Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved
Top
カテゴリ:Hardware( 103 )
2013年 04月 24日 Jewels of Nostalgia




35mm版フォールディングカメラのウェブサイト、"Jewels of Nostalgia"ですが、事情によりサーバ移転となりました。

 旧URL:"http://www.wa.commufa.jp/xylocopa/cc/"
 新URL:"http://www.xylocopal.com/cc/"

十数年前に作成して以来ほったらかしで内容の更新は一切なく、まことに申し訳ない限りですが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
[PR]
by xylocopal2 | 2013-04-24 20:25 | Hardware
2010年 04月 28日 CATV/BS/110°CS混合完了
今回は写真とは関係のない番外編。
先日、BS/110°CSアンテナをベランダに上げました。
これまで我が家では、衛星放送はCATVのセットトップボックス(Set Top Box = STB)経由で受信していたのですが、デジタル放送時代を迎え、色々と使いにくい部分が目立ってきました。

特に問題があったのはBS録画に関してでした。録画機能のないSTBに市販のディスクレコーダを接続して使う場合、予約録画が非常に煩雑となります。その上、我が家のSTBの場合、i.Link接続できないため、アナログコンポジット接続となってしまいます。何が悲しくてBSハイビジョンをSD画質で記録しなければいけないのか?

契約していたCATV会社には、ハイビジョン録画機能付きSTBもあるのですが、ブルーレイ対応ではなく未だにDVD対応のまま、しかもその利用料は不当に高価に思われました。このあたり、CATV会社の囲い込みを感じ、素直に契約する気分になれませんでした。そうした問題の抜本的解決として、BS/110°CSアンテナを自前で上げることにしたのです。

ついでに、UHFアンテナも上げて、地デジ受信も自前にしてしまえば良いわけですが、そう簡単にはいかない事情がありました。実は我が家は電波事情が極端に悪い、局所的な「難視聴地域」なのです。アナログ波に関しては、久屋大通テレビ塔方向に5階建ビルが壁のように隣接し、VHF受信は100%不可能でした。そのため、原因者費用負担の難視聴対策用CATVを引いていたわけです。

地デジ時代となり、送信タワーが瀬戸に変わっても電波事情は変わりませんでした。瀬戸タワー方面にも至近距離にあるビルが立ちはだかり、直接波はブロックされています。いかに地デジが反射波に強いといえども、このような電波の谷間では、まともな受信は難しく思われました。
そんなわけで、難視聴対策用原因者負担ケーブル回線は現在もなお有効で、地デジはCATV経由受信が現実的な選択でした。

幸い、我が家が加入していたCATV回線(スターキャット)では、地デジはトランスモジュレーション方式ではなく、同一周波数パススルー方式でした。
パススルーというのは、地デジ信号を周波数変換せず、そのままCATV同軸ケーブルに乗せて送信する方式です。
パススルー方式の場合、対応チューナ内蔵テレビ/レコーダであれば、STBなしでも地デジ受信は可能です。

そんなわけで、地デジはCATVパススルー受信、BS/110°CSは自前アンテナ、という変則運用とすることにしました。
CATV独自番組は見ず、映画チャンネルやスポーツチャンネルはBS/110°CSで見られるので、STBは解約しました。
毎月3000円近く払っていたCATV視聴料がゼロになりました。


BSアンテナを上げるにあたり、まずBS受信が可能かどうかを調べました。
前述のように、我が家はビルに囲まれています。
BS衛星が位置する南西の空も、ほとんど開けておらず、受信可能かどうかは微妙な状況でした。
BS放送に使われる10GHz以上のSHFでは、伝搬状況は光に近く、障害物が間にある場合はまず受信不可能です。
そこで、太陽方位/高度をシミュレーションすることで、受信可否を調べることにしました。

名古屋におけるBS衛星の位置は、方位221.5度/仰角40.2度にあたります。 [参考: マスプロによる方位/仰角一覧]
次に、"国立天文台 天文情報センター 暦計算室"にある"こよみの計算CGI"を利用して、太陽方位221度、太陽高度40度となる時刻を逆算して調べました。



たとえば、4月28日の場合、太陽方位221度となるのは13時00分、太陽高度40度になるのは15時10分です。
13時00分の太陽方位において、15時10分の高度で太陽が見えていれば、BS受信は可能ということになります。
調べてみた結果、ギリギリではあるけれど、確実に受信可能ということが分かりました。
この方法、方位磁石も分度器も要らず、設置前の受信状況を調べるには、なかなか便利です。

BSアンテナで受信した信号は、CATV信号と混合して、各部屋に分配することにしました。
同軸ケーブル1本でCATV/BS信号の両方が伝えられるので配線が簡単になります。
各部屋に伝えられた信号は、分波器でCATV(地デジ)/BSに分け、テレビ/レコーダーと接続することにしました。
最低でも5分配はするので、CATV信号/BS信号ともブースターで増幅することにしました。
配線プランは下記のようにしました。



BSアンテナコンバータ駆動用電源(DC15V)はブースターから得るようにしました。特定テレビの電源ON/OFFにかかわらずBSアンテナに給電することができ便利です。常時9Wほどの電力を食うため、エコロジー的にはペケですが、2世帯住宅の場合は仕方がないか?と思います。

CATV/BSブースターは、"マスプロ CATV/BSブースター 7BCB28"というものにしました。ブースターと混合器が一体となっているので、設置スペースが少なくて済み、使いやすいです。
[PDF: マスプロ CATV/BSブースター 7BCB28]

このブースター、CATV上り信号を増幅するタイプと増幅しないタイプがあるのですが、今回は非増幅のものを使いました。もとよりVODなど双方向コンテンツは視聴していませんでしたし、宅内1000Base-T LANもあるので。
設置前に、CATV会社に確認を取ったところ、双方向サービスを受信するのでなければ、上り非増幅タイプで問題ないとの回答をもらいました。上り非増幅タイプは増幅タイプに比べ、価格が安いので助かりました。(ヤフオク相場で9000円前後)

受信結果はまずまずでした。
我が家のテレビはパナソニック製ビエラなのですが、アンテナレベルは、BS/110°CSが63~64、地デジが68~69でした。パナソニック製チューナの場合、BS50以上、地デジ44以上あればOKとのことなので、満足できるレベルだと思います。

ブースタのBSアッテネータはOFF、CATV下りゲイン調整は30/100あたりにしてあります。BSアンテナ出力/CATV引込線をチューナダイレクト接続した場合のアンテナレベルと同じ数値が出ていますから、ブースタは役目を果たしていると思います。


配電盤からの室内引込線も経年劣化が見受けられたので、一部を新しいものに交換しました。
作業は自前で行いましたが、細かい出費が多く、費用総額は25000円ほどかかりました。

 -BS/110°CSパラボラアンテナ マスプロ BSC45R =5000円
 -BSアンテナ用サイドベース マスプロ SBM45E =3000円
 -CATV/BS混合ブースター マスプロ 7BCB28 =9000円
 -同軸ケーブル S-5C-FB 20m =2500円
 -F型コネクタ ×10 =1000円
 -VU/BS分波器 ×4 =4500円
 ====================================
  合計 25000円

安く上がったのかどうか、よく分からない結果となりましたが、BS/100°CS信号をダイレクトにレコーダーに接続できるようになったのは、たしかに便利になりました。
"NHK衛星映画劇場 BS-2/BS-Hi"が好物の私にとってはありがたい限りです。
STBレンタル料がゼロになったのも大きいです。年額3万円減ですから。
受信画質もトランスモジュレーションのSTB経由よりも心なしか向上したように思えます。
デジタルですから、そんなはずはないと思うのですが、まぁ気分の問題で。
[PR]
by xylocopal2 | 2010-04-28 16:20 | Hardware
2009年 05月 17日 ThinkPad SL400




Canon EOS Kiss X2
Tamron SP AF28-75mm F2.8 XR Di
SUNPAK PZ42X


4年ぶりにノートPCをリプレースしました。
"Lenovo ThinkPad SL400"
私にとって、4台目のThinkPadです。
正式型番は、"ThinkPad SL400 #2743RV9"
Celeron Dual Core T1600/1.66GHz、Memory 2GB、HDD 160GB、Windows XP SP3、なかなか使えるスペックです。

普段、写真のレタッチはデスクトップPCで行っているものの、私はノートPCが大好きです。
これまで使ってきたノートPCの数は13台、今回のThinkPad SL400で14台目になります。
"Xylocopal's Weblog 2005/02/10 躁うつ病者のNote PC遍歴記"にそのあらましを書いてあります。
もう、こうなると阿呆かと馬鹿かと‥‥。^^

ThinkPad SL400、一応ThinkPadを名乗ってはいますが、かなりLenovo色が強いPCとなっています。
キーボードの打鍵感は相変わらずThinkPad伝統の快適さですが、コストダウンのためか縦7列配置から縦6列配置に変更され、幾分使いやすさが犠牲になっています。
"Back"キーや"PrtSc"キー、"Pause"キーが"Fn"キー併用になっているのですね。
ThinkPad原理主義者から見れば、「こんなものはThinkPadではない!」ということになるのでしょう。

一方、今まで使っていた、ThinkPad G41より良くなった部分もあります。
SDカードスロット本体実装のため、カードリーダ不要となりました。
予想外に嬉しかったのはディスプレイです。
今まで使っていたG41のディスプレイは、"Xylocopal's Photolog 2005/12/07 紅白山茶花"に書いたとおり、白飛び/黒潰れが激しく、事実上レタッチ作業は不可能でした。
ところが、SL400のディスプレイは下のグレースケールの全階調を分離して表示できます。





視野角が狭いため、まともなトーンに見える角度は限られますが、これなら簡単なレタッチぐらいならできるんじゃないか?と思います。
その上、このディスプレイ、表面仕上げが今流行のツルピカタイプではなく、無光沢のノングレアで目が疲れません。
ノートPCとしては、なかなかレタッチに向いた機種に思えます。
デスクトップPCのサブではなく、1台だけで使うのなら、ディスプレイサイズの大きな"ThinkPad SL500"の方が良いと思いますが。
[PR]
by xylocopal2 | 2009-05-17 21:14 | Hardware
2009年 04月 26日 ネガフィルムスキャン入門 改訂版 2009




相変わらず、ネガフィルムスキャンに関するエントリへのアクセスが多いです。
2008年4月7日に、"ネガフィルムスキャン入門 改訂版"をUPしたのですが、その後もアクセスが増え続け、今ではこのPhotologの中では最もアクセス数の多いエントリとなっています。
下に直近3ヶ月のアクセス解析抜粋を載せてみました。
http://xylocopal2.exblog.jp/8604575/ というのが該当URLなのですが、ドキュメントルートを除けばダントツのアクセス数です。
私のブログを訪れてくれる人の中、20人に1人が"ネガフィルムスキャン入門 改訂版"にアクセスしていることになります。



これだけアクセス数があるということは、カラーネガスキャンを楽しみたい、しかし、なかなか上手くトーン再現ができない、と悩んでいる人が大勢いることを物語っているように思います。
銀塩写真を取り巻く状況が崩壊寸前である一方で、なおかつ銀塩写真を楽しみたい、という方が多いのでしょうね。
そろそろ改訂版を出さないとまずそうなので、今回は全面改訂版として書き直すことにしました。
とはいえ、文言の重複などはありますから、どうか御容赦ください。

基本的な考え方/方法は前回と同じです。
ラチチュードの広いネガフィルムの良さを活かすため、できるだけ白飛び黒潰れの少ない多階調のスキャン画像の作成を目指しています。
ポジフィルムのことは考慮していませんから文句を付けないように。
また、価格の安いフラットベッドスキャナを前提に解説しています。
フィルム専用スキャナの作法は違うぞ、というようなクレームを付けないように。
まずは、以前のテキストを読んで全体の流れを把握してください。

 Xylocopal's Photolog : ネガフィルムスキャン入門 改訂版
  http://xylocopal2.exblog.jp/8604575/

 Xylocopal's Weblog : ネガフィルムスキャン入門 #1
  http://xylocopal.exblog.jp/2950773/

 Xylocopal's Weblog : ネガフィルムスキャン入門 #2
  http://xylocopal.exblog.jp/2961591/

 Xylocopal's Weblog : ネガフィルムスキャン入門 #3
  http://xylocopal.exblog.jp/2972669/


使用したスキャナは、前回と同じく、EPSON GT-X750。
主走査4800dpiのフラットベッドスキャナです。
2001年発売のフィルム専用スキャナ"Nikon COOLSCAN IV ED"とほぼタメを張る実力を持っています。 [参考エントリ]
PC環境は、Window XP SP3 + Nanao FlexScan L565。
使用ソフトウェアは、EPSON SCAN Ver.3.24J、Adobe Photoshop CS3 Ver.10.0.1。
バージョンにより、微妙にスクリーンショットの様子が違うと思いますが、まぁ大差はありません。
今回は、Photoshop頼りの部分をできるだけ少なくし、EPSON SCANのみで、ある程度のトーンまで追い込めるよう、配慮したつもりです。


EPSON SCANを起動したところです。
プロフェッショナルモードで135判カラーネガフィルムをスキャンするという前提で話を進めます。

基本設定は左のとおりです。
48bitカラーというのは、Photoshopでいうところの16bit/Channelです。RGBと3チャンネルありますから、16bit×3=48bitということになります。

解像度は2400dpi。
135判フルサイズの画面をスキャンすると、だいたい800万画素ぐらいになります。

アンシャープマスク、粒状低減などのオプションは一切OFFです。
Digital ICEも使いません。
Digital ICEを使うと、スキャン速度が極端に遅くなり、ディティール先鋭度もかなり悪くなります。
Digital ICEなと使わなくても、たいていのレタッチソフトには、コピースタンプツールという機能が付いています。これで、ポチポチごみを消していった方が早いです。イラチの私は断然コピースタンプツール派です。

コピースタンプツールで修正しきれないほどゴミが付いている場合はフィルム管理に問題があるか、スキャナのガラス面が汚れているかのどちらかです。フラットベッドスキャナのガラス面は定期的に無水エタノールなどで掃除した方がいいです。

EPSON SCANの環境設定です。
詳細は前回書いたとおりですが、新しいドライバで変更になった点もあるので、さらっと解説します。

まず、「常に自動露出を実行」のチェックボックスはクリアしてください。ここにチェックが入っていると、sRGB空間に収まらない階調(早い話がディープシャドウ&ハイエストライト)があっさり破棄されます。せっかく階調が豊富なネガフィルムを白飛び黒潰れにしてしまってはもったいないです。

ディスプレイガンマは、Windowsユーザなら2.2、Macintoshユーザなら1.8にします。
以前のドライバは、0.1刻みで、1.9とか2.1などの中間値が選択できました。1.5などガンマを低く設定すると硬調に、2.4などガンマを上げると軟調に設定できたのですが、現在のドライバは1.8/2.2の二択しかありません。

スキャンサンプルは下の写真です。
撮影に使ったフィルムは、使用期限を半年ばかり過ぎた常温室内保存のコニミノ・センチュリアスーパーです。
左の画像が無補正スキャンの元画像。
右の画像が補正スキャンの上、Photoshopでトーンを整えたレタッチ済み画像です。
最終的に右側の画像に持って行けるよう、解説を進めていきます。




以下、プレビューモードの操作法を解説していきます。
スキャン時のトーン調整はプレビューモードの全体表示で画像のトーンを見ながら行います。
サムネイル表示では画像が小さすぎてトーンやディティールがよく分かりません。
なお、スキャン実行はサムネイルモードで行います。
全体表示モードではスキャン実行できません。

プレビュー実行後、対象ファイルを選択します。
そして、全体表示に切り替えた上、ヒストグラム調整をを行います。
最初は、RGBチャンネル、つまり全体の明るさ/暗さ/コントラストに対して調整を行います。



左側がヒストグラム調整前のダイアログボックス、右側が設定後のダイアログボックスです。
白ポイントは出た目で良いと思います。
出た目の白ポイントは、ヒストグラムの山裾から若干内側に食い込ませた状態となっていることが多いです。
白ポイントをより山裾の内側に設定すると、メリハリの効いた明るいトーンになります。
ただし、白飛びの危険性はあります。

EPSON SCANで補正した結果は実際のヒストグラムに完璧に反映されません。
大雑把に反映されるだけです。
そのため、白一杯まで使いたい場合は、上のように、少し山の内側まで食い込ませた程度で止めておいた方が良いです。

大雑把にしかヒストグラム補正が反映されないというのはプレビューモードの欠点です。
ここに現れるヒストグラムは、あくまでも読み取り画素数の少ないプレビューモードにおけるヒストグラムであり、本スキャンとは別物です。
サンプリングされた画素だけでは、どうしても実際の輝度分布に対し誤差が出ます。
あくまでも、トーン傾向をつかむためのヒストグラムと考えた方がいいかもしれません。

黒ポイントは原則ヒストグラムの山裾より少しだけ内側に設定します。
さらに内側に突っ込むと、よりシャドウの締まりが出ます。ただし、黒潰れする可能性はあります。
シャドウの階調が多い写真の場合は、山裾ギリギリの方が良いかもしれません。
リニアに反映されるヒストグラム補正ではないため、あまり内側に切り詰めると、ディープシャドウを捨てる危険があります。
銀塩写真はアンダーに弱く、シャドウデータはできるだけ大切にしたいです。

ヒストグラム中央のグレー三角ですが、今回の写真では中庸濃度のネガのため操作していません。
しかし、ネガ濃度によっては有効に使えます。
極端に黒っぽい画像の場合は、グレー三角を左方向にドラッグすると、階調が出てきます。
逆に極端に眠いトーンの場合はグレー三角を右方向にドラッグすると、メリハリが出てきます。
このあたりの使い方は、Photoshopのレベル補正と同じと考えていいです。
このエントリの最後に、ヒストグラム補正に関する操作一覧をまとめておきましたので御覧ください。

なお、「出力表示」ボタンを押すと、予想される出力時ヒストグラムが表示されますが、どうもアテになりません。
予想ヒストグラムで黒端/白端ともまだ切り詰められると思っても、実際には過剰補正となり、黒潰れ/白飛びする場合がありますし、思ったほど効果がない場合もあります。



RGBヒストグラム補正をすると、トーンカーブの形が歪みます。
上の例では、黒潰れのトーンカーブになるはずです。黒潰れに弱い銀塩写真の場合、これは非常にまずいので、左図のように修正します。
トーンカーブの修正方法ですが、ヒストグラム補正下の出力スライダを操作します。黒から白へのグラデーションが描かれたスライダーですね。
上の場合は、黒ポイントを18から41へ、つまり右移動させると、ヒストグラム補正で決定した場合の0%黒レベルを、0%ブラックとして出力することが可能になります。

なお、白側のトーンカーブも直したくなりますが、これはヘタにいじらない方が無難です。
出力スライダの白端を右側に動かしたくなりますが、白飛びをすることが多いです。
銀塩フィルムのハイエストライトというのはヒストグラムの右端にダラダラと伸びていくのが特徴ですが、これはプレビューウィンドウの大雑把なヒストグラムでは確認不可能です。


ここまでの調整で輝度レベル調整は一段落です。
続いて、色味の調整に移ります。
デジタルカメラでいえば、ホワイトバランス調整ですね。
RGBチャンネル補正スキャンしただけの場合、たいていはネガフィルムのオレンジベースが補正しきれず、青緑色に転んだトーンになっていることが多いと思います。
こうした場合、下記の要領でRチャンネル、Gチャンネル、Bチャンネルごとにヒストグラム/トーンカーブ補正することにより、色味を自然なトーンに近づけていきます。
まず、Rチャンネル(赤チャンネル)から設定していきます。



設定は、上の図のように、行います。
左が設定前。右が設定後のダイアログボックスです。
キーポイントは、RGBチャンネルで設定した場合と同じ位置に、白ポイント、黒ポイントを移動させる点にあります。
この場合は、白/黒ともに左移動です。
この操作でホワイトバランスが揃っていきます。
もし、Rチャンネルのトーンカーブの形がおかしくなったら、修正しておきます。




続いて、Gチャンネルの設定を行います。
RGBチャンネルで設定した場合と同じ位置に、白ポイント、黒ポイントを移動させます。
この設定は、フィルム自体のトーンに左右されることが多いです。
コニミノ・センチュリアスーパーの場合、Rチャンネルでヒストグラム補正を行うと、Gチャンネルも連動して補正されることが多く、ほとんどの場合、補正する必要がありません。




続いて、Bチャンネルの設定を行います。
RGBチャンネルで設定した場合と同じ位置に、白ポイント、黒ポイントを移動させます。
移動後、わずかに青いな、と感じた際には、白ポイントを右側にドラッグします。
逆に、黄色っぽいな、と感じた場合には、白ポイントを左側にドラッグします。
画像にもよりますが、この操作でホワイトバランスはだいたい揃うと思います。

ただし、使用フィルムと光源色温度がずれている場合は、単純な色カブリとはならず、補正しきれないこともあります。
デイライト用フィルムで、タングステン電球照明を撮った場合などですね。
こうした場合や、自然光とタングステン電球光のミックス光を撮った場合、色カブリがハイライト、中間調、シャドウとそれぞれに異なるねじれを生じていることがあります。
ハイライトは赤に転んでいるのに、中間調はマゼンタ、シャドウはブルーに転ぶ、という面妖なカラーバランスになっていることは決して珍しいことではありません。
こうした場合の補正は、RGB各チャンネルの黒ポイント、中間ポイント、白ポイントをそれぞれ個別に操作して行います。
かなり、面倒な補正になりますが、精密に色バランスを操作できるので試してみる価値はあります。

RGB各色のヒストグラム設定終了後、出力側のトーンカーブが変化していることがあります。
極端に1チャンネルだけ、カーブが離れているときは補正します。
場合によっては、トーンカーブ補正をしない方が良いこともありますので、プレビュー画像を見ながら判断してください。
この後、本スキャンを実行します。



下が、本スキャンを終えた直後の画像/ヒストグラム、レタッチ後の画像/ヒストグラムです。
いずれも、フィルムの黒枠をトリミングツールで削除した後の画像ヒストグラムです。
黒枠が残ったままヒストグラムを見ると、黒枠分のシャドウがヒストグラム左側に残り、正しいトーン調整ができません。





ノンレタッチのヒストグラムですが、なかなか良い形になっています。
黒端はスカスカですが、レタッチで補正できる範囲です。
この程度の間隙なら上等の部類だと思います。
白端も白飛びしていません。
レタッチ用素材としては上々だと思います。

シャドウデータ、ハイライトデータともに破棄することはできますが、追加することはできません。
無から有を生じさせることは不可能ということですね。
そのため、黒端/白端に多少余裕を持たせたスキャン画像を作るわけです。

この後、Photoshop、Paintshop Proなどのフォトレタッチアプリケーションでトーン修正を行っていきます。
一番単純なコントラスト補正は、左画像のヒストグラムを右画像のヒストグラムのように、黒ポイント/白ポイントを移動させるだけです。
俄然、シャッキリしてくるはずです。
後は煮るなり焼くなり好きにしてください。
タイトル直下の写真では、トーンカーブを緩いS字にしてコントラストを少しだけ付け、彩度を若干上げています。



最後に、EPSON SCANのヒストグラム調整の修正パラメータ一覧をまとめておきます。

Aは黒ポイント。
右に動かすと、コントラストは強くなりますが、破棄されるシャドウデータが増え、黒潰れする場合があります。
左に動かすと、階調は豊かになりますが眠くなります。

Bは中間ポイント。
ガンマを操作する部分です。
右に動かすと、コントラストが強く濃い画面になります。
左に動かすと、眠たいけれど明るく淡い画面になります。

Cは白ポイント。
右に動かすと、眠たいけれど、ハイライトの階調が豊富に残ります。
左に動かすと、メリハリの付いた明るいトーンになります。過度に左側に動かすと、白飛びする場合があります。

EPSON SCANのヒストグラム/トーンカーブ調整のまとめと書きましたが、要はフォトレタッチの基礎のまとめですね。
なお、グレーバランス調整で、スポイトを使って無彩色と思われるポイントをクリックする方法もありますが、銀塩粒子があるために、なかなか一発で良いトーンにはなりません。サンプリングポイントを5×5pixelsにしても成功率はあまり高くありません。
スポイト系の一発レタッチツールというのは便利そうですが、実用になるシーンは少ないですね。
とはいえ、手間のかかることではありませんから、ものは試しでスポイトを使ってみるのはいいと思います。
当たれば大儲けです。^^


なお、曇天時の真っ白な空が入った写真をスキャンした場合、出た目のヒストグラムは右図左のようなものになります。
右側に小さい山ができますが、これは空の白です。よほど、雲の怪しい雰囲気を出すのでなければ、通常ディティールなしと判断して良い部分です。
そうした場合は、右図右のような形に白ポイントを移動させればOKです。
シャドウに締まりがない場合は、同様にヒストグラムの山裾内側に黒ポイントを移動させます。
[PR]
by xylocopal2 | 2009-04-26 19:30 | Hardware
2009年 04月 24日 500円テレコン KENKO C-IX 2x TELEPLUS MC7
恒例の名古屋・丸栄スカイル"中古カメラ市"ですが、初日(昨日)午後に行ってきました。
今回の獲物はテレコンです。
KENKO C-IX 2x TELEPLUS MC7。
500円なり。

テレコンとは、テレコンバーター、エクステンダーなどと呼ばれるもので、焦点距離を伸ばすためのアダプターです。
カメラとレンズの間に挟むことにより、200mmのレンズを280mm、400mmなどの焦点距離として使うことが可能となります。

このテレプラス、ジャンクレンズ箱の中に転がっていました。
どのカメラ/レンズ用かは記されていませんでしたが、マウント形状、端子形状は明らかにキヤノンEFマウント用です。
APSマーク、C-IXという名前から、Canon IX用、つまり、銀塩APS一眼レフ"Canon EOS IX E""EOS IX 50"用のテレコンと推察されます。
シルバーの鏡胴色も同じですしね。

おそらく、イメージサークルはAPSフォーマット用に狭められているのでしょう。フルサイズで使おうとすると、ドツボにはまるテレコンかもしれません。
しかし、APS-Cデジタル一眼レフは、銀塩APSよりさらに狭いイメージサークルしか必要としません。
これは使えるかも?と思い救済してきました。
特にテレコンが欲しかった訳ではありませんが、何しろ500円ですからね。^^
現行のデジタル対応テレプラス、"KENKO TELEPLUS MC7 DG"の実売価格が12000円前後であることを考えると馬鹿みたいに安いです。
キヤノン純正の"EXTENDER EF2×II"に至っては4万円弱はしますから、これは買わないと損をするぞ、という気分になりました。
かくして、ガラクタばかりが集まることになります。^^

ガラクタとはいえ、レンズは綺麗でした。
鏡胴こそキズが何ヶ所か付いていましたが、レンズはカビなし、クモリなし、チリ混入なしの良品レベルでした。
中古市は初日に行くに限ります。

このテレコンは、2xと書かれているとおり、2倍テレコンです。
200mmのレンズで使うと、400mmの焦点距離となります。
APS-Cデジタル一眼レフで使うと、実に135判換算640mm相当。

しかし、良いことばかりではありません。
まず、暗くなります。
2倍テレコンの場合は2絞り。
開放F4のレンズで使った場合、開放F8になるわけです。
無使用時、1/1000sec.のシャッタースピードが切れる被写体の場合、1/250sec.になってしまいます。
640mm相当のレンズとなりますから、よほどISO感度を上げるか、三脚を使わないと実用になりません。

4段分の手ぶれ補正効果を持つ、"Canon EF70-200mm F4L IS USM"であれば、差っ引いてもまだ2段分の手ぶれ補正効果が残りますから、手持ちでも実用になりそうです。
一方、私の"Canon EF70-200mm F4L USM"にはIS(手ぶれ補正機構)が付いていません。
購入時にはIS付モデルが未発売だったので仕方がありません。
無いものをねだってもしょうがないので、原則三脚/一脚で使う予定です。

描写はノンテレコンの場合より悪くなるはずです。
キヤノン純正のエクステンダーであれば、画質劣化は最小限に抑えられるはずです。
しかし、サードパーティのケンコー製である上、ケンコー製の中でも廉価版モデルです。
それに加えて、デジタル対応コーティング前の古いモデルです。
かなり悲惨な描写になるのでは?と正直あまり描写には期待していませんでした。
緊急避難的に640mmが使えればOKと思って買ったのです。

テスト撮影をしてみましたが、予想外に画質劣化はひどくなく、結構実用になるようでした。
以下、テスト画像です。テスト条件は下記のとおり。

 カメラ: Canon EOS Kiss X2
 レンズ: Canon EF 70-200mm F4L
 ISO400、F4開放
 三脚使用

ノンテレコンの場合のシャッタースピードは1/1000sec.、テレコン付の場合のシャッタースピードは1/250sec.です。
やはり、2段分暗くなっています。
オリジナル画像を縮小しただけの画像がこれです。





画角の違いはかなりありますね。
コントラスト落ちは激しいです。
1段オーバーになったように感じるほど、黒の締まりがありません。
とはいえ、レタッチで救済できるレベルではあります。
リバーサルフィルムではダメダメでも、デジタルならOKというテレコンです。
ちなみに、AE/AFは全く問題なく使えました。

画像中心部をピクセル等倍で切り出してみたのが下の画像です。





ノンテレコンの方はフォーカスが来ていませんね。
これじゃ比較にならんじゃないか。
ヘタクソですみません。^^
一方、テレコン付の方は眠たいものの、けっこうシャープネスはあります。
500円テレコンにしてはやった方じゃないでしょうか。
これだから、ジャンク箱あさりは止められません。^^

このテレコンで、"Xylocopal's Photolog 2006/07/30 名古屋駅摩天楼落日 完結編"のような落日写真を撮ろうと思っています。
果たして、内面反射やいかに。
中古市に再出動して、EF75-300mm/F4-5.6あたりを買ってきて、960mm F11の望遠レンズにしてみようか?とも思いましたが、止めておきます。
たぶんEF70-200mm/F4L+テレプラスをトリミングした方がシャープネスは良さそうです。
テレコンというのはマスターレンズの性能をまともに受けますから。
上のピクセル等倍切り出しで案外まともなのは、EF70-200mm F4L USMが優れたレンズであるからだと思います。
[PR]
by xylocopal2 | 2009-04-24 20:29 | Hardware
2009年 04月 23日 レチナでポートレート










KODAK Retina Type 117 (1934)
Schneider Kreuznach Xenar 50mm F3.5
National PE-320S (#1, #2)
Konica Minolta Centuria Super 100
EPSON GT-X750


手持ちのコニミノ・センチュリアスーパーが残り1本となったので、写真友達のポートレートを撮ってみました。
使ったカメラは、コダック・レチナ117型。
1934年製造のドイツ製蛇腹式折り畳みカメラです。
製造後75年を経ているにも関わらず、今なお普通に写真が撮れるというのは全く驚異というしかありません。





このカメラは、パトローネ式35mmフィルムを使うものとしては最初のものになります。
映画用35mmフィルムをスチル写真に転用することは、すでにバルナックライカによって実現されていました。
しかし、フィルム装填/交換はなかなか面倒なものでした。
暗室などで、100feet巻のフィルム缶から、あらかじめ36コマ分のフィルムを切り出し、カメラやマガジンに装填しておく必要があったのです。

この作業を簡単にすれば、もっとフィルムが売れる!と考えたコダックは、パトローネ式フィルムを開発しました。
パトローネ式フィルムとは、現在もっとも一般的な、金属ケースに入った35mmフィルムのことです。
購入後すぐに使え、屋外でも簡単に交換できる利点があります。
コダックはパトローネ式フィルムを一般写真愛好家に普及させるために、拡販戦略用カメラとしてRetina 117を作りました。
1934年、昭和9年のことです。
Retina 117は歴代レチナの初号機であるばかりでなく、すべてのパトローネ式35mmカメラの御先祖様、ということになります。

フルメカニカル、AE/AFなし、二重撮影防止機構なし、セルフコッキングなし、ピント目測、という恐ろしく原始的なカメラでありながら、写真を撮る、ということに関しては今なお実用品です。
写真を撮るためには、色々面倒な儀式が必要なカメラですが、写真撮影の原点を体感でき、とても楽しいカメラです。
このカメラを使っていると、カメラの歴史とは万人に使いやすくするための歴史であった、とつくづく思います。
[PR]
by xylocopal2 | 2009-04-23 23:25 | Hardware
2009年 04月 15日 Canon EF 28mm F1.8 USM 試用インプレッション




"Canon EF28mm F1.8 USM"というレンズを買いました。
物欲が出てきたということは、だいぶ病気も良くなってきたということでしょう。
APS-C用標準域単焦点レンズとしては、長い間、"Canon EF35mm F2"というものを使っていました。
小型軽量で明るく寄れる便利なレンズでした。
しかし、どうも描写が硬いんですね。
特に開放付近のボケがあまり麗しくない。
去年の秋、"シャオリンのポートレート"を撮ったときにそう思いました。

そんなわけで、昨年10月、"SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM"にリプレースしてみました。
対称型ガウスタイプ、というエレメント構成に期待をしたわけです。
しかし、思ったほどに柔らかくない。
それどころか、相当にギスギスした描写で、ボケも美しくない。
これは好みじゃないな~と思っているうちに病気が悪くなってしまいました。
病気から回復してみると、この硬さが以前以上に気になってきました。

おまけに、SIGMA 30mm F1.4は寄れないんですね。
最短撮影距離40cm。
ダブルガウスタイプとしては寄れる方ですが、日常使用の際にはもう少し寄りたいと思うシチュエーションが多々ありました。
そんなこんなで、EF28mm F1.8 USMに乗り替えたわけです。
EF28mm F1.8 USMは25cmまで寄れますからね。

EF28mm F1.8 USMの評価は真っ二つに割れています。
良いという意見と駄目だという意見の両極端です。
EF28mm F1.8 USMは、1995年9月発売と少々設計が古いレンズです。
開放から高コントラスト&シャープネス抜群という現代的なレンズではなく、開放付近では眠いぐらいのローレゾリューション&軟調感、絞るに従ってカッチリするというオーソドックスなレンズです。
そうしたことから、評価の分裂が起こるのでしょう。

このレンズの描写、私が愛して止まない"Canon EF50mm F1.4 USM"によく似ています。
開放はローコントラストで解像感も悪く、かなり甘いです。
大量の残存収差のためか、ハロがガンガン出ます。
色収差補正もまるで良くなく、ボケも独特です。
開放時の周辺画像のポヤポヤさ加減は目を覆いたくなるばかりです。

"MTF曲線"を見ても、EF50mm F1.4 USMと似ています。
開放時の像高ゼロ、つまり中心部のコントラスト/シャープネスはともにあまり高くありません。
EF35mm F2、EF50mm F1.8 IIの方が、EF28mm F1.8 USM、EF50mm F1.4 USMより、コントラスト/シャープネスに関しては高い値を示しています。
つまり、EF35/F2、EF50/F1.8IIはカリカリ系、EF28/F1.8 USM、EF50/F1.4 USMはまったり系といったところでしょうか。

とはいえ、EF28mm F1.8 USM、悪くはありません。
過度に硬くならないので、人物や動物を撮るのに向いています。
料理も美味しそうに写りますね。 (料理写真の例)
良い意味でクラシックレンズの描写に近いです。
これは好きな描写です。
最初から、EF28mm F1.8 USMにしておけばよかった。

開放こそ大甘の収差大会ですが、半絞り絞ったF2.2あたりからシャキッとしてきます。
F2.8~F4も絞れば、元が広角レンズですから文句のないコントラスト&シャープネスになります。
でも、このレンズ、あまり絞らずに使うような気がします。
少々甘さを残した曖昧で柔らかな描写がとても魅力的なので。^^

歪曲収差補正は優秀な部類です。
軽い樽型ですが、この程度なら建築物を撮っても気になることは少ないと思います。




以下、作例です。
使用カメラは、Canon EOS Kiss X2です。



ISO200, F2.8, 1/4000sec., Av +1.3EV



ISO200, F2.2, 1/1500sec., Av +0.7EV



ISO200, F2.2, 1/200sec., Manual with SUNPAK PZ42X TTL Auto, +0.5EV



ISO400, F2.2, 1/125sec., Av +0.7EV



ISO400, F2.2, 1/200sec., Av -0.7EV

[PR]
by xylocopal2 | 2009-04-15 16:14 | Hardware
2008年 09月 25日 とってもギャンブルな Canon EOS Kiss III


恒例の名古屋・丸栄スカイル中古カメラ市が今日から始まりました。
このカメラ市、ライカ、ローライ、ハッセルブラッドなどの高級カメラも売られていますが、私の頭の中では、「丸栄ジャンク市」として記憶されています。
つまり、これまでまともなものは一切買わず、いつまで経ってもジャンクしか買ってこない、ということですね。
今回ゲットしたのは、以下の品々です。
  • Kenko MC Protector Filter 62mm (600円)
  • 使用期限が2013年のリチウム電池 CR2×2 (300円×2)
  • Canon純正50mmレンズ用ポーチ LP-1014 (300円)
  • AF銀塩一眼レフ Canon EOS Kiss III (1000円)
何だかガラクタばかりです。

写真のデジタル化が加速した現在、中古市場における銀塩EOS、特にエントリー機~中級機のステータス凋落は目を覆わんばかりです。1990年代のけっこう綺麗なEOSが1000~2000円で売られています。1970年代の金属製MFメカニカルシャッター一眼レフが今なお3000~4000円台のジャンクとして売られていることを考えると、プラスチック製AF電子シャッター機の末路はあまりにも哀れです。

銀塩EOSが1000円とは安いじゃないか、と思われるかもしれません。しかし、ジャンク箱の中の商品ですから、もちろん動くかどうかは無保証です。たいていの場合、バッテリーが入っていないので、売り場で動作確認をすることは困難です。したがって、これらジャンクEOSを買うことは限りなくギャンブルに近い行為となります。

20代の頃、民放競艇予想番組のディレクターを5年ほどやった私は、ギャンブルはそこそこ好きです。しかし、鉄板レースに100万円つぎ込むなんてことは怖くてやれませんでした。いつも、1000円券をせいぜい3点押さえるぐらい。狙うのは配当1000円~2000円の中穴です。

そんなノリで、今回も1000円のKiss IIIを買ってみました。勝てばちゃんと動いて写真が撮れるし、負ければ益体もないガラクタに1000円を払うと。まぁ、遊びとしては至極健全な方じゃないでしょうか。^^




これがくだんの"Canon EOS Kiss III"。1999年発売の銀塩AF一眼レフです。
レンズは手持ちのEF50mm/F1.4 USMを取り付けてあります。
このカメラ、Kissシリーズとしては三代目、それほど古くはないところが味噌です。
ブラックボディはシルバーボディより発売が遅く、実際には2000年9月以降の製品です。
後継機の"EOS Kiss III L"の発売が2001年11月ですから、ひょっとすると21世紀のカメラかもしれません。

全体のたたずまいは、デジタル一眼レフ、"Canon EOS Kiss X2"と似ています。特に前面から見た場合には違いが分かりにくいです。しかし、そこは銀塩カメラ、ひっくり返すと液晶はなく、裏蓋はのっぺりツルンとしています。


EFマウントの銀塩一眼レフとしては、"EOS 100QD"を持っているのですが、何といっても1991年発売のロートルですし、Kiss X2に慣れた最近は、もう少し軽くてコンパクトなものが欲しいと思うようになってきました。
EOS100QDのグリップって馬鹿でかくて、まるでジャガイモを握りしめているような気分になるんです。
そんなわけで、最初からEOS Kiss III狙いでジャンク市に来た確信犯だったわけです。

勝負にあたり、外観が綺麗で、シャッターがジャムっておらず、妙な付着物がないものを選びました。
落下痕のあるものはペケです。内部機構が逝かれている可能性があります。
泥が付いているようなものも危険です。水没品の可能性があります。
もっとも、会場にはそこまでひどい状態のカメラは少なく、せいぜい塗装が剥げているぐらいのものが多かったです。

いくつかの候補から選び出したこのカメラ、なかなかどうして綺麗です。
ほとんど使用形跡がありません。これが1000円とは信じられません。
会場で入手した300円のCR2バッテリーを突っ込んでみたところ、ちゃんとシャッターが切れます。
なかなか有望です。
さっそく、使用期限が切れたセンチュリアスーパーを詰めて、試写してみました。
使用期限が残っているフィルムを使わないあたりが小心者です。
だって、センチュリアスーパー、あと2本しか残っていないんだもの。







いいんじゃないでしょうか。
露出OK、AFバッチリ、フィルム給装無問題、妙な光線漏れもありません。
賞味期限を3ヶ月過ぎたフィルムなのに、カラーバランスもまともですね。
どうやら、勝負に勝ったようです。
こういうことが嬉しくて、ジャンクを買いあさっているわけです。
ホント、馬鹿は死ななきゃ治りません。^^


 Canon EOS Kiss III 仕様一覧
 ------------------------------------------------
  フォーマット: 135判 24×36mm
  マウント: EFマウント
  シャッター: 電子制御式縦走りメタルフォーカルプレーン
  シャッタースピード: B, 30sec.-1/2000sec. X=1/90sec.
  ファインダー: ダハミラー式アイレベル固定
  ファインダー視野率: 90%、倍率=×0.7
  露出モード: Program AE、Av、Tv、Manual、Depth etc.  
  バッテリー: CR2×2
  外形寸法: 140×90×58.5mm
  重量: 355g
 ------------------------------------------------


それにしても、このカメラ、本当に軽いです。
重量355gというのは、580gのEOS 100QDに比べると、もう段違いにスカスカ、中身が入っているのかどうか不安になる軽さです。
ボディも非常にコンパクトです。
EF50mm/F1.4 USMあたりを付けると、レンズが異様に大きく見えます。
ただのEF50mm/F1.4がノクチルックスクラスの高級品に見え、何だか嬉しいです。^^
レンズを外してボディだけを持つと、重量感はコンパクトカメラそのもの。
質感もプラスチッキーでコンパクトカメラと大差ありません。
どうも、この手のチープなものに弱くて困ります。




ボディ側マウントフランジは樹脂製です。
レンズ側マウントがプラスチックのものはよく知られていますが、ボディ側までプラスチックのものがあることは、あまり知られていないのではないでしょうか。
レンズとボディの結合部分であるフランジ面に金属を使わなくても大丈夫なのか?と思えますが、あまり頻繁にレンズ交換をしなければ、これでいいのでしょう。
そもそも、頻繁にレンズ交換をすることを想定していない作りですね。
思い切った省コスト化です。
このカメラ、外観がチープなだけでなく、中身までもしっかりチープです。




軍艦部は平均的AFカメラのそれ。デジタル一眼レフとも大差はありません。
Kiss Digitalに比べて、モード表示LCDが付いているので使いやすいです。
露出モードは、ポートレート、スポーツなどの他、P(プログラムAE)、Tv(シャッタースピード優先AE)、Av(絞り優先AE)、マニュアルなど一通り揃っているので、私程度の使い方では何も不満がありません。
AEロックボタンは左手親指で押す常識的な位置に付いています。
その右隣に露出補正ボタン。
これも特に問題のない位置です。




裏蓋を開けると、フィルムゲートが見えます。
フィルムガイドレールはエンジニアリングプラスチック製。
EOS 100QDの頃から樹脂製なので、今さら何も驚きません。
どこまでいっても、コンパクトカメラの風情です。

このカメラ、フィルム給装はプリワインド方式です。
フィルムを装填し、電源を入れるといきなり全てを巻き上げてしまいます。
そして、撮影が済んだものから順番にパトローネに巻き戻していきます。
不用意に裏蓋を開けてしまっても、撮影済み分は助かる、面白い仕組みです。
もちろん、ネガスリーブは普通のものと逆順になっていますから、頭は混乱します。

この時代のEOSには、よくパノラマ機能というものが付いていますが、思いっきり「なんちゃってパノラマ」です。パノラマスイッチをスライドさせると、フィルムゲートの上下からプラスチック板がしゃしゃり出てきて遮光するだけ。ちゃんとファインダーフレームも天地が切れるようになっており、なかなか芸は細かいです。とはいえ、画角がワイドになるわけなどなく、むしろ画角は狭くなります。こういうものを「パノラマ」と称して売ったのは詐欺ではないのかと小一時間‥‥。^^

シャッター幕は綺麗です。銀塩EOS宿命の「ダンパー溶解~幕ドロドロ現象」の呪縛から逃れています。
この現象は、1996年以前に製造された銀塩EOSの特定機種に発生するといわれる持病です。古いEOSでは、シャッター幕を受け止めるダンパーという部品が、経年劣化のため加水分解をおこし、ネバネバのドロドロとなって溶け出し、シャッター幕に付着する、という厄介な現象が発生します。

義父の"EOS 650"のシャッター幕。「ダンパー溶解~幕ドロドロ現象」の典型例です。EOS650というのは、EOS初号機で発売開始は1987年。20年あまりの歳月を経て、見事どろどろネッバネバになっています。こうなると、シャッター幕が走行途中に貼り付いて止まるため、未露光や過露光が起こり、画面半分が黒かったり白かったりする不思議な写真が撮れます。古い銀塩EOSを買おうという人は、この点は要チェックですよ。

しゃらくさいことに、AFポイントは7点あります。横5点、縦3点。真ん中一発のEOS 100QDに比べると圧倒的な使いやすさです。
この表示はデフォルトの測距点自動選択モード。7点のうち、もっとも近いポイントにフォーカスするというズボラモードです。これは現代のKiss Digitalにも搭載されている機能です。

もちろん、測距点は自由に選択可能です。これは、中央にフォーカスを合わせたところ。左端、右端などの設定もできます。このあたりはさすがに進化しています。

電源は、3Vリチウム電池CR2×2本です。リチウム電池といっても、デジカメなどで使われるリチウムイオンバッテリーではなく、充電不可能な一次電池です。
なんだ、充電不可能なのか、と馬鹿にすることなかれ。使ってみると分かりますが、なかなかなくならない魔法の電池です。パワーがあることもさることながら、自己放電が非常に少ないため、いつの間にか無くなっていたということが少ないのですね。新品のリチウム電池を買うと、10年後の使用期限が記されており、びっくりします。ジャンクなリチウム電池を買うと使用期限が3年後になっていてびっくりします。^^


Canon EOS Kiss IIIは、製品セグメントとしては、明らかにパパママユース、小さな子供がいる家庭用です。
しかし、よほど面倒な被写体でない限り、過不足なく使える実力派でもあります。
EOS100QDでは、AFポイント1点だったのが7点に変更されていますし、AF精度も高いように思えます。
EOS100QDは絞り込みプレビューボタンがなく、リモートレリーズも使えないカメラでしたが、Kiss IIIは絞り込めますし、レリーズも使えます。
総合力では、意外なことに、Kiss IIIの方が本格的一眼レフといえます。
日常的な写真を撮るにおいてはまったく機能不足を感じません。
デジタル一眼レフから写真を始めた人で、銀塩もやってみたい人、しかもあまりお金をかけたくない人、1000円EOSの勝負に出てみてはいかがですか?^^
[PR]
by xylocopal2 | 2008-09-25 20:26 | Hardware
2008年 09月 20日 メインPC CPU換装


某所で2万円分のギフト券をもらったので、CPUを新しいものに換装してみました。

新しいCPUは、Intel Core 2 Duo E8400 3.0GHz、FSB1333MHzって奴です。
今まで使っていたのが、Core 2 Duo E4500 2.2GHz、FSB800MHzですから、体感上の違いは意外にあります。
Photoshopのマルチレイヤーモードでイフェクトかけた場合、今まで一瞬もたくさっとしていたのが、さくっと決まる感じですね。
これはなかなかいいです。

左は現在のメインマシンのハラワタです。
ケースは20世紀のもの。フロンティア神代オリジナルの鉄板製ミドルタワーで、今となっては非常識な重量です。

DVD-DriveとATA HDDが残してあるので、未だにIDEフラットケーブルが這い回っています。とはいえ、以前はIDEケーブル2本にSCSIケーブルがうねっていたことを考えると、ずいぶんスッキリしました。

マザーボードは、Asusの鉄板マザー、P5K-Eです。CPU換装前にBIOSを最新のレビジョンに上げてあります。E8400を使うに当たり、そのままで大丈夫という説と、BIOSアップ必須という説の2つがあったため、大事を取ってレビジョン上げました。
1枚だけ刺さっているカードはグラフィックボードです。
NVIDIA GeForce 8600GT。
3DゲームもCGもやらないので、これで充分。
オンボードにしないのは、単なる習慣からです。
LAN/サウンドはオンボードOKでも、ビデオカードは何か刺さっていないと何となく不安だ、という人、けっこういるんじゃないかな?^^


[PR]
by xylocopal2 | 2008-09-20 19:40 | Hardware
2008年 06月 19日 スイス生まれの名レンズ ケルン・マクロスウィター


レンズターレットが強烈な印象を残す、"Bolex H16 Reflex"
スチールカメラではなく、16mmムービーカメラです。
レンズターレット付16mmシネカメラといえば、以前書いた"我が青春のアリフレックス16ST"に登場する"Arriflex 16ST"もそうでした。
"Arriflex 16ST"に対する愛着が400%とすると、Bolex H16に対する愛着は、0.1%ぐらいでしょうか。
つまり、まったく愛着がない。
この極端な違いは何なのか?
このカメラ、実は仕事で使ったことがありません。
年に1回、どんなカメラでもいいから16mmが回せるものを集めろ、というイベントで見かける他は、仕事場では見かけないカメラでした。

H16 Reflexに限らずボレックスはどちらかというとアマチュア用カメラです。
シングルショット機能、フェードイン/フェードアウト機能などを備えた非常に多機能なカメラではありますが、プロの現場では使われませんでした。
作りが精密すぎ華奢なためプロユースには堪えないのですね。
プロ用カメラというのは、Arriflex 16STのように、「いついかなるときも必ず回る」でなければ話になりません。

プロ用機材は多機能であると勘違いをされている人がときどきいますが、どのような分野であれ、プロ用機材はシンプルかつ頑丈なものが多いです。
とにかく壊れない、壊れても簡単な工具で修理ができる、低機能な分は人智人力でカバーするというのがプロ用機材だと思います。
これ、軍用機材にも通じる話です。
ちなみに映画製作の世界では、フェードイン/フェードアウトなどの特殊効果はオプチカルプリンターという装置で編集時コマ単位で精密に作成します。
撮影時に現場で効果を作るということはまずありません。

このボレックス、例によって義父からリーパク中のもの。
そのうち、なし崩し的に自分のものにしようという魂胆です。
義父が言うには、ボレックスというのは、「1950~1960年代にアメリカ人観光客が帯同させてきたカメラ」なんだそうです。
言われてみれば、パンナムあたりの少し古めの旅客機、DC-6などのプロペラ機が似合いそうなたたずまいです。
アロハシャツにサングラスのアメリカ人観光客が、ボーディング・ブリッジなどではなく、オープンタラップを降りてくる姿が目に浮かびます。
コカコーラ片手に、ラッキーストライクをくわえ、「ヘイ!フジヤマゲイシャ!私撮るYO、ベイベ~」などと言いながら下りてくるシーンです。

いかん、何だかコンプレックス丸出しのテキストになってきました。
話を元に戻します。^^


このカメラ、アメリカ人観光客に愛されましたが、アメリカ製というわけではありません。永世中立国、スイスの名産品です。
スイスといえば時計の国。精密機械工業に関しては伝統のある国です。銘板の下の方に、誇らしげに記された"Made in Switzerland"の文字が見えます。

設計者は、ジャック・ボゴポルスキー(Jacques Bogopolsky)。日本では、ジャック・ボルスキー、ジャック・ボルシーとしての名前の方が有名かもしれません。かの"ALPA ALNEA / REFLEX""Bolsey B2"などのオリジナル設計者です。

ジャック・ボルスキーといえば、一風変わったカメラを作ったという認識が一般的ですが、あくまでも相対的なものだと思います。オスカー・バルナックが作ったカメラ(ライカですわな)でさえ、当時としては充分変わったカメラだったのですから。

中央に見えるのが、スプリングモーター用クランクハンドルです。このハンドルをグ~イグ~イと巻き上げ、レリーズボタンを押すと、カタカタカタと軽快な音を発してカメラが回ります。

スプリングモーター駆動というと何やら高級そうですが、早い話がゼンマイ駆動。
さすがはスイス時計工業。シネカメラまでもゼンマイ駆動にしてしまう。というのは嘘で、1940年代~1950年代はゼンマイ駆動というのは至極ポピュラーな動力源でした。そうした時代に9V積層充電池駆動であったアリフレックス16STははるかに尖った存在だったといえます。

Bolexの外観を特徴づける、ターレット式レンズです。ターレットレンズは、ズームレンズが実用的でなかった時代、迅速にレンズ交換を行うために考え出された機構です。ターレットボードには焦点距離の異なるレンズが取り付けられています。このボレックスH16レフレックスの場合は下記4つのうちから3つを選択します。

 ------------------------------
 10mm=広角:135判換算30mm相当
 16mm=標準:135判換算48mm相当
 25mm=中望遠:135判換算75mm相当
 50mm=望遠:135判換算150mm相当
 ------------------------------

ターレット式レンズ最大の特徴は、無闇矢鱈と格好良くなることです。Arriflex 16STも、以前書いた戦場を駆けた35mmシネカメラ"Eyemo(アイモ)"もターレット式レンズボードを持っていました。アイモについては下記に詳細を書いています。興味のある方は参照してみてください。

 Xylocopal's Weblog 2005/02/06
  "高信頼性戦場シネカメラ・アイモ"
   http://xylocopal.exblog.jp/561826/



Bolex H16 Reflexのレンズはすべて、Kern Arau社製。
ALPAのレンズとして知られるマクロスウィターを始め、蒼々たるレンズ群、Arriflex 16STに付いている、Schneider Kreuznach Cine Xenonとタメを張る名レンズ群です。
その内訳は下記のとおり。

 Kern Arau Switar 10mm F1.6
 Kern Arau Switar 16mm F1.8
 Kern Arau Switar 25mm F1.4
 Kern Arau Macro-Switar 50mm F1.4

Kern Arauとは、スイスのアーラウにあったレンズメーカーです。
主にシネカメラ用のレンズを生産していましたが、ごく少数、135判用レンズも製作しました。
中でも、マクロスウィターは究極の美ボケレンズとして知られています。

それにしても、美しいレンズです。
白黒コンビネーションが何ともいえず粋です。
レンズキャップまでも美しいですね。
Kern Pillardのエンボスロゴが渋く輝き、実用品とはいえ、ある種の工芸品を思わせる精緻な仕上がりです。
Paillardとは、Bolex H16を製造したメーカー、パイヤール社のことです。
パイヤール社はスイスの精密機器メーカーで、オルゴール、時計用ムーブメント、タイプライター、オートマタ(自動人形)などの製造で知られています。
なお、レンズキャップにはネジ溝が刻まれており、ぐるぐる回さないと着脱できません。


Macro-Switar 50mm F1.4です。
135判用レンズとして名高いMacro Switar 50mm F1.8/1.9のシネレンズバージョン、というよりムービー用マクロスウィターの方がオリジナルです。

マクロスウィター50mm F1.8/F1.9は、ケルン・アーラウが作った数少ない135判レンズで、とろけるような柔らなボケが魅力のレンズでした。
5群7枚のアポクロマート。つまり、色収差なし。なしってことはないでしょうけど、可能な限り色収差を少なくしたレンズがマクロスウィターでした。最短撮影距離0.285m、ユニークな被写界深度表示機構を持ち、現代もなお非常に優秀なレンズの一つとして知られています。

マクロスウィターはマクロレンズとして設計されたものではないと聞いています。オリジナルはマクロ機能のない普通のスウィター。スウィターのヘリコイド繰り出し量を増やしただけのものだそうです。つまり、無段階調整式中間リング内蔵レンズというわけですね。

そのため、近接撮影時の収差補正は完璧ではなく、ニジミからはじまるとろけるようなボケ方をします。この残存収差ゆえのボケ方がマクロスウィター愛好家にはたまらない魅力となっているようです。
元より優秀なレンズの上、製造個数が少ないため、マクロスウィターは高価です。
アルパマウントのもので$500~$1000前後、M42マウント用やエキザクタマウント用だと$1000を超えてしまうとか。

そうした伝説の名レンズ(の親戚)が手元にあるとなると、どうしても撮ってみたくなる悲しい性分です。^^
16mmシネカメラ用レンズがAPS-Cのフランジバック、イメージサークルに合うわけがありませんが、M42=>EFマウントアダプターを改造して、シネ用マクロスウィター50mm/F1.4で写真を撮ってみました。
被写体は、"KMZ Jupiter-8 50mm F2.0"です。



Canon EOS Kiss X2
Kern Macro-Switar 50mm F1.4


絶世の美ボケといいたいところですが、光軸がずれてますね。
これはしかたがないです。
何しろ使った改造アダプタというのが、M42=>EFコンバータの真ん中に未使用モルトを貼り付け、穴を丸く切り開いただけのものですから。
機械的結合はなく、マクロスウィターは手で押さえつけているだけです。
つまり、グラグラの状態で撮った写真というわけです。
それでもアポクロマートの威力は充分発揮されているようで、気になる色収差は出ていません。
スイスが産んだ伝説の名レンズ、さすがです。
[PR]
by xylocopal2 | 2008-06-19 10:43 | Hardware


Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved