対応のEBC FUJINONレンズには、このツメに対応するツメがあり、ツメ同士が噛み合うことで、現在のF値などをカメラ側露出計に伝えるようになっています。






開放測光時の精度を高めるために、ST605IIのフランジ面には位置決め用のロックピンがあります。
レンズ側の対応する位置には溝が切ってあり、スクリューマウントでありながら、カチッという音とともにレンズが固定されます。
レンズを取り外す際には、横のリリースレバーを押し下げて、ロックを解除します。
このロックピンとあわせ、普通のM42マウントに比べ、ネジ溝が浅く、1回転ほど少ない回転で装着/分離ができるため、レンズの着脱はかなりスピーディな印象です。

絞り込みボタンは右手ひとさし指で押せる位置にあります。
Pentax SP/SPF/SPIIなどのように、左手で押し上げるタイプのものより好みの位置です。
Praktica MTL5のようにロックなしタイプなのも個人的には気に入っています。
この絞り込みボタンは単純に絞り押しピンを押すだけの構造で、露出計のスイッチが入ったりはしません。
開放測光非対応M42マウントレンズを装着して測光する際には、先に書いたとおり、絞り込みボタンを押しながら、シャッター半押しを行う必要があります。
絞り込みボタンを押さなくても、メーターは振れますが大幅にオーバーになりますので注意してください。

ST605IIをはじめ、FUJICA STシリーズの開放測光対応M42マウントカメラは、独自拡張マウントのため、装着できるレンズ、装着できないレンズ、装着できても実用不可のレンズがあるといわれています。
そこで、手持ちのM42マウントレンズをST605IIに付けて、実用になるかどうかを調べてみました。

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Asahi Opt. Co., Super-Takumar 50mm F1.4 Model 1, 8el.
 装着/分離ともに問題なし
 特に問題なく使える

Asahi Opt. Co., Super-Takumar 50mm F1.4 Model 2, 7el.
 装着/分離ともに問題なし
 特に問題なく使える

Asahi Opt. Co., SMC Takumar 55mm F1.8
 装着/分離ともに問題なし
 特に問題なく使える

YASHICA AUTO YASHINON DX 50mm F1.7
 装着/分離ともに問題なし
 3m以遠で後玉がミラーに当たる

YASHICA AUTO YASHINON DS-M 50mm F1.4
 装着/分離ともに問題なし
 特に問題なく使える

Carl Zeiss Jena MC electric Pancolar 50mm F1.8
 電気接点が邪魔をしてねじ込めないので、レンズロックピンリリースレバーを押しながら装着/分離
 開放以外は常時F2.8ぐらいに絞られる
 特に問題なく使える

Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8
 装着/分離ともに問題なし
 開放以外は常時F4ぐらいに絞られる
 特に問題なく使える

Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.8
 装着/分離ともに問題なし
 開放以外は常時F4ぐらいに絞られる
 特に問題なく使える

Pentacon auto 50mm F1.8
 装着/分離ともに問題なし
 開放以外は常時F2.0ぐらいに絞られる
 特に問題なく使える

Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
 開放測光用独自拡張スリットが干渉する場合があるため、レンズロックリリースレバー押下にて装着/分離
 特に問題なく使える

CHINON AUTO CHINON 50mm F1.9
 装着/分離ともに問題なし
 特に問題なく使える

REVUE AUTO REVUENON 50mm F1.9
 装着/分離ともに問題なし
 特に問題なく使える

FUJIFILM FUJINON 55mm F1.8
 何も問題なし
 開放測光OK
----------------------------------------------------------


というわけで、実用不可なのは、オートヤシノンDX 50mm/F1.7の3m~無限遠だけでした。
このレンズ、後玉が異様に出っ張っており、"Voigtländer Bessaflex TM"でも3m~無限遠ではミラーと干渉します。
このレンズの無限遠が使えるカメラは、"Praktica MTL5/50""Praktica PLC3""Revueflex SD1""CHINON CS-4""Ihagee Dresden EXA 1b"などがあり、決して規格外れではないと思うのですが。

東独製レンズは、絞り押し込みピンの長さがわずかに長いらしく、開放以外は若干絞られた状態になります。
実写時には所定位置まで絞り込まれますし、開放設定であれば、ちゃんと開放になるので、問題になることは少ないと思います。
問題があるとすれば、ファインダーが少しだけ暗くなることでしょうか。

独自拡張開放測光対応レンズである、Pancolar electric 50mm/1.8とVoigtländer Color-Ultron 50mm/1.8は、案の定、少し引っかかりました。
とはいえ、レンズロックピンを押下しながら装着/分離すれば何も問題はありません。
使えるレンズに入れていいと思います。

フジフィルム製M42マウント一眼レフはレンズを選ぶ、といいますが、この程度の互換性があれば、まずまずではないでしょうか。
様々なM42レンズの母艦として、FUJICA ST605IIを選ぶのは悪くないと思います。
小さくて可愛らしいですし、何より安いですから。
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by xylocopal2 | 2007-03-09 23:59 | Hardware
2007年 03月 01日 元祖一眼レフ Ihagee Exakta Varex IIa




中世ヨーロッパ騎士の甲冑を思わせるこのカメラ。
クラシックカメラ入門書には必ず載っている、東ドイツはドレスデンの名産品、イハゲー社のエキザクタです。
細かいことをいうと、1958年製造のExakta Varex IIa ver.5.1.2。
Exakta Varex IIaまでが正式名称で、ver.5.1.2は研究者/コレクターによる分類です。
エキザクタシリーズは、バルナックライカやライカMシリーズのように、研究者/コレクターにより非常に細かく分類されており、バージョンの数え方も複数あるようです。
Varex IIaには、上の写真のように、銘板が筋彫(Engraved)のものと、浮彫(Embossed)のもの、そして黒地白文字のモダンなものがありますが、コレクター人気があるのはエレガントで華麗な浮彫銘板のようです。
私は、筋彫の方が質実剛健にして渋く美しいと思っていたので、こちらを選びました。
なお、対米輸出用のVarexは、商標上の問題から、Exakta VXを名乗っていました。






1958年製造にしては古めかしい形です。
同じ年に西ドイツで作られていた"Agfa Agfaflex""Voigtländer Bessamatic"などに比べると、古色蒼然という言葉がふさわしいたたずまいです。
現代でこそ、Exakta Varex IIaのデザインはシックで格調高く美しいものと思えますが、1958年当時はさぞかし時代遅れの古くさいものとして人々の目に写ったに違いありません。

Varex IIaが古めかしいのも当然で、このカメラの原型"キネエキザクタ"が作られたのは1936年(昭和11年)のこと。
つまり、第二次世界大戦前のデザインということになります。
"キネ=Kine"というドイツ語は英語の"Cine=シネ"、つまり35mm映画フィルム(135判)を使うエキザクタという意味です。
キネではない、オリジナルのエキザクタの誕生は1933年。
"Vest Pocket Exakta A"といい、4cm幅のヴェスト判(127判)フィルムを使う少し大振りなカメラでした。
左右対称台形フォルムは、その当時からエキザクタのスタイリングを象徴するものでした。
翌年発売された、"Vest Pocket Exakta B"になると、Varex IIaと非常によく似た姿となっています。

エキザクタは、意匠こそ古めかしいものの、現代の一眼レフの直系先祖にあたります。
世界最初の135判一眼レフは、1936年に作られた旧ソ連GOMZの"SPORT"ということになっていますが、キネエキザクタも同じ年に完成しています。
プロトタイプとしてのVest Pocket Exaktaを考えれば、エキザクタの方が開発が古いように思えます。
12sec.~1/1000sec.の多彩なスピードを持つフォーカルプレーンシャッター、跳ね上げミラーによる一眼レフ方式、バヨネットマウント式交換レンズ群、レバー式巻き上げ機構、これらの機能が70年前に実現されていたというのは驚きです。






トッププレート左側です。
カメラの上部構造のことを「軍艦部」と呼びますが、エキザクタはそう呼ぶのがふさわしいですね。
ゴチャゴチャした機構が、軍艦の艦橋やマスト、煙突などに見えるのです。

エキザクタは、シャッターレリーズ、巻き上げなど主要操作を左手で行うようになっています。
左利きの設計者が作ったのか?というような操作系のため、右利きの人間が使う場合、最初はとまどいます。
右指がカラ撃ちしてしまうのです。じきに慣れてしまいますが。

右上に見えるのが高速シャッターダイヤル。
1/25sec.以下の緩速シャッターダイヤルは軍艦部右側にあります。
Varex IIaのシャッターは、2軸回転式非倍速系列と呼ばれる古典的なものです。

現在の設定値は1/250sec.。
Bはバルブ、Tはタイムです。
タイムというのは昔のシャッターによく付いていたもので、レリーズボタンを一回押すとシャッターオープン、もう一回押すとシャッタークローズとなる仕掛けです。
バルブがレリーズボタンを押しっぱなしにしていないといけないのに対し、タイムは指先を離してもシャッターオープンです。
5分とか30分とかの長時間露光を必要とした大昔のカメラの名残と思われます。

シャッターダイヤルは、シャッターチャージ、つまりフィルム巻き上げを行うとき、巻き上げ角度にあわせて回転します。
レリーズボタンを押したときも回転します。
これが「回転式」と呼ばれるゆえんです。
バルナックライカやそのコピーなどでよく見かけるシャッターですが、知らない人が使うと、レリーズ時、指にダイヤルが当たってシャッターが降りない、厳密に言えば後幕が閉まらないということがあります。確実に露出オーバーになります。

真ん中に見える棒状のものがフィルム巻き上げレバーです。
しゃらくさいことに、セルフコッキングです。
フィルムを巻き上げると同時に、シャッターがチャージされます。
巻き上げ角は異様に大きく、ほぼ300度。
シャッターダイヤルの反対側に当たるまで巻き上げます。
角度が大きい割には操作感が軽いため、巻き上げは快適です。

左下に見えるのがフィルムカウンターです。
今の枚数は15枚目です。
順算式で、巻き上げ時には加算せず、シャッターが降りた瞬間に加算されます。
裏蓋開閉時に自動復帰するタイプではないので、フィルム装填後に手動で初期値をセットする必要があります。
奥の方に見える矢印が付いた小さなダイヤルで、初期値(たいていは1ですね)をセットします。

カウンターの右側、一番手前に見える小さな筒状の突起はリバースクラッチです。
フィルムを巻き戻すとき、この突起を押すと、フィルムスプールがフリーとなり、巻き戻すことができます。
ただし、巻き戻し中は押しっぱなしにする必要があります。

エキザクタの操作感は、そのゴツくさい外見とは裏腹に非常に滑らかです。
今まで使ったことがある何台もの東ドイツ製の某カメラとは雲泥の差です。
精密なカラクリ時計のような感触、というべきでしょうか。
各部品の製造精度/組立精度が高く、いかにもベテランマイスターが手がけた製品という感じがします。
フィルムを巻き上げるときのラチェットの効いたカチカチカチという音など、機械好きな人なら痺れること請け合いです。
36枚撮りフィルムの最後まで、軽い感触で巻き上げ可能なのは、設計の良さと部品精度によるところが大きいように思われます。
何しろ、36枚撮りフィルムを入れると、最後の方は怪力を必要とし、ときにはフィルムがちぎれてしまう危険なカメラさえあった時代ですから。

戦後、社会主義体制になってもこの品質を維持できたのは、イハゲー社がオランダ資本のため、人民公社組織に長い間組み込まれずに済んだ、という背景があるようです。
さすがに、"EXA 1b"の時代ともなると、イハゲー社製品といえど、見事なCOMECON陣営的品質に変貌を遂げていますが。






レリーズボタンです。
もちろん、左手人差指用。
真ん中に見えているのは、レンズから生えたレリーズエクステンションで、カメラのレリーズボタンは、その後ろに写っています。
軸がずれているように見えますが、まぁ、こんなもののようです。
カメラ側レリーズボタンの上に見えるハーフドーム状のカバーは、レリーズロック用のものです。
これを下に降ろすと、レリーズすることができません。
誤レリーズ防止用の装置ですね。

レンズから生えているレリーズエクステンションは、エキザクタ特有のものですが、実絞りやプリセット絞りのレンズにはなく、自動絞りや半自動絞りのレンズのみにあるものです。
M42マウントの場合は、カメラ側のピン押し機構がレンズの絞りを動かしますが、エキザクタマウントでは、ダイレクトに指で押すことになっています。
レリーズボタンを押すと、まず絞りがセットした絞り値まで絞り込まれ、つぎにカメラ側レリーズボタンが押し込まれ、シャッターが下りるという仕掛けになっています。

写真に写っている、Carl Zeiss Jena Biotar 58mm F2は半自動絞りです。
レリーズを押すまでは開放になっていますが、レリーズの瞬間に絞り込まれ、そのまま復帰しないという方式です。
Varex IIaはクイックリターンミラーではないので、半自動でも困ることはないというのか、全自動でもありがたみがないのですが。






カメラをひっくり返して、底の方から見たところです。
レンズの根元、"GERMANY"の文字のそばにスリットとレバーがあります。
これは、絞り羽根を、開放からセットされた絞り値まで瞬時に動かすためのバネをチャージするためのものです。
このレバーをセットしないと、絞りは絞られたままです。
実にたわいもない仕掛けですが、プリセット絞りよりはよほどスマートです。
この動作を人力でえっちらおっちらやるのがプリセット絞りですから。






M42マウントと並ぶ中古レンズマウントの雄、エキザクタマウントです。
しゃらくさいことに、バヨネットマウントで、フランジ面の中と外に爪が見えています。
ミラーボックス側の爪にロックさせるレンズが多いのですが、外側の爪にロックさせるレンズもあるようです。
スピゴットマウント、ブリーチロックと呼ばれるものでしょうか。

X接点マーク下にあるのは、位置決めピンロックレバーです。
レリーズボタンカバーはロックの位置です。
ミラーは降りていますが、Varex IIaはクイックリターンミラーではないため、フィルムを巻き上げないとミラーが降りてきません。
ファインダーを覗いても何も見えないときは、フィルムを巻き上げると見えるようになります。
ミラー受けはモルトではなく毛織物です。まったく劣化していません。

銘板下の"Ihagee Dresden"は、ドレスデンのイハゲー社だよ、というブランドです。
Carl Zeiss Jena、Schneider Kreuznachあたりと同じです。
日本だと、"Cosina Nakano"でしょうか。
IhageeとDresdenの間にあるのは、ファインダーロック解除レバーです。
このレバーを下に押すと、ファインダーが外せるようになります。






ペンタプリズム右側のセルフタイマー兼用緩速シャッターです。
軍艦部左側の高速シャッターダイヤルを、B or Tにセットした上、このダイヤルを操作します。
まず、緩速シャッターダイヤルを上に引き抜き、時計回りにグリグリ回して、バネをチャージします。かなり力が要ります。
一部では、あまりにも力が要るので、緩速シャッターを右側に付けた、その結果、左手操作のカメラになったといわれています。

バネをチャージしたら、スローシャッターの場合、黒文字の1/5sec.~12sec.にダイヤルをセットします。
上の場合は2秒ですね。
レリーズボタンを押すと、シャッター先幕が開き、指定秒時が経過すると後幕が閉じます。
セルフタイマーの場合は、赤文字の1/5sec.~6sec.にダイヤルをセットします。
レリーズボタンを押すと、10秒ほど経過してから、指定秒時の間シャッターが開きます。
このときのスローガヴァナーが奏でる"チィ~ッ"という音が何ともいえず気持ちがいいです。
こういう音を聞いてニタラニタラしている人は、かなり重症の中古カメラウィルス感染者です。

緩速シャッターダイヤル外周部分は単なるリマインダーです。
フィルムの感度、カラー/モノクロの種別などをメモしておくダイヤルですが、最高でも400までしか数字がありません。
そのかわり、25以下がいやに多いです。
ASAではなくDINなのか?とも思いますが、たぶん、そういう時代だったのでしょう。
1958年といえば、ASA(ISO)100フィルムが超高感度フィルムだった時代ですから。






左手巻上のエキザクタは、当然ながらスプロケット/巻き上げ軸も左側にあります。
"Zeiss Ikon Contessa 35""Rollei 35"など、左巻上軸/右パトローネというカメラはけっこうありますが、一眼レフでは少ないと思います。
シャッターは布幕フォーカルプレーンです。

巻き上げ軸はスプール取り外し式です。
バルナックライカをはじめ、昔は多かった方法です。
左手前が、カメラ付属のノーマルスプール。
左奥が手持ちのマガジン式スプールです。
フィルム供給側/受取側双方にカートリッジを使うダブルマガジン方式というものが、昔は存在しました。
その理由は、以下を読めば分かります。






エキザクタ名物のフィルムカッター。
キネエキザクタ時代からの標準装備品です。
写真中央に見えるのが、ビルトインの刃先です。
ボディ底部のノブを下に引っ張ると、この刃先がフィルムをスゥ~ッと切り裂くようになっています。
パトローネ室内蔵フィルムカッター‥‥、なかなか不気味なカメラです。
赤瀬川原平師匠は、「奥歯に自決用青酸カリを仕込んだスパイのようでゾッとする」と書かれていましたが、的確な表現だと思います。






このゾルゲカッター、実用になるのか試してみました。
サクッとシャープな切れ味です。
さすがはゾーリンゲンの‥‥、
あ?何を書いているのだ?そうそう、使用目的でした。
昔はフィルムというものが非常に高価だったのだと思います。

  36枚撮りフィルムを詰めて6枚撮った。
  至急、今撮った分を現像したい。
  しかし、まだ30枚分残っている。
  使わずに現像するのはもったいない。

  じゃあ、撮った分だけ、ちょん切って取り出すか。
  でも、裏蓋を開けると、巻き取り側が感光してしまう。
  暗室かダークバッグがいるぞ。
  いやいや、そのために巻き取り側もマガジンにしておいたのだ。
  ハサミがなくても、ほれ、このとおり。
  スパ~ッ。

まぁ、こんな用途だったのだろうと思います。
わざわざ、こうしたギミックを付けるということは、1930年代はフィルム1本の値段が、勤労者階級の月収の1/10ぐらいはしていたのではないでしょうか。
このカメラ、36枚撮りフィルムを1時間で撮りきってしまうと、たたられそうです。






エキザクタは、1950年まではウェストレベルファインダーのカメラで、縦位置が滅法撮りにくい、横位置専用カメラでした。
ペンタプリズムファインダーが載るようになったのは、1950年からです。
ペンタプリズム搭載可能となったエキザクタから、"Varex"の名前が付くようになりました。
実用はプリズムファインダーの方が使いやすいのですが、格好よく見えるのは、やはりウェストレベルファインダーの方ですね。
上は、"EXA 1b"に付いていたver.6ファインダーを付けてみたところです。
年代的に、Varex IIaには少し新しい感じがしますが、後継機のVarex IIb用ですから、似合っているような気もします。






エキザクタが最も美しく見えるアングルは、このあたりでしょうか。
精密機械のメカニカルな美しさ、いかにもクラシックカメラらしい大時代的な意匠、たしかにクラカメ大図鑑が載せたくなるような姿です。
しかし、実際に使ってみても、エキザクタはなかなか良いカメラですよ。
使いやすいとまではいいませんが、死ぬほど使いにくいわけでもありません。
実写例は下にあります。

 Xylocopal's Photolog 2007/02/20 "A day in Sun Light"
  http://xylocopal2.exblog.jp/5571634

 Xylocopal's Photolog 2007/02/23 "ノリタケ発祥地にて"
  http://xylocopal2.exblog.jp/5592411
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by xylocopal2 | 2007-03-01 16:39 | Hardware
2007年 02月 27日 M42マウント用接写リング




名古屋市内自宅にて
 Canon EOS 30D
 Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8 + Extension Ring


一昨日撮ったボケの右上のツボミが開きました。
M42マウント用接写リングが届いたので、EOS30Dにカラーウルトロンを付けて撮ってみました。
接写リングというのは、最短撮影距離を短くするための古典的接写ツールです。
中間リング、延長リング、エクステンションリング、エクステンションチューブなどと呼ばれるとおり、カメラとレンズの間に装着し、ありえないほどヘリコイドを繰り出した状態を作ります。
長さの異なる3点セットで売られることが多く、今回入手したものも、7mm、14mm、28mmの3種類が入っていました。





接写リングは、それぞれ単独でも使いますが、組み合わせても使えます。
上の写真では、3連結で49mmの長さにしています。
これ以上伸ばしたいときは、ベローズ(蛇腹)ユニットを使うことになります。

接写リングは、基本的にドンガラの筒で、ガラスのレンズは入っていません。
そのため、クローズアップレンズより画質的には優位ですが、長さが長くなるほど露出倍数がかかるようになります。
つまり、長いリングを使うほど、絞りを開けるか、シャッタースピードを遅くする必要があります。
とはいっても、現代のTTL露出計内蔵カメラを使っている限りは無問題です。
露出倍数を計算する必要があるのは、外光式露出計や単独露出計を使う場合などです。

各リングの最短撮影距離で撮ってみました。
サンプルのデイジーの直径は30mmほどです。
左上がリングなし、最短撮影距離45cmからの写真です。





3連結で等倍+αぐらいまで接写できるようです。
このときのワーキングディスタンスは、1~2cmです。
レンズ自身の影が被写体にかかり、そろそろ別光源の必要性を感じます。
3連結で撮ったものを、いつものサイズで下に上げました。




Canon EOS 30D / Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8 + Extension Ring


今回購入したのは、VEB Pentacon製の接写リングです。
森山農園にて、2000円なり。
一応、自動絞り対応です。
銀塩M42カメラでは接写をするつもりはなく、マウントアダプター経由で使うことになるため、自動絞り非対応でも良かったのですが、来たものは自動絞り対応リングでした。

カラーウルトロンやスーパータクマーあたりの切れのいいレンズで、ここまで近寄れるのは楽しいです。
普段使いには、14mm一本でもいいですね。
14mmあたりは手持ちでも撮影できますし。
28mm以上になると、手持ちは苦しいです。
3連結になると、被写界深度が極度に薄くなるため、三脚+マクロスライダーが欲しくなります。
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by xylocopal2 | 2007-02-27 17:48 | Hardware
2007年 02月 20日 50mmレンズ 近接描写F4勝負 Part.1




手持ちの50mm/55mmレンズです。
EFマウントが2本、M42マウントが12本あります。
50mm/55mmというのは、135判フォーマットの標準レンズですが、個人的には非常に愛着のある使いやすい焦点距離で、その上、M42マウントの50mm/55mmレンズは安価なため、あっという間に増殖しました。
これら14本のレンズを同一カメラに付け、同一被写体を撮影し、描写傾向を調べてみることにしました。
エントリーしたレンズは下記のとおりです。


Canon EF 50mm F1.4 USM

現行モデルですが、設計は古いレンズです。
発売されたのは14年前の1993年。EFマウントレンズとしては第2世代ぐらいのレンズですが、描写傾向はMF時代のNew FD 50mm F1.4にそっくりです。私は、New FD 50mm F1.4を長い間使ったので、EF 50mm F1.4を初めて使ったときには大いに既視感がありました。
両者のスペックは、外寸と重量以外は、6群7枚のエレメント構成、絞り枚数、最短撮影距離、最大撮影倍率など、すべて同じです。おそらく、基本設計は1979年から変わっていないだろうと思います。

APS-C機で使うと、明るいポートレートレンズとして有用です。暗所で人間を撮る際には絶大な威力を発揮します。開放はさすがにアマアマですが、F2あたりから実用になります。F2の実写例は下にあります。

 Xylocopal's Photolog : 大野えり Jazz Vocal Live
  http://xylocopal2.exblog.jp/3928773/


SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG

このレンズも、基本設計はそれほど新しくないと思われます。
EX DGの発売が2004年、デジタル未対応のEXの発売が1998年、EXになる前のものは1990年代初頭から存在したような記憶があります。
エレメント構成は、9群10枚。
今回テストしたレンズの中では群を抜く枚数の多さです。
このレンズとテッサー以外は、4群6枚、5群6枚、6群7枚などのダブルガウス系レンズばかりです。

試用レポート
 Xylocopal's Photolog : SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG Report
  http://xylocopal2.exblog.jp/4093480/


CHINON AUTO CHINON 50mm F1.9

ここから下は、すべてM42スクリューマウントレンズです。
このレンズは、長野県茅野市に本拠を置いたチノンのもの。チノンレンズの多くが富岡光学製であったことを考えると、このレンズも富岡光学製の可能性が高いです。富岡光学は特にヤシカと関係が深く、二眼レフ時代のトリローザから、コンタックス時代のCarl Zeiss銘レンズにいたるまで、富岡光学製レンズは、いずれも優秀なレンズとして知られています。

このレンズには、絞りのAUTO/MANUAL切換スイッチは付いていないので、マウントアダプタを介して利用する際には、必ずツバ付きのもの、つまり、常時絞り押しピンを押す構造のアダプタを使う必要があります。


REVUE AUTO REVUENON 50mm F1.9

上のAUTO CHINON 50/1.9と同じレンズです。多少デザインが異なりますが、光学系はおそらく同一です。解像力もコントラストもローコストなりですが、なかなか端正な描写で、不思議と印象に残る、味わい深いレンズです。

インプレッション
 Xylocopal's Photolog : 秋の色
  http://xylocopal2.exblog.jp/4897459/


Asahi Opt. Co., Super-Takumar 50mm F1.4 Model 1

ずっしりと持ち重りがする、通称「8枚玉」スーパータクマーです。
スーパータクマー50mm/F1.4には、前期型と後期型がありますが、これは前期型Model1です。後期型Model2のエレメント構成が6群7枚であるのに対し、Model1では6群8枚となっています。
また、Model2には放射性物質であるトリウムが硝材として使われているのに対し、Model1にはトリウムが使われていません。そのため、Model1には放射線による黄変がほとんど見られません。
この個体は、中古カメラ市のジャンク箱から救出してきたレンズですが、非常に写りが良く、なぜジャンク箱に入っていたのかよく分からない謎のレンズです。

試用レポート
 Xylocopal's Photolog : 8枚玉のスーパータクマー
   http://xylocopal2.exblog.jp/4746741/


Asahi Opt. Co., Super-Takumar 50mm F1.4 Model 2

後期型のスーパータクマー50/1.4です。
中古市場で見かけるスーパータクマー50/1.4は、ほとんどがこの後期型Model2です。Model1が8枚玉構成であるのに対し、こちらはコンベンショナルな7枚玉構成です。
スーパータクマー50/1.4 Model2は、硝材にトリウムが使われていることで知られています。その放射線量はおそらく全レンズ中トップクラスで、自然界放射線量の約100倍。ほとんどの個体が高速中性子によるガラスのブラウニング現象のため濃い黄褐色に変色しています。このレンズを付けてファインダーを覗くと、思わず「うっ!」と唸るほど黄色い視界が広がります。

放射線量実測レポート
 Xylocopal's Photolog : 放射能レンズ ガンマ線量実測
  http://xylocopal2.exblog.jp/4803677/


YASHICA AUTO YASHINON DX 50mm F1.7

このレンズも、中古カメラ市のジャンク箱から拾ってきたもの。
1960年代のヤシカ製レンズで、おそらくは富岡光学製と思われます。
非常に外観が美しいレンズで、クロームメッキに輝く前枠が何とも粋です。このかっこよさにしびれて拾ってきたようなものです。現代のレンズであれば、不要反射を防ぐ意味から、このあたりをクロームメッキにすることはほとんどないでしょう。

このレンズ、後玉の突出ぶりも素晴らしく、無限遠にすると、絞り押しピンより後ろに後玉が出っ張ります。いかにもミラーと干渉しそうですが、実際、Bessaflex TMでは、無限遠だとミラーが当たります。かなり、ボディを選ぶレンズです。

インプレッション
 Xylocopal's Photolog : とってもジャンクなオートヤシノンDX 50mm F1.7
  http://xylocopal2.exblog.jp/4640136/


YASHICA AUTO YASHINON DS-M 50mm F1.4

上のDXより少しだけ新しいヤシカ製レンズです。
大柄なレンズで、持ってみると、ずっしりとした重さが伝わってきます。
確証はありませんが、富岡光学製レンズだと思います。お前は、ヤシカ系レンズは何が何でも富岡光学製にしたいのか?というわけではないのですが、右インフ(無限遠)右開放の鏡胴デザインは富岡光学製レンズの典型的特徴なのです。
富岡光学は、京セラの子会社、京セラオプテックの前身で、ヤシカ製CONTAXのツァイスレンズを作っていたことで知られています。

このレンズ、トリウム含有の放射能レンズと思われます。ガンマ線量実測の結果、スーパータクマー50mm/F1.4 Model2に次ぐ高い線量を確認しました。自然界放射線量のざっと40~50倍。SMC Takumar 55mm/F1.8より多い数値でした。


Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8

1970年代に作られた、シンガポールローライ製レンズです。
Carl Zeiss Planar 50mm F1.8Flash Ifbagon 50mm F1.8と同一光学系を持つ三兄弟のひとつです。
ローライ、フォクトレンダー、カール・ツァイスの血脈が複雑に混じり合ったレンズで、中身はプラナーなのかウルトロンなのか判然としません。
しかし、混血の子供は美しい、という古諺のとおり、非常にみずみずしく、生命感あふれる鮮やかな描写をします。今回エントリーしたレンズの中では、実写の印象がずば抜けて素晴らしいレンズです。

紹介&インプレッション
 Xylocopal's Photolog : 腐っても鯛なカラーウルトロン
  http://xylocopal2.exblog.jp/4797347/


Carl Zeiss Jena MC Pancolar 50mm F1.8

東ドイツ・イエナ市原産のレンズです。
ツァイスのダブルガウスタイプ標準レンズには、Biotar 58mm F2があったのですが、それと入れ替わりに登場したのがパンコラーです。大雑把に分けると、クローム鏡胴の第一世代、縞々ゼブラの第二世代、黒鏡胴の第三世代となります。光学的には新しくなるほど良いわけですが、私は断然縞々ゼブラの第二世代を偏愛するものであります。
1960年代を象徴するようなシャープでイカス、美しい縞模様です。バウハウスデザイン直系の機能美でしょうか。この時代は各社ともゼブラレンズを作ったのですが、イエナ製が一番かっこよく見えます。私は、こうしたデザインを見ると、脳内に"The Fifth Dimension"が歌う"Aquarius - Let the Sunshine In"が鳴り響き、判断停止状態になってしまうのです。

試用レポート
 Xylocopal's Photolog : 縞々ゼブラなパンコラー
  http://xylocopal2.exblog.jp/4672457/


Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8

テッサーというレンズは、1902年に発明されて以来100年をすぎた今なお第一線にある非常に長命なレンズです。使ってみると分かりますが、とにかく破綻しない、安心のレンズですね。これが付いていれば、最低限まともな写真が撮れるという。

戦前のテッサー、戦後の東独製テッサー、西独製テッサーなど過去に様々なテッサーを使ったことがありますが、私が一番好きなのは、戦後東独時代のテッサーです。西独製テッサーはどうも極端に硬くて、被写体を選びます。それに対して、東独製テッサーは適度な柔らかさがあり、人物を撮っても違和感がありません。この縞々ゼブラのテッサーも東独製らしくバランスのとれた描写をします。

Tessar偏愛記
 Xylocopal's Photolog : Tessar on my mind
  http://xylocopal2.exblog.jp/4314500/


Pentacon auto 50mm F1.8

プラクチカの標準レンズであったペンタコンオートです。
オリジナルは、Meyer Görlitz Oreston 50mm F1.8
よく、「マイヤーのレンズは甘いやー」などと言われ、私が過去に使ったTrioplan 50mm F3.5あたりも、どうやってもピントが甘く、なるほどアメーヤーと思ったものですが、これは甘くはないです。ちゃんと写ります。

最大の特徴は、最短撮影距離が33cmと短いことです。こんなに寄れる標準レンズは珍しいです。ほとんどが45cm、1.5feetどまりですから。東独製50mmレンズはいずれも最短撮影距離が短く、パンコラー/テッサーも35cmまで寄れます。こうした寄れる50mmレンズを、APS-Cデジタル一眼レフに付けると、寄れるポートレートレンズになり、なかなか面白いです。


Asahi Opt. Co., SMC Takumar 55mm F1.8

高校時代に買ったレンズです。
Pentax SPFとともに、名古屋今池・松屋カメラで入手しました。SPF本体は売ってしまったのに、何故かレンズだけが残っています。

すでに評価の定まった名レンズですが、これも放射線を出すトリウムレンズです。スーパータクマー50mm/F1.4ほどではありませんが、その1/3程度、自然界放射線量の30倍という値を示します。大量に出回っているため、中古価格は非常に安く、3000円ほどからあります。放射能レンズに興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。値段からは信じられないほどの素晴らしい描写をします。M42マウントレンズ入門にも向いています。


FUJIFILM FUJINON 55mm F1.8

開放F値1.8のレンズとは思えない立派な鏡胴です。鏡胴デザインは、EBC FUJINON 55mm F1.8と同じながら、EBC銘がない謎のレンズです。EBCコーティングなしのモデルかもしれませんし、EBCコーティングが施されているにもかかわらず、無銘レンズなのかもしれません。

M42マウントといっても、FUJICA独自の開放測光に対応した絞り連動爪が付いているため、最後までねじ込めないボディがあります。マウントアダプタの場合は、ほぼ全滅でしょう。この場合、無限遠にピントが来ず、せいぜい3mあたりまでの中近距離専用レンズになります。また、絞りのAUTO<=>MANUAL切換レバーや強制絞り込みレバーがないので、常時絞りピンを押すマウントアダプタでないと、絞ることができません。

インプレッション
 Xylocopal's Photolog : 正体不明のFUJINON 55mm F1.8
  http://xylocopal2.exblog.jp/5297045/




紹介した14本のレンズを使って、同一被写体を撮ってみました。
撮影は右の写真のようなセットで行いました。
カメラは、Canon EOS 30D。
APS-Cサイズイメージセンサーデジタル一眼レフですから、50mmレンズの画角は1.6倍の80mm相当になります。
ポートレートレンズ近接撮影勝負です。
M42マウントレンズは、常時ピン押しタイプのマウントアダプタを介して取り付けています。

被写体は撮影条件を揃えやすい人工光源下の近接物体。
例によって、写真も撮れる骨董品、コダック・レチナを2台、色温度6500Kの蛍光灯の下に置きました。
左側の黒いものが、"Kodak Retina Type 117"、1934年製。
右のシルバーのものが、"Kodak Retina I Type 010"、1947年製。
被写体のフォーカスポイントまでの距離は55cmです。

撮影はマニュアル露出、マニュアルフォーカスで行いました。
ホワイトバランスは白紙ワンショット取込法。
白紙撮影レンズは、「カラーバランスはISO推奨値とほぼ一致」を謳う、Canon EF 50mm F1.4 USM。
以下の写真は、EF 50mm F1.4 USMを基準とした相対的色空間で見ていることになります。

撮影データは下記のとおりです。
 ISO:100、F:4.0、SS:1/13sec.、WB:Manual

絞りをF4に固定したのは、自分が一番よく使う絞り値だからというだけの理由です。
マニュアル露出のため、露出補正という概念はありません。
どのレンズも、F4に絞り、機械的に1/13sec.でシャッターを切っているだけです。
アンダー/オーバーがあるとすれば、純粋にレンズ側の光学的要因によるものと思われます。
下の方に、それぞれの写真のヒストグラムも併せて掲載してあります。

MFのレンズが多いので、AFのレンズもそれに合わせ、MFで撮っています。
フォーカスは右のカメラのシャッタースピードリング、"250"の文字に合わせてあります。
合わせたつもりですが、EOS30Dのスヌケに近いマット面、寄る年波、老眼のため、微妙に前ピンだったり後ピンだったりしています。
正確な撮影にならなくて残念ですが、すでにセットを片付けてしまい、再現性がなく、どうしようもありません。
どうか、勘案しながら見てください。

掲載写真は、ノーレタッチ、ノートリミング。
縮小~文字入れのみ。
アンシャープマスクさえかけていないので、エッジが弱い画像になっています。
普段であれば、半径1pixel、25%ほどのアンシャープマスクをかけますので、もっとエッジが立った写真になるはずです。





















下に並べたのが上の写真のヒストグラムです。
シャドウが締まっているか?中間調が豊富か?などが分かります。
Auto Yashinon DX 50mm/F1.7のように、シャドウの左側が大きく空いているものは、明らかに黒が浮いた眠い画像になります。
Pentacon auto 50/1.8は、-0.5EV程度の露出補正が必要なトーンです。F4に合わせたものの、実際にはF3.5程度にしか絞れていないような気がします。
逆に、Tessar 50/2.8は、+0.5EV程度の露出補正が必要なトーンです。F4.5程度まで絞っているように見えます。
55mmの2本は、シャドウの締まりが良さそうに見えますが、明らかに画角が違うので、一律に比較できません。





以下は、あくまでも参考数値です。
上記JPEG画像のファイルサイズを大きい順に並べてみました。
----------------------------------------------------
107,364KB Canon EF 50mm F1.4 USM
106,817KB Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4
104,675KB Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
103,774KB Super-Takumar 50mm F1.4 7el
103,748KB SIGMA Macro 50mm F2.8 EX DG
102,851KB Super-Takumar 50mm F1.4 8el
102,327KB Carl Zeiss Jena MC Pancolar 50mm F1.8
100,440KB Pentacon auto 50mm F1.8
99,150KB Fujinon 55mm F1.8
98,140KB Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8
97,389KB Auto Yashinon DX 50mm F1.7
97,194KB Auto Revuenon 50mm F1.9
97,006KB Auto Chinon 50mm F1.9
93,983KB SMC Takumar 55mm F1.8
----------------------------------------------------

JPEG画像では、同一圧縮率/同一圧縮アルゴリズムであれば、空間周波数が高い、すなわち情報量の多い画像ほど、ファイルサイズが大きくなるという特徴があります。
誤解を恐れず、思いっきり簡単に言えば、レンズのシャープネスが高く、細かい部分まで解像しており、周辺部分も流れていない、輪郭成分が多い画像ほど、ファイルサイズが大きくなるということです。
ファイルサイズは上記画像の文字入れ前のもの、つまりオリジナル画像を単純縮小しただけのものを、Adobe Photoshop CSの70画質でJPEG化した際の数値です。
文字数が多い方がファイルサイズが大きくなることを回避しています。

ただし、同じ50mmレンズといっても、画角が微妙に異なる上、フォーカスも前ピン後ピンがあるので、厳密な比較にはなりません。
ピント位置いかんによって、情報量が上下し、順位が逆転する可能性は充分あります。
また、50mmレンズと55mmレンズでは、同列に比較できません。
やや焦点距離が長い、55mmの方がファイルサイズは小さくなるのは当たり前ですから。


 "50mmレンズ 近接描写F4勝負 Part.2"に続く


なお、それぞれのレンズで撮影した原寸大写真は下記にあります。
ディティールまで、しっかりと見てみたい、という方は御利用ください。

 原寸大(3504×2336pixels)サンプル写真
  http://www.imagegateway.net/a?i=41wibZxnTo
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by xylocopal2 | 2007-02-20 00:23 | Hardware
2007年 02月 20日 50mmレンズ 近接描写F4勝負 Part.2
Xylocopal's Photolog : 50mmレンズ 近接描写F4勝負 Part.1の続きです。




続いて、右のカメラのシャッタースピードリング上部の等倍切り出し画像を比較してみます。
50mmといっても、微妙に画角が違いますし、55mmの場合はもっと違います。
右下部分を基準にして、720pixels×480pixelsに切り出してみました。
シャッタースピードリングの"250"にフォーカスを合わせていますが、微妙に前ピン、後ピンになっているのは前述のとおりです。
どうか、想像力をふくらませながら、ご覧になってください。


















このテストでは、偶然私の手元に集まった様々な程度のレンズを使っています。
ジャンク箱の中から発掘したものもありますし、ebay経由でドイツやオーストリアからやって来たものもあります。
中には、絞りの動きが渋いものや、真っ黄色に変色したものもあり、その程度は実に様々です。
そんなわけで、あまり公平なテストではないかもしれません。
結果を鵜呑みにしず、各自の判断を優先してください。
以下、講評です。


Canon EF 50mm F1.4 USM
とかく、甘い甘いといわれるEF50mm/F1.4ですが、F4あたりまで絞れば実にシャープです。
JPEGファイルサイズランキングでは堂々の1位。
このレンズを使ってホワイトバランスをとっているので、当然ながら、色はニュートラル。
コントラストもしっかりしており、黒から白までワイドレンジな階調感です。
近接撮影は不利か?と予想していましたが、全然問題ないですね。
現行純正レンズの面目を保っています。


SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG
被写体まで55cmという近接撮影では、このレンズがぶっちぎりの優秀さを見せるか?と予想していたのですが、どうもピリッとしません。
上の等倍画像を見ると、明らかな前ピンになっていることが分かります。
そのせいもありますが、本領発揮するのは、もっと近づいたときのような気がします。
コントラストは優秀、階調感もまずまず。
実写では何も不満がない良いレンズです。


CHINON AUTO CHINON 50mm F1.9
以前、お茶漬けの味、と書いたことがありますが、まさにそんな感じの結果でした。
特別シャープでもなければハイコントラストでもない平凡な描写。
でも、鼻に付くところがない、毎日使っても飽きない、そんな味わいの枯れたレンズです。
私は、このレンズ、けっこう好きです。


REVUE AUTO REVUENON 50mm F1.9
AUTO CHINONはわずかに黄変していますが、AUTO REVUENONはニュートラルな色を保っています。
描写、ヒストグラム、JPEGファイルサイズ、すべてがAUTO CHINONにそっくりです。
同じレンズなのだから、当たり前といえば当たり前ですが、ここまで同じだと笑えてきます。
違うのは鏡胴デザインだけ。
鮭茶漬けと梅茶漬けでしょうか。


Asahi Opt. Co., Super-Takumar 50mm F1.4 Model 1, 8el.
私的銘玉認定のレンズです。
40年前のレンズとは思えないナチュラルなカラーバランスです。
8枚玉スーパータクマーが珍重されるのは、この色味なのでしょう。
何しろ、7枚玉スーパータクマーは下に書いたとおりですから。
階調再現もなだらかで、立体感をうまく出しています。
シャドウの締まりが悪いですが、これはレタッチで簡単に治せますし、もともと、これぐらい眠いトーンの方が好きだというのもあり、減点対象ではありません。
解像感も定評どおりのスグレモノですね。
こうした美味しいレンズが転がっているので、ジャンク箱あさりはやめられません。


Asahi Opt. Co., Super-Takumar 50mm F1.4 Model 2, 7el.
解像感は8枚玉をしのぎます。
でも、ここまで黄色いと、ファインダーを覗いた瞬間に、イエローマジックオーケストラの「東風」が脳内を吹きわたります。
まさに、イエローマジック。
このレンズは、モノクロ専用と考えた方がいいかもしれません。
常時、イエローフィルター付のレンズです。
TRI-Xあたりを使って、粒子を荒らし、ハイコントラストで使うと良いかもしれません。


YASHICA AUTO YASHINON DX 50mm F1.7
シャドウの締まりがイマイチなレンズです。
完全に黒が浮いています。
さりとて、中間調が素晴らしいというわけでもありません。
しかし、カラーバランスはスーパークール、ウルトラクールというべき冷調さで、非常に個性的です。
このレンズを付けて、夜明けの都会を撮ると、しびれるほどかっこいい写真が撮れそうな気がします。


YASHICA AUTO YASHINON DS-M 50mm F1.4
トリウムレンズらしく、イエローマジックなレンズです。
とはいえ、7枚玉スーパータクマー50/1.4ほど濁った黄色ではないので、ウォームトーンを表現する目的では使えそうです。
解像感はビシッとしており、ボケも柔らかく美しいレンズです。
ローコントラストですが、T-MAX100あたりの超微粒子モノクロフィルムで使うと、良さそうなレンズです。


Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8
私的名玉認定レンズのナンバーワンです。
実写のインプレッションと差がありません。
解像感抜群で、フォーカシングが非常に楽です。
ピントのピークが切り立っている感じですね。
加えてコントラストも現代のレンズ並、階調再現もワイドレンジで、シャドウの締まりもいいです。
ボケはそれこそ「うるとろ~ん」と素晴らしく、もう何も言うことがありません。
カラーバランスもニュートラルで、ポジ撮影も問題ないでしょう。
地味な外観に似合わず高性能、羊の皮を被った狼でしょうか。
私的M42マウントベストレンズです。


Carl Zeiss Jena MC Pancolar 50mm F1.8
解像感は特に切れ込みがいいというほどではありませんが、ボケの美しいレンズです。
今回テストしたものの中では、一番柔らかなボケだと思います。
コントラストもこの時代のレンズとしては良いです。
黒の締まりもいいですね。
カラーバランスがわずかに黄色いですが、この程度なら私は無問題です。


Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8
解像感はイマイチ、階調再現はドンシャリ、今回テストした中では後ろから数えた方が早いレンズです。
チノン兄弟、ヤシノンDXと併せて四駄目レンズでしょうか。
でも、私的には、永遠の名玉認定レンズです。
縞々ゼブラに身を包んだテッサーでありさえすればいい、という恐ろしく偏った愛情で使い続けることでしょう。
EXA 1bに付けるレンズとしては、これほど似合うものはありません。


Pentacon auto 50mm F1.8
絞りの調子が悪かったらしく、これひとつだけ、ややオーバー気味でした。
とはいえ、悪いレンズではないです。
解像感、コントラスト、階調感、すべて標準以上だと思います。
このレンズの場合、近接時の樽型歪曲の方が問題が深刻です。
せっかく寄れるレンズなのに、直線を含んだ被写体の場合、使い方を制限されるのが残念です。


Asahi Opt. Co., SMC Takumar 55mm F1.8
すでに銘玉認定されたレンズです。
写真を見比べてみると、エレメント構成が違うのですが、テッサーに似ています。
ヒストグラムも同傾向。若干黒潰れ傾向があるようです。
また、わずかに色収差もあります。
とはいえ、このレンズはコストパフォーマンス抜群です。
3000円で買えるレンズで、こんなしっかりした描写をするものはありませんから。


FUJIFILM FUJINON 55mm F1.8
私的銘玉認定レンズです。
古いレンズなのに、実にナチュラルなカラーバランスです。
フィルムメーカーのレンズは発色がいいと言いますが、このレンズも発色がいいです。
解像感も充分で、このレンズもフォーカシングが極めて楽でした。
シャドウも潰れず、なかなか多階調です。
EBC FUJINONとどう違うのか、一度調べてみたいものです。


というわけで、50mmレンズ近接描写F4勝負の四天王は、EF50mm/F1.4 USM、Super-Takumar 50mm/F1.4 8el、Voigtländer Color-Ultron 50/F1.8、FUJINON 55mm/F1.8ということになりました。
この中からひとつだけ選べ、と言われれば、迷わずカラーウルトロンを選びます。
文句は色々あるでしょうが、あくまでも私的な、非常に情緒性を重視した、偏った選択であることを御理解ください。

なお、それぞれのレンズで撮影した原寸大写真は下記にあります。
ディティールまで、しっかりと見てみたい、という方は御利用ください。

 原寸大(3504×2336pixels)サンプル写真
  http://www.imagegateway.net/a?i=41wibZxnTo
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by xylocopal2 | 2007-02-20 00:23 | Hardware
2007年 02月 01日 牧歌調M42一眼レフ Ihagee EXA 1b




昨年大晦日に、「来年はあまりカメラを買わず、真人間になって‥‥」などと書いたにもかかわらず、またカメラ買ってしまいました。
そう、Ihagee EXA 1b。
東ドイツはドレスデンの特産物。
甲冑カメラ、"Ihagee Exakta"の姉妹品。
エキザクタを寸詰まりにして、大幅に機能を削った廉価版です。
典型的なローコスト/ロースペックのカメラで、シャッタースピードは、Bulb、1/30sec.、1/60sec.、1/125sec.、1/175sec.の5種類しか選べず、AEはおろか、露出計すら付いていません。
人力100%のフルマニュアルカメラです。
イハゲー社の製品ながら、エキザクタマウントではなく、M42マウントを採用しています。

 Ihagee EXA 1b 仕様一覧
 ------------------------------------------------
  フォーマット: 135判 24×36mm
  レンズマウント: M42 (プラクチカスクリューマウント)
  シャッター: メタルセクター式ミラー一体型
  シャッタースピード: B, 1/30、1/60、1/125、1/175sec.
  ファインダー: 交換式(ウェストレベル/ペンタプリズム式アイレベルetc.) フォーカシングスクリーン交換可
  ファインダー倍率: ?
  ファインダー視野率: ?
  露出計: なし
  バッテリー: 不要
  外形寸法: 130×85×48mm
  重量: 590g
 ------------------------------------------------

このカメラ、ゴシック的荘重さと同時に社会主義的安物感が漂い、たいそう古めかしく見えます。
それもそのはず、シリーズ中、最も古い"EXA 0"が作られたのが1951年、今の形になった"EXA 1"が作られたのが1962年ですから。
つまり、このカメラのデザインは1950年代のセンスをベースにしているわけです。

とはいえ、上の写真の個体は意外に新しく、1980年代初頭の生まれです。
EXAシリーズ シリアルナンバー対照表で調べてみると、1981年~1982年頃の製造と思われます。
1950年代デザインのカメラを1980年代になっても作って売る、というのは東ドイツの国民車"トラバント"に通じるものがあります。
もちろん、発売当時、西側陣営のカメラとの競争力など無きに等しいものでした。

手持ちのM42マウントカメラでいえば、"Revue Revueflex SD1""CHINON CS-4"あたりが同世代のカメラになりますが、これらに比べると、EXA 1bは涙が出そうなほどの野暮ったさ、すがすがしいまでのロースペックぶりです。
"Revueflex SD1"は西ドイツで売られていましたから、東ドイツの人も目にする機会はあったことでしょう。
実際に使ってみなくても、外観から中身の違いを想像することは可能です。
壁の向こうのカメラはああなのに、壁のこちら側のカメラはエクサ1bである‥‥、なるほど、ベルリンの壁が崩壊するはずです。

でもね、カメラってスペックじゃないんですね。
このカメラ、愛玩用としては最高なんです。
小振りでころっとした可愛らしい形を見ていると、それだけで気分が和みます。
こんなふざけた形のM42マウントカメラって、あまりないですから。
"BOLSEY 35""SIGNET 35"と並ぶ三大おむすび系カメラだと思います。

それに、時代も変わりました。
上で、野暮ったいだの古くさいだの書いた部分は、現代では粋にすら見えます。
このカメラ、基本デザインは優秀だと思います。
さすがは、バウハウスデザインの国ではあります。
イエナ製の縞々ゼブラなレンズを付けると、非常によく似合い、最高にクールな逸品だと思います。
パンコラーやフレクトゴンでもいいですが、カメラのステータスを考えると、ここはテッサーが一番でしょう。
メイヤー・ドミプランあたりでもいいですね。
あまり高級なレンズは似合わないカメラです。





ウェストレベルファインダーを選べるというのも、愛玩用カメラとしてはポイントが高いです。
ウェストレベルファインダーというのは、リバーサルフィルムを透過光で眺めるのと似ており、被写体が実物より美しく見えてしまうことが往々にしてあります。
フィルムを入れずに、空シャッターを切って遊ぶには最高のファインダーです。
若い頃、二眼レフをメインで使っていた私にとって、こうしたファインダーは郷愁を誘う懐かしいものです。





おむすびころりんな後ろ姿です。
エキザクタは左巻き上げでしたが、エクサは一般的なカメラと同じく右巻き上げです。
巻き上げレバーの中央はフィルムカウンターです。
自動復帰しない減算カウンターという化石のようなものが付いています。
フィルムを入れるたびに、36とか24とかフィルム枚数を合わせる必要があります。

ウェストレベルファインダーの作りはなかなかいいです。
折りたたむのも、起こすのも一瞬です。
ルーペを出したままでも、自動的に折りたたまれるようになっています。
東ドイツという国は、ハイテク関係はダメダメでしたが、こうしたローテクな工作物を作らせると上手でしたね。
あまりにも気持ちよく動作するので、無意味に開けたり閉めたりしてしまいます。
工芸品的手技で作られたカメラは、現代にこそ必要なのではないでしょうかね~。





ウェストレベルファインダーとプリズムアイレベルファインダー、そしてフォーカシングスクリーンです。
フォーカシングスクリーンは、左がスプリットイメージ、右がマイクロプリズムです。
いずれも、コンデンサーレンズまで一体となった分厚いものです。
これらは、EXAシリーズ/EXAKTAシリーズ双方で互換性があります。
国内オークションではあまり見かけませんが、ebayなど海外オークションでは、常時ある程度の数が出品されています。
探すときには、エクサ用だけではなく、エキザクタ用も探すと見つけやすいと思います。

ウェストレベルファインダーとプリズムアイレベルファインダーは、愛玩用と実用で使い分けています。
ウェストレベルファインダーは、世の中が実際より綺麗に見えて、まことに結構なファインダーなのですが、真面目に写真を撮るとなると、なかなか使いづらいファインダーでもあります。
横位置撮りの時は、左右反転した像が写りますから、水平が取りにくかったりします。
縦位置撮りの時は、上下左右反転像が写りますから、思った方向にカメラを振れず、フレーミングするだけで疲労困憊します。
ウェストレベルファインダーで縦位置撮影をしている様子を端から見ていると、あたかもタコ踊りを踊っているかのように見えます。
というわけで、実用目的であれば、プリズムアイレベルファインダーの方が断然いいです。
特に私のように縦位置撮影が多い人は。





プリズムアイレベルファインダーを付けたエクサくんです。
ファインダーを変えても、おむすびころりんな印象は変わりません。
丸っこくて無類に愛嬌があるのですが、ホールドは悪いです。
カメラの両端が絞り込んであるデザインのため、しっかりと握れないのです。
おむすび系のカメラは、どれも姿形は可愛らしいのですが、両手でホールドしようとすると落としそうになります。いいんですけどね、それでも。

このカメラ、エキザクタと同じく、左手レリーズです。
巻き上げレバーだけは右に移動しましたが、シャッターボタンは伝統の左です。
上の写真、"EXA 1b"の"b"の斜め下にあるのがレリーズボタンです。
シャッターボタンは、左手の人差し指で押すことになります。
左上に見える巻き戻しレバーの近くに、いかにもレリーズボタンですよ、という雰囲気のボタンがありますが、これはリバースクラッチ解除ボタンです。
フィルムを巻き戻すときには、このボタンを押しながら巻き戻しクランクを回します。
イハゲー社のカメラには常識が通用しません。





フィルム巻き戻し軸にある、シャッター速度設定ダイヤルです。
B、1/30、1/60、1/125、1/175、遅い上に、たったの3段半しかありません。
せめて、1/250が切れれば、と思います。
それでも、日中屋外なら何とかなります。
晴れていたら、F11+1/125sec.、曇っていたら、F5.6+1/125sec.ってところですね。
これは、ISO100フィルムでの話です。
ISO400フィルムは使わない方がいいです。絞りきれませんから。

ところで、このシャッター、何とも間抜けな音がします。
「パコン!」、「ポコン!」、「カパッ!」、「コポッ!」‥‥、
余韻が少なく、金属的な響きがほとんどない、乾いた牧歌的な音です。
うるさいとか震動が多くてブレるとか書かれることが多いシャッターですが、私は静かだと思います。
高周波成分が少ないので、少し離れればシャッター音はほとんど聞こえないのではないでしょうか。
このシャッターを切ると何とものんびりした気分になれます。
このカメラでポートレートを撮ると、被写体の表情が和やかになるように思います。

最高速度の遅さ、間抜けな音、これらは、シャッターの構造に由来しているように思えます。
このカメラ、メタルセクター方式という一風変わったシャッターを使っています。
ミラーシャッターとも呼ばれるとおり、ミラーがシャッターを兼用しています。
ミラーの下に、円筒を1/4に割ったような金属の箱が付いており、ミラーと同軸で動くようになっています。
以下写真つきで説明します。


シャッターをまだチャージしていない状態のミラーボックスです。
ミラーは上の方に上がっています。
このカメラ、フィルムを巻き上げ、シャッターをチャージしないと、ファインダーを覗いても、何も見えません。
左のようにシャッター後幕でミラーボックスがふさがれていますから。


巻き上げレバーを動かし、巻き上げ始めると、ミラーが降りてきます。


さらに巻き上げます。ミラーが見えてきました。


巻き上げ完了です。
普通の一眼レフのような見慣れたミラーボックスの光景です。
この状態になれば、ファインダーから被写体を見ることができます。


レリーズボタンを押すと、パコン!という音と共にミラーアップします。
ミラーの下には四角い窓が開いており、ここから光が入り、フィルムを露光させます。
このシャッターでは、ミラーと一体となった扇箱状の部品がフォーカルプレーンシャッターでいう先幕の役目を果たしているわけです。


指定された時間が経過すると、下からシャッター後幕がせりあがってきます。
先幕と後幕でスリットを形成するというシークエンスがなく、必ず全開状態になるというシンプルなシャッターです。
発光タイミングさえ適切であれば、ストロボは全速シンクロするかもしれません。
高速シャッターがないのは、この独特の構造ゆえと思われます。
1/175sec.という中途半端なスピードが、この扇箱状部品の最大駆動速度なのでしょう。


露光完了です。
クイックリターンミラーではないので、ファインダーはブラックアウトしたままです。



ボロカスにけなしてきましたが、EXA 1bは良いカメラです。
わたくし的には、大いにツボにはまり、気に入っています。
こんな面白いカメラはありません。
スペック的には底辺カメラですが、ちゃんとしたレンズを使えば、現代の銀塩AFカメラと遜色ない写りをします。
太陽の下で、F2.8/F4などの絞りを使うのは無理ですが、F11/F16などに絞って使えば写真は写ります。

フィルム給装は、そこそこ滑らかで、ペンタコン・プラクチカより軽いぐらいです。
各部の動作も意外にしっかりしています。
精密感はありませんが、不安感もないですね。
一応、1980年代のカメラですから、普通に使えば普通に写ります。
実写例は下にあります。

 Xylocopal's Photolog 2007/02/02 休館日
  http://xylocopal2.exblog.jp/5426256/

 Xylocopal's Photolog 2007/02/03 赤い壁がある公園にて
  http://xylocopal2.exblog.jp/5434320/

 Xylocopal's Photolog 2007/02/05 製材所にて
  http://xylocopal2.exblog.jp/5450046/

 Xylocopal's Photolog 2007/02/17 イタリア料理店にて
  http://xylocopal2.exblog.jp/5551163/

このカメラの操作感ですが、今まで使ったことがある東独製カメラの中では、"VEB Certo Super Dollina II"に似ています。
未確認情報ですが、EXA 1bの後期モデルはCertoの工場で作られたものがあるらしいです。
シリアルナンバーに"C"が付くものはツェルト製なのだとか。
カメラの形も、どことなくドリナ的であります。
イハゲー社とツェルト社は何か関係があったのでしょうか。

数あるEXAシリーズの中、M42マウントは、この"EXA 1b"と後継の"EXA 1c"の2つだけです。
EXA 1cは、EXAシリーズの最終モデルで、1989年、ベルリンの壁崩壊直前まで生産されていたようです。
一番新しいEXAが欲しければ、EXA 1cなんですが、プラスチックパーツが多用されており、それまでのExaとはかなり雰囲気が異なります。
マウントにこだわらなければ、山ほどあるエキザクタマウントEXAの中から好きなものを選べます。
実は私、甲冑タイプの初期型EXA、欲しいんです。
"EXA 0 Version 1 Type 1"、こんな奴ですね。
でも、これを買ってしまうと、エキザクタマウントのカメラやレンズがわらわらと増殖しそうで、怖くて買えません。
饅頭怖い、饅頭怖い。^^
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by xylocopal2 | 2007-02-01 23:57 | Hardware
2007年 01月 13日 正体不明のFUJINON 55mm F1.8




年明け早々、また、レンズ買ってしまいました。
FUJINON 55mm F1.8。
フジフイルムの銘玉として名高い、EBC FUJINON 55mm F1.8に似ていますが、これはEBCコーティングではありません。
EBCというのは、"Electron Beam Coating"の頭文字で、フジフィルムが開発した11層にも及ぶマルチコーティングのことです。
SMCといえばペンタックス、SSCといえばキヤノン、BBARといえばタムロン、EBCといえばフジフイルム。
EBCの名前は、現代に至るまでフジフイルム製レンズの看板となっています。

しかし、このレンズはEBCではありません。
アンバー~ゴールドに輝く、透過率はイマイチそうなコーティングです。
Auto Yashinon DX 50mm F1.7、Super Takumar 50mm F1.4あたりに酷似した金色系コーティングです。
技術的年代としては、1960年代後半といったところでしょうか。

FUJINON 55mm F1.8は、1970年、富士フイルム初の一眼レフとして発売されたFUJICA ST701の標準レンズだったレンズです。
しかし、私の手元にあるレンズはST701付属のFUJINON 55mm F1.8とはかなりデザインが違います。
金属ローレット、銀色絞り環ではありませんし、被写界深度ゲージはカラフルに色分けされています。
むしろ、1972年発売のFUJICA ST801以降のEBC FUJINON 55mm F1.8にそっくりです。
FUJICA ST801から装備された開放測光用絞り連動爪も付いています。
どう見ても、ST801が発売された1972年以降の製品と思われます。





ダイアゴナル模様の樹脂製ローレット、色分けされた絞り指標と被写界深度ゲージ、そして、開放測光用絞り連動爪。
これらはすべて、EBC FUJINONの特徴です。
なのに、このレンズはEBCではない。
1972年、FUJICA ST801の発売以降、富士フイルムの一眼レフ用レンズはすべてEBC化されたものとばかり思っていましたが、例外もあったようですね。
なお、EBC FUJINON 55mm F1.8には、ローレットデザインや全体のサイズが異なるタイプもあります。
なかなかややこしいレンズです。


FUJINON 55mm F1.8は4群6枚の典型的なダブルガウスタイプのレンズです。
前群に3枚、後群に3枚、対称型レンズとも呼ばれるエレメント構成です。
この時代の50mmクラスのダブルガウスタイプレンズでは、一眼レフゆえのフランジバックの長さを補正するために最後に一枚足して、5群7枚となっているものが多いですが、このレンズは古典的な4群6枚です。
レンジファインダーカメラ用のダブルガウスタイプレンズは、こうした綺麗な対称型をしている場合が多いようです。


このレンズ、開放測光を行うために、M42マウントを独自拡張しています。
開放測光の理屈については、"Xylocopal's Photolog 2006/10/05 縞々ゼブラなパンコラー"で説明してありますので、興味のある方は読んでみてください。
開放測光を行うためには、レンズの開放F値、現在の絞り値をカメラ内蔵の露出計に伝える必要があります。
そのため、各社工夫を凝らし、ツメを取り付けたり、電気接点を付けたりしました。
富士フイルムの場合は、マウント外周の絞りリングにツメを付けました。
絞りを動かすと、このツメが動いて、カメラに現在の絞り値を伝えるようになっています。

このツメ、1mmほど出っ張っているため、フジフィルム製一眼レフ以外のボディに取り付けると、ツメがフランジ面に当たってしまい最後までねじ込めないことがあります。
そうした場合、レンズ指標は∞(無限遠)を示しているのに、実際は3-5m付近にピントが合ってしまうということが起こります。
近接撮影は問題ないのですが、どうやっても無限遠にピントが合いません。
開放測光時代に入り、各社が独自拡張を行うようになって以降、「M42マウントはユニバーサルマウントで、どんなレンズでも取り付けられる」という常識が怪しくなってしまったのです。





幸いなことに、うちにある3台のM42マウントボディ、"Voigtlnder Bessaflex TM""Revueflex SD1""CHINON CS-4"では、まったく問題なくツメ付フジノンを装着することができます。
最後までねじ込めますし、無限遠にもピントが来ます。
いずれも、フランジリングの幅が狭く出っ張っているために、ツメがうまく逃げて干渉しないようになっているのです。
コシナ、チノンともに、様々なメーカーのレンズが取り付けられることを想定済みのようで、よく考えて作られていると思います。

しかし、マウントアダプターはそうはいきません。
下は、うちにあるCanon EOS EF<->M42マウントアダプターですが、いずれもフランジ面の幅が広く作ってあるため、フジノン開放測光レンズのツメがまともに当たります。





FUJINON 55mm F1.8は、AUTO<=>MANUAL切換スイッチがなく、絞り込みレバーの類もないので、絞って使いたいのなら、常時ピン押しタイプのマウントアダプターを使う必要があります。
うちには、常時ピン押しでフランジの厚さが薄いタイプのアダプターがあるので、これを使ってみることにしました。
上の手前のものです。
これは、通常のフランジの半分ぐらいの厚さしかない、ペラペラのアダプターです。
材質はアルミニウムで、右上の真鍮製メッキ仕上げのものに比べると、だいぶ安物感が漂うアダプターです。
このアダプターに普通のレンズを取り付けると、オーバーインフ、つまり、無限遠をかなり通り過ぎたあたりまでレンズが引っ込みます。
最短撮影距離も少し長くなります。

試しに、FUJINON 55mm F1.8をこのアダプターを介して取り付けたところ、見事に無限遠が出ます。
無限遠どころか、オーバーインフ域まで回ってしまいます。
なるほど、このペラペラのアダプターはこういう時に使うものだったのか、と納得しました。
ただし、ツメをギュウギュウとフランジ面に押しつけていますから、装着状態で絞り値を変更するのは事実上無理です。
絞り環が回りません。
少しレンズを緩めれば、絞りを変えられますし、私はあまりこまめに絞りを変える方ではないので、これで充分なのですが。
上の写真、フランジ面に白っぽく付いている傷は、フジノンのツメによるものです。
結構凶悪なツメなので、付きそうもないマウントに無理矢理ねじ込むのはやめた方がいいと思います。

以下、作例です。
EOS30Dで撮ったものはノーレタッチ縮小のみ、Revueflex SD1で撮ったものは記憶色に近づけ、なおかつ最小限のレタッチをしています。
カラーネガフィルムで撮った写真の場合、オリジナルに忠実といっても、そもそもフィルム上でトーンが反転しているわけですし、ノーレタッチという概念が当てはまらないです。





Canon EOS 30D / FUJINON 55mm F1.8


アネモネですね。冬場の花では一番豪華なものじゃないでしょうか。
絞りはF4だと思います。ISO100でシャッタースピードが1/800sec.になってますから。
シャープネスは申し分ありません。
RICOH XR RIKENON 50mm F2に印象が似ています。
パキーンと音がしそうなカリカリフォーカスです。
その上、意外にボケは綺麗です。
4群6枚というシンプルな構成ながら、なかなか侮れない描写です。





Canon EOS 30D / FUJINON 55mm F1.8


半逆光のシクラメン。絞りはF4、たぶん。
EBCコーティングではない少々時代遅れのアンバーコーティングですが、逆光にべらぼうに弱くボロボロのメタメタ、ということはないですね。
冬場の低い太陽が、画角のすぐ上にあるわりにはしっかりとした発色です。
シャドウのコントラストがイマイチという意見もあるでしょうが、私はこれぐらいヌルいコントラストの方が好きです。
ボケは全然期待していなかったのですが、これ結構いいんじゃないでしょうか。
点光源の六角形絞りのボケ方も綺麗です。





Revueflex SD1 / FUJINON 55mm F1.8
Konica Minolta Centuria Super 100, EPSON GT-X750


この鈍い発色はレンズのせいじゃないです。
コニカミノルタ謹製の別格激渋カラーネガフィルム、センチュリアスーパー100のせいです。
ふだんは、もう少し彩度を乗せるんですが、ほどほどにしたらこんな色になりました。
まぁ、センチュリアスーパーってのは、こんなフィルムです。
絞りは、F2.8 or F4だと思います。
光線がフラットなせいもありますが、柔らかい描写も悪くないですね。





Revueflex SD1 / FUJINON 55mm F1.8
Konica Minolta Centuria Super 100, EPSON GT-X750


逆光撮影です。絞りはF5.6だと思います。
もう少しフレアが出るかな?と思いましたが、何も出ていないですね。
コントラストもしっかりしています。
もちろん、フードは付けていますが。

EBCではないフジノン、想像以上に良いレンズでした。
これで、EBCコーティングがしてあれば、さらに美味しいのでしょうね。
状態の良いEBC FUJINON 55mm F1.8を見つけたら、たぶん買うでしょう。
というわけで、今年も病気は治りそうもありません。^^
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by xylocopal2 | 2007-01-13 23:55 | Hardware


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