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2008年 05月 29日 この子どこの子? Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4







名古屋市昭和区川名本町にて
 Canon EOS 30D
 Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4


日没90分前の風景です。
夏至まで1ヶ月を切った今の時期の強い陽差しも、この時間になるとさすがに弱くなってきます。
ここのところ、飛ばしすぎだったためか神経が疲れているらしく、ここ2~3日はこの手の光線に弱くなりました。
優しい写真が撮りたくなってきました。


そうしたとき選ぶレンズに、Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4があります。
マルチコーティングが美しい、M42マウントの少し大振りなMFレンズ。
カリカリにシャープでもなく、さりとて抜群にボケが綺麗というわけでもないレンズ。

特に突出した部分はないのですが、疲れたときにこのレンズを使うことは非常に多いです。このレンズで撮った写真にはあまり尖ったものがありません。

Xylocopal's Photolog 2006/10/28
"Gentle Lights #3"
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"春のラベンダー"
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Xylocopal's Photolog 2006/11/17
"1950 Chevrolet 4 Door Sedan"
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疲れたときに優しい写真が撮りたくなるこのレンズ、何か癒し効果でもあるのでしょうか。
たしかに、放射線量は多いトリウムレンズです。それも、少し放射線を出すというレベルではなく、かなり出すといって良いレベルです。
"放射能レンズ ガンマ線量実測"の際には、Super-Takumar 50mm F1.4に次ぐ堂々の第2位の放射線量を記録しています。

 Asahi Opt. Co., Super-Takumar 1:1.4/50 = 4.7μSv/h
 YASHICA AUTO YASHINON DS-M 50mm 1:1.4 = 2.1μSv/h
 Asahi Opt. Co., SMC TAKUMAR 1:1.8/55 = 1.54μSv/h

トリウムレンズとしてよく知られている、SMC Takumar 55mm F1.8より多いのです。
この程度の放射線量であれば、腹巻に入れて24時間365日片時も離さないという馬鹿なことをしない限り、もちろん健康に悪影響を与えるものではありません。
むしろ、ラドン温泉のような効果が期待できるのかもしれません。
ゲルマニウムネックレスなどより、よほど科学的です。
放射線量が放射線量ですから、軽い黄変はあります。
といっても、スーパータクマー50mm/F1.4のような濃い麦茶色ではなく、せいぜい出がらしの番茶レベルですが。


優しい描写をするボケ玉なのか?といえば、決してそうではなく、むしろ描き出す情報量は多いレンズです。
"50mmレンズ 近接描写F4勝負 Part.1""Part.2のJPEGファイルサイズテストでは、14本中第2位の好成績を収めています。
これ、現行レンズであるCanon EF50mm F1.4 USMに次ぐ成績ですよ。
個人的に最良のM42マウントレンズと信じている、"Voigtländer Color-Ultron 50mm F1.8"より良い結果です。

JPEGファイルサイズテストとは、私が勝手に命名したテストで、一般的なものではありません。
同一条件下で撮影した写真を、同一アルゴリズム/同一圧縮率でJPEG圧縮した際に生成されるファイルのサイズを比較するものです。
一概にはいえませんが、JPEGの特質から、空間周波数の細かい、情報量が多い写真ほどファイルサイズが大きくなります。
単に解像力のみならず、四隅の流れが少ない画像、コントラストが高い画像ほどファイルサイズが大きくなります。
したがって、生成されたJPEGファイルのサイズが大きければ大きいほど、クリアで硬いトーンの写真ということになります。

しかるに、このレンズで撮った写真は一向硬くならず、むしろ柔らかい印象です。
ひとことで言えば、しっかり描写しているにもかかわらず、硬くならないレンズといえるでしょうか。
もっとも比較したレンズが、M42マウントの古いレンズや、甘いことで知られるEF50mm/F1.4だったから、この結果になったのだろうとは思います。
いずれにしても、シャープなのに硬くならないこのレンズ、不思議な魅力にあふれており、手放す気にはなれないレンズです。

Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4は、製造数が少ないのか、ネット上で検索してもなかなか有意な情報が得られません。
謎の多いレンズです。
おそらく、"Yashica TL-Electro""Yashica TL Electro X""Yashica Electro AX"などの1970年代前半のヤシカ製M42一眼レフに装着されたレンズであろうと思われます。
レンズの世代でいえば、DXとDSBの間あたりでしょうか。
確証はありませんが、富岡光学製レンズだと思います。
右インフ(無限遠)/右開放の鏡胴デザインは富岡光学製レンズの典型的特徴ですから。

今のところ、想像の域を出ませんが、Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4は、ヤシカ製M42マウント大口径標準レンズの最終モデルではないか?と考えています。
ひょっとしたら、ヤシコン時代の"YASHICA ML 50mm F1.4"と同一光学系のレンズかもしれません。
コーティングの美しさは、MLレンズなみですから。
いずれにしても、素性がよく分からないので、以下にスペックと写真を上げておきます。
お分かりになる方、おいででしたら、御連絡くださると嬉しいです。

YASHICA Auto Yashinon DS-M 50mm F1.4
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 焦点距離: 50mm
 絞り: F1.4 - F16
 絞り羽根枚数: 6枚
 最短撮影距離: 50cm
 外寸: 64×54mm
 重量: 282g
 フィルター直径: 55mm
 自動絞り切換(A/M): なし
 エレメント数: 6群7枚?
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絞りリングの回転方向が反対ですが、全体的なバランス、ローレットの形状は、ML 50mm F1.4に酷似しています。

フィルター径はM42標準レンズとしては大きな55mm、ずっしりと持ち重りのするレンズです。

スタンダードなM42スクリューマウントです。開放測光用の絞り値伝達ギミックは何も付いていません。自動絞り切換用のA/Mスイッチもありません。後玉の突出は、DX50mm/F1.7ほどではありません。常識的な突出量だと思います。



オリジナルのものかどうか不明ですが、フロントキャップ/リアキャップの写真も載せておきます。
このレンズは、ebayで英国のセラーから$100ほどで購入したものです。
心当たりがある方の御連絡をお待ちしております。
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by xylocopal2 | 2008-05-29 23:59 | Hardware
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