Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved
Top
2008年 06月 13日 First Impression of Canon EOS Kiss X2




名古屋市千種区春岡通7丁目 "CAFE GLOBE MART"にて
 Fujifilm FinePix F11


使い始めてから、10日あまりが過ぎた"Canon EOS Kiss X2"です。
海の藻屑と消えたEOS30Dの後継として急遽リリーフしてもらったわけですが、使ってみると、これはなかなか良いカメラです。
軽くて小さいだけでなく、ちゃんと使い物になるデジタル一眼レフですね。

これまで、"OLYMPUS E-10""EOS10D""EOS30D"といったデジタル一眼レフを使ってきたわけですが、もっと軽いモデルが欲しいなあと常々思っていました。
私が撮る写真なんてのは、プロスペックのデジタル一眼レフなんぞ要らないものばかりです。
秒間6連写なんて、1年に1~2回ぐらいしか使いません。
何が悲しくて、こんな漬け物石みたいなものを持たなくてはならないのか?といつも思っていました。

EOS10Dはボディだけで790gありました。
EOS30Dは700g。
このまま軽量化が進めば後継モデルは630gぐらいになるか?と思いきや、現実のEOS40Dは740gと逆に増えてしまいました。
ヘビー級のEOS1Ds MkIIIの1.2kgに比べればミドル級といったところですが、まだまだ重いです。
軽いボディが欲しいなあ、といつも思っていました。
"OLYMPUS E-410"が発売されたとき、本体重量375gという数字に羨ましくてクラクラした記憶があります。

EOS Kiss X2の本体重量は475g、歴代EOSデジタルの中では最軽量です。
数日前、本体重量450gの"Canon EOS Kiss F"が発表されたばかりですが、今日現在は未発売ですからね。
ボディ重量475gのKiss X2に、標準画角の"Canon EF35mm F2"を付けると、合計重量は685gになります。
これはいいです。
オリンパスE-4xxシリーズにはかなり負けますが、銀塩MF一眼レフ並にはなっています。
"Voigtlnder Bessaflex TM"が520g、"Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8"が190gで合計710gですから、少し軽いぐらいです。

EOS Kiss X2は、従来のKissシリーズに比べ、カメラとしての機能も強化されています。
スポット測光も付いていますし、AFポイントもEOS30Dと同じく9ポイントあります。
相変わらずダハミラーですが、ファインダー倍率は0.87倍と少しだけ大きくなりました。
内部画像処理系は14bit/channelと、12bit/channelのEOS30Dより多階調です。
もはや、EOS二桁D系に比べ機能が落とされ欲求不満になるという部分も少ないような気がします。

10日間、1000ショット撮った感触はとてもいいですね。
ファインダーは見やすいし、AFはピタッと決まります。
実効感度不足も感じられず、普段どおりの体感露出が通用します。
もちろん、入射光式露出計連携利用に関しては問題がありません。
以下、良い点/悪い点などに付いて、超個人的なインプレッションをまとめてみました。
どうしても、直前まで使っていたEOS30Dとの比較が多くなることは御容赦ください。


良い点
------------------------------------------------------------
  • 小型軽量
    いわずもがなのメリットです。
    同じ写真が撮れるのなら、ボディは小さい方がいいです。ボディが小さすぎて、TAMRON 28-75mm/F2.8あたりを付けると、レフレックス500mmを付けたように見えるのは御愛嬌です。これをアンバランスだという人はデザインというものが分かっていません。^^
    Kiss Digital N/X系ではグリップが小さすぎて、男性の場合小指の置き場所に困る、ということがありましたが、Kiss X2ではそういうことがありません。ちゃんと小指まで収まります。軽量化しているにもかかわらずホールドしやすさは向上しています。

  • デザイン
    KissシリーズからEOS二桁Dシリーズに近づいた印象のデザインになりました。
    キヤノンでは、曲面を連続的に変化させる「カーバチャーデザイン」と呼んでいますが、グッドデザインだと思います。EOS10D/30Dよりはるかに気持ちの良いフェアなラインです。特にプリズム前面ロゴ周りの微妙なカーブが美しいです。キヤノンは優秀なプロダクトデザイナーをスカウトしたに違いありません。
    質感もいいです。エンジニアリングプラスチック製ながら、銀塩EOSの100QDよりプラスチッキー度は低く、決して安っぽくないです。これを安っぽいという人はデザインというものが‥‥。^^

  • 内部処理14bit化
    画素数が増えたことより、サンプリングレートが増えたことの方が嬉しいです。
    階調数は、12bit=4096階調/チャンネル、14bit=16384階調/チャンネルですから、目視で分かるほどの差はありません。しかし、階調数が増した印象はわずかながらあります。JPEG撮影では最終的に8bit(256階調/チャンネル)に丸め込まれるとしても、RAWであれば14bit(16384階調/チャンネル)で処理できるため、RAW経由のレタッチ耐性は高くなったと思います。かくいう私はJPEG撮影95%なわけですが。^^

  • 高輝度側階調優先ON/OFF
    EOS Kiss X2で一番気に入った機能です。
    思いっきり簡単にいえば、この機能をONにすると白飛びの程度が軽くなります。
    効果としてはかなりあります。下の写真、左側が高輝度階調優先OFF、右側が高輝度階調優先ONです。OFFではいきなり白飛びしてしまう部分が、かなり粘ってディティール/質感を保持しています。



    この機能をONにするとISO100設定が使えず、ISO200からの運用になるというエクスキューズが付きますが、かなり使い物になる白飛び防止機能だと思います。厳密に比較したわけではありませんが、+1.0EVぐらいは拡張しているのではないでしょうか。若干コントラストが眠くなるか?と思ったのですが、ほとんど影響がありません。サンプル写真のようなメタリックな素材を撮る場合は積極的に高輝度階調優先ONにして使いたいと思わせる仕上がりです。私の場合は常時ONです。

    マニュアルには、この機能ONの場合に若干S/Nが悪くなる可能性あり、という記述があります。
    EOS10D/30Dを使っていた頃は、-2/3EV程度のアンダー目で撮影し、レタッチでシャドウを持ち上げるということを頻繁に行っていましたが、同等のことをフルオートマチックで行っているのだろうと思います。そのため、ノイズが増える場合がある、と書かれているのでしょうね。実際に使ってみて、S/N劣化が気になったことはまずなく、手動レタッチで行うよりは気が利いていると思います。

  • S/N比UP
    EOS Kiss X2では、連写枚数とのトレードオフになりますが、高感度時のノイズを減少させることができます。試してみましたが、たしかに低輝度部分のざわざわした部分のノイズが減ります。サンプル写真はISO800で撮ったもの。上がノイズ低減OFF、下がノイズ低減ONです。



    ノイズ低減ONにすると、明らかにカラーノイズが減り、すっきりした描写になります。EOS30DではISO800は非常用感度のつもりでしたが、Kiss X2では充分常用できそうな印象です。

  • メディアが安い
    Kiss X2の記録メディアはSDです。
    Kiss X2を買うまで、CFに比べSDがこんなに安いということを知りませんでした。
    何しろ、8GBのSDHCが4000円で買えてしまうのですから、もう驚きです。
    さすがは、コンデジのデファクトスタンダードだけのことはあります。
    これだけ安いと、海外ロケなどの際、ストレージをどうするか?を考えずに済むようになります。


悪い点
------------------------------------------------------------
  • 背面ダイヤル未実装
    Kissシリーズには、銀塩EOS以来の伝統、背面ダイヤル(ロータリーエンコーダ)が付いていません。
    EOS10D、EOS30D、EOS100QDと背面ダイヤル付の機種ばかり使っていたので、ないとなるとかなり焦ります。
    なくても同等のことは出来ますが、ワンアクション多い操作となるので、どうしても煩雑な印象になるのですね。
    露出補正時には、背面ダイヤルを回すだけで良かったのが、Av±ボタンを押しながらコマンドダイヤルを回すことになります。
    この「押しながら」というのが駄目ですね~。2週間近くたった今なお、背面ダイヤルを探している親指があります。
    マニュアル露出時は、コマンドダイヤルがシャッタースピード設定、背面ダイヤルが絞り設定になるのですが、Kiss系ではAv±ボタンを押しながらコマンドダイヤルを回すことで絞り値を決めます。これも非常に面倒に感じます。
    慣れというのは大きいですね。
    エントリーモデルで2ダイヤルのものは少ないのが現実ですし、これを煩雑だと思う人間は素直に二桁Dを買え、ということなのでしょうが、背面ダイヤルぐらい付けてくれ、と言いたくなります。
    -------------------------------------
    2008/09/07 追記
    3ヶ月あまり使ってみた結果、慣れてしまいました。
    人間の適応力って、けっこう馬鹿になりません。
    -------------------------------------
  • 最高シャッタースピード1/4000sec.
    上に書いたように、普段の私は"高輝度側階調優先ON"で使っています。
    ということは、ISO200以下に感度を下げることができません。
    一方、ドピーカン順光で、F2まで絞りを開けたいときはときどきあります。
    ISO200、F2の晴天順光時のシャッタースピードは1/8000sec.です。
    しかし、EOS Kiss X2は1/4000sec.までしか高速シャッターが切れないので、最大限絞りを開いてもF2.8止まりにしかなりません。
    なので、緊急避難的に高輝度側階調優先をOFFにし、ISO100設定で使うことになります。
    せっかく、実用的な白飛び防止機能が付いているのに、非常に残念です。

  • 色温度指定ホワイトバランス未実装
    EOS Kiss X2のホワイトバランスは、AUTO、ストロボ、白紙撮影マニュアルの他は、晴天(5200K)、日陰(7000K)、くもり(6000K)、タングステンライト(3200K)、蛍光灯(4000K)の5種類しかありません。
    私はドピーカンの際に、5500Kという晴天モードよりもややアンバーがかった設定にするのが好きなんですが、これができません。
    室内猫撮りで多用するバウンスストロボ用の4300Kといった値が使えません。
    タングステンライトの室内で、やや赤みを残した設定の3500Kという値が使えません。
    マニュアルホワイトバランスを3つぐらいリザーブできれば、かなりフォローできるのですが、マニュアルホワイトバランスのリザーブは1種類だけです。かくなる上は、光源別に白紙撮影したデータを専用SDに入れて持ち歩こうか?とさえ思います。
    エントリーモデルに何を求めているのだ?という声が聞こえてきそうですが、色温度指定ホワイトバランスなんぞ、2ダイヤルにするより簡単にできそうに思えます。早い話がファームウェア改良ですから。色温度選択オプションを追加するぐらい、それほどプログラム行数は増えないと思うのですがねぇ。また、出し惜しみのキヤノンといわれそうです。

    とはいえ、まったく色温度指定ホワイトバランスが設定できないというわけでもありません。少々面倒な方法ですが、メニュー画面から"ホワイトバランス補正"を開き、Blue/Amber方向にシフトさせればOKです。

    "ホワイトバランス補正"では、ミレッド単位の補正になります。1段の補正量は約5ミレッド。ミレッド値と色温度の関係は左のとおりですから、これに合わせて補正すればいいことになります。

    4300Kのホワイトバランスを設定するのであれば、蛍光灯(4000K)を基準にします。温度差300Kはミレッド差でいうと17ミレッドですから3~4段アンバー方向にシフトさせれば、4300Kの色温度ホワイトバランスが設定できることになります。

    ただし、撮影が終わったら、必ずホワイトバランス補正は中央値に戻しておく必要があります。補正をかけたままだと、すべてのホワイトバランスモードで15~20ミレッド、アンバーに偏った、つまり暖色方向に偏った色になってしまいます。



その他
------------------------------------------------------------
  • ライブビュー
    使ってみましたけど、何がありがたいのかよく分かりません。ローアングルなら這い蹲ればいいし、ハイアングルは諦めるし。
    くわえて、目視の方が安心できる損なたちです。常時シャッターをオープンし、CMOSに光を当てているというのが恐ろしくて駄目です。取説には、長時間ライブビューを続けるとS/Nが悪くなると注意書きがしてありますし、どう考えてもイメージャーに優しそうな機能とは思えません。ゴミ付着の危険も増えるような気がします。



    EOS Kiss X2にはリモートライブビューという機能もあります。
    ライブビューをしながら、スクリーンアウトをUSBケーブルでPCに出力する機能です。
    PC用ディスプレイでフォーカスや色味を確認しながら撮影ができて便利そうなのですが、どうもイメージャーを痛めそうでイヤ~ンな気分になります。カメラとPCをUSBケーブルで結び、HDD記録にしておけば、フォーカスや色味などは、撮った直後に確認できるので、ライブビューのメリットを感じません。

  • 自動センサークリーニング
    予想どおり、あまり効きません。
    使い始めて3000ショットぐらいまでは初期メカダストが多いせいもありますが、すでにけっこうゴミが付いています。
    元より全然期待していないので、こんなもんだと割り切ってます。
    汚れたら掃除するだけです。
    -------------------------------------
    2008/09/07 追記
    3ヶ月あまり使ってみた結果、予想外に効果はあることがわかりました。
    EOS10D/30Dあたりに比べると、明らかにゴミ付着が少ないです。
    かなり頻繁にレンズ交換しているとはいえ、電源ON/OFFのたびに自動センサークリーニングを行ってくれるというのは、なかなか有効であるようです。
    -------------------------------------

  • ファインダー
    ダハミラーはプリズムに比べると暗くて狭い印象を持っていたのですが、Kiss X2はそこそこ明るく見やすいファインダーです。マット面がスヌケに近くMF不可能などと評判が悪いファインダーですが、慣れればピントの山が分かります。M42マウントレンズを使うときやブツ撮りのときはマット面フォーカシングをしていますが、EOS30Dとの違いはほとんど感じられません。ファインダー倍率は相変わらず井戸の底から空を見上げたような具合ですが、これはAPS-Cフォーマットである以上、避けられないですね。

  • AFポイントセレクター
    AFポイントセレクターは、EOS30Dのようなジョイスティックタイプのマルチコントローラーではないため、操作が煩雑か?と思っていたのですが、思ったより軽快に動作します。EOS30Dのマルチコントローラーは斜めのAFポイントが一発で決まることが少なく、意外に使いにくかったので、Kiss X2の方が使いやすいとさえ感じます。AF自体はスパスパ気持ちよく決まります。

  • バッテリーライフ
    EOS30Dの1100枚という数値に比べ、Kiss X2の600枚はいかにも少ないです。
    1650mAhクラスに対して1050mAhののリチウムイオンバッテリーですから、仕方がないことではあります。
    しかし、使ってみると、2~3日は平気で持ちますし、特にバッテリーライフが短いとは感じないんですね。
    なので、これは減点対象にはなりません。
    ただ、新規格バッテリーのため、台湾製サードパーティバッテリーがあまり出ていないというのが残念なところです。
    一応、ROWAにもKiss X2用の"LP-E5互換品"があるようですが、使用セルが正体不明です。よく分かったセルになるまでは純正品を使います。

こうして書き上げてみると、悪い点というのは中級機の機能をエントリーモデルに求めているだけなんですね。
決して、Kiss X2が悪いわけではないんです。
こうした使い方をするユーザはエントリーモデルを買うな、中級機を買え、ということでしょう。
重量/サイズが増えてもいいのか?と問われれば否なので、これはもう諦めます。
単に写真を撮るための道具として考えた場合、EOS Kiss X2はかなり進化した良いカメラだと思います。


---------------
オマケ:
 "Canon EOS Kiss X2 実写サンプル"
  http://www.xylocopal.com/misc/kiss_x2/
[PR]
by xylocopal2 | 2008-06-13 20:50 | Hardware
<< A Surface 梅雨の中休み~真夏日 >>


Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved