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2007年 12月 20日 究極のLPFクリーニング綿棒 1本10円!


大掃除シーズン到来ですね。
デジタル一眼レフユーザの皆さん、LPFの掃除はどうしていますか?
LPFというのは今さら言うまでもなく、ローパスフィルター(Low Pass Filter)の略で、CCDやCMOSなどイメージセンサーの前に付いているフィルターのことです。
ここにゴミが付くと、撮影画像に黒いシミとして写り込むのでやっかいです。

上の写真は晴天順光の青空を撮ったものですが、F32と絞りまくった上、あり得ないほどコントラストを高めているので、何だか凄まじいことになっています。
LPFのゴミは、絞れば絞るほどシャープな点像を結ぶのですね。
普通の状態でここまでゴミが目立つことはまずないと思いますが、レンズ交換の際や、ズームレンズの伸縮の際などにミラーボックスにゴミが入ることは、デジタル一眼レフの構造上避けることができません。
新品の場合は、シャッターやミラーなど可動部品から出るメカニカルダストも無視できません。

LPFのゴミが目立ち始めたら、掃除をするしか解決方法がありません。
ゴミ取り機能の付いたデジタル一眼レフもありますが、オリンパスの製品を除き、あまり確実な効果はないようです。
では、いかにして、LPFの掃除をするか?
一番安心確実な方法は、メーカーのサービスセンターに持ち込み、その道のプロに掃除してもらうことです。
最近は即日清掃可能らしいですし、キヤノンの場合は無料ですから、これが最良の方法であることは明らかです。

しかし、世の中には、わざわざサービスセンターまで持ち込むのが面倒くさい、思い立ったらすぐ掃除をしたい、エ~イ!面倒だ!自分でやってしまえ!というイラチな人がいるのも事実です。
"イラチ"とは上方の言葉で、気が短く待つことができない人のことをさします。
かくいう私もイラチの一人。
Canon名古屋QRセンターまで地下鉄で10分かからない距離に住んでいながら、先代のEOS10Dの頃から、自前クリーニングばかりです。
現在使っているEOS30Dの場合、1回もサービスセンターに持ち込んだことがありません。
そんなわけで、これまでにも何回かLPFクリーニングに関するエントリを書いてきました。

 "Xylocopal's Photolog 2005/10/20 LPF湿式クリーニング完了"
  http://xylocopal2.exblog.jp/2922171/

 "Xylocopal's Photolog 2006/04/24 EOS30Dイメージセンサーのゴミ掃除"
  http://xylocopal2.exblog.jp/3824641/

 "Xylocopal's Photolog 2007/06/05 イメージセンサー 自前クリーニング 番外編"
  http://xylocopal2.exblog.jp/6246494/



今回も、LPFが上の写真のようになってきたので、掃除をすることにしました。使った道具は左のとおり。ほとんどが、近所のドラッグストアで調達したものばかりです。

右奥は無水エタノールを小出しするためのハンドラップ。有機溶剤などを定量抽出するための道具です。あれば便利というだけで、なくてもかまいません。小皿などで代用できます。

左奥は無水エタノール。ドラッグストアで売られているアルコールの中では最も純度が高く、エタノール含有度99.5%以上、水分をほとんど含まないため速乾性が高いのが特徴です。500mlで1000円ほどしますが、LPF清掃にはこれが一番向いています。

無水エタノールより少し安い、ただのエタノールというものもありますが、エタノール含有度は95%と純度がやや低いです。もっと安い消毒用エタノールというものもありますが、純度は80%前後で、蒸留水で希釈されています。そのため、乾燥しにくく、揮発痕が残りやすいのでLPF清掃には不向きです。さらに安い燃料用アルコールというものもありますが、これは論外でしょう。

手前に並べたのが今回の秘密兵器、特大医療用綿棒です。
20本入りで207円でしたから、1本あたりの単価は約10円。非常に安価です。
これによく似たものが、"HCL(堀内カラー)"から、"ローパスフィルター用デジタル綿棒"として売られています。
かねてより使ってみたかったのですが、20本入り1000円前後と、なかなか高価で買えずにいました。
こんなもの、絶対にそんな値段じゃないよな、もっと安いはずだ、と思うと買えないんですね。
根がケチなもので。^^
この手のもののハシリとして、"センサースワブ"というものがありますが、お値段、何と12本入り8190円!
いくら米国製といえど、もう法外暴利としか言いようがありません。




そんなおり、近所のドラッグストア"スギヤマ薬局"で見つけたのがこの医療用特大綿棒です。
"川本産業株式会社"の"医療用綿棒(紙軸)Lサイズ20本入り"というもので、全長15cmほど、先端に直径8mmほどの綿球が付いています。
風邪を引いたときなど、ヨーチンを付けて喉の奥に塗るなどのために使うものと思われます。
センサークリーニングに使うにはコットンオイルが脱脂されている必要がありますが、脱脂綿というぐらいですから、未脱脂ということはないと思われます。
一応、医療用と記されていますが、あくまでも一般家庭用であって、医療施設専用ではなさそうです。
医療施設専用であれば、"もっと巨大な綿棒"があるようですが、実物を見ていないので、LPFクリーニングに使えるかどうかは不明です。
あまりフワフワなものだと、毛羽立ちが多すぎてセンサークリーニングには不向きです。

この綿棒、見た目の印象は、HCLのものと変わりがなさそうです。
お値段は前述のとおり、20本入り207円。
安いです。極めてリーズナブルです。^^
"楽天市場"も同じ価格で売られていました。


普通の綿棒とサイズを比べてみました。かなり大きいことが分かります。これなら、拭きムラを最小限にして、一気にLPFを拭けそうです。

綿球はかなり固く締まっており、毛羽立ちが少なく、余分な繊維屑が出にくいように見受けられます。"LPF自前クリーニング 綿球編"で、もっと固く締まった綿球があればいいのに、と書きましたが、これこそは理想の綿球に近いです。


実際に使うには、少々固く締まりすぎており、LPFを傷つけそうなため、指先でモニュモニュと揉みほぐして使いました。素手で揉むと皮脂が付くため、レンズクリーニングペーパーを介して揉みほぐしたのは言うまでもありません。毛羽立ちの少なそうな素材であれば何でも綿球を揉むのに使えると思います。

使い心地はなかなか快適です。
よく揉んでおけば、隅の方にも綿球が入ります。
今まで使ったことがあるクリーナーの中では最高の操作感です。
丸箸にシルボン紙/クリーニングペーパーの場合、隔靴掻痒の感が免れませんが、これは痒いところに手が届くダイレクトな操作感があります。
究極のLPFクリーニング用綿棒といってもいいのではないでしょうか。

作業自体はあっけないです。
APS-C程度のイメージセンサーサイズであれば、3回も横に動かせば掃除完了です。
念入りにゴシゴシ拭いても好結果が得られないどころか、むしろ悪影響の方が多いですから、できるだけアッサリ淡泊に拭くのがコツです。
何回も拭く場合は、安いものですから、どんどん交換していきましょう。
1回拭いたら面を変える、2度拭きはしない、ということですね。
普通、1~2回拭けばOKになるはずです。
この医療用特大綿棒+無水エタノールで拭いたLPFで撮った結果が下の画像です。




左下の方に2つばかり拭き残しが見えますが、これぐらいは許容範囲です。
これを深く追求すると無限ループに陥ることが多く非常に危険です。
ゴミを取ろうとして逆にゴミが付く、拭きムラが増える、いつまでたっても綺麗にならない、拭きすぎてLPFにキズを付けてしまう、などろくな結果になりません。
経験者が言うのだから本当ですよ。^^

LPFクリーニングのコツは、「深追いしない」、「無欲無我の境地で臨む」、「細心にしてアッサリと」です。
F32まで絞ってこれぐらいしか写らないのであれば、F11あたりならほぼゴミなしであろう、横位置にしても縦位置にしても空が写り込む位置ではない、などと自分を納得させることが肝要です。
実際、この程度であれば99%影響なしですし、もし写り込んだとしても単純なドットですから、Photoshopのコピースタンプツールで簡単に修復可能です。
とにかく、「LPF清掃は諦めが肝心」ということに尽きます。


目立つ位置に1点だけ拭き残しを見つけた場合は、先細綿棒が便利です。これは普通サイズの綿棒ですが先端が尖っています。HCL扱いのものがカメラ量販店などで売られています。

先細綿棒の先端に、ごく少量の無水エタノールを付け、LPF上のゴミを狙いすまし、軽く接触させてすくい取ります。普通の綿棒では接触面積が大きいため、揮発痕が残り、堂々めぐりに陥りやすいのですが、先細綿棒ではほとんど揮発痕が残りません。

そんな小さなゴミが見えるのか?と思われるでしょうが、けっこう目視でも分かります。老眼&近視の私でも見えるのだから、まぁ、誰でも見えるのではないでしょうか。
ただし、レンズを通った光は、イメージセンサーには左右反転倒立画像として写ることに注意してください。
撮影画像の左下にあるゴミは、LPFの右上にあるわけです。


[まとめ]
今回行った自前LPFクリーニングの方法をまとめると、以下のようになります。
  1. 事前準備(無塵操作の徹底)
    作業台のまわりを固く絞った雑巾などで拭く。
    ホコリが出そうなものを遠ざける。風呂場で作業を行うのもOK。
    手を石鹸でよく洗う。

  2. 比較用に掃除前の画像を撮っておく
    被写体は晴天青空、一面の曇天、白紙など無地のもの。
    絞りはできるだけ絞っておく。F22~32あたりが望ましい。
    ISO感度は何でもOK。極端にいえば手ブレ写真でもOK。
    フォーカスはできるだけピンボケ状態にしておく。空の場合は最短撮影距離に設定。
    AFを切って、MFでぼかした方が簡単。
    望遠レンズなど狭画角レンズの方が無地被写体を得やすい。
    私はF32まで絞れるタムロン90mm F2.8 Macroを愛用。

  3. 清掃実施
    1. 完充電したバッテリーをカメラに入れる。

    2. イメージセンサー清掃モードにし、ミラーアップする。

    3. 特大綿棒に無水エタノールを少量付ける。
      揮発痕が残る恐れがあるので、無水エタノールを付けすぎないように注意。
      綿棒の動かし方などについては本文参照のこと。

    4. 細心丁寧にイメージセンサーを掃除する。
      ねちこく掃除しても良いことは何もないから、できるだけアッサリ淡泊に行うことが肝要。
      手早く行った方がいいに決まっているが、慌てず慎重に行うこと。
      綿棒は絶対に往復させてはならず、必ず一方向に動かすこと。

  4. 清掃後の写真を撮る。
    カメラにレンズを付け、事前撮影と同一条件で撮影。
    必ず、F22~F32程度に絞ること。
    目立つゴミがなければ、メデタシメデタシでおしまい。
    目立つゴミ、拭きムラなどが見つかれば、3.[清掃実施]に戻る。



[お約束]

自分もやってみようという方、くれぐれも自己責任でお願いします。
ヘタをすると、ゴミが増えたり、拭きムラが出たりします。
拭きムラはしっかり写ります。
私はクラシックカメラのレンズ拭きで修行を積みましたが、レンズを拭いたことがない方は、あらかじめ、ジャンクレンズやフィルターなどで練習した方が安全です。

クラシックカメラには、左の写真のように、拭きキズが付いたレンズが本当に多かったです。
グルグルと同心円状に見えるものが拭きキズです。
綺麗にするつもりが、逆にキズを付けてしまうのですね。
ホコリが多い環境でレンズ掃除をすると、クリーニング液にホコリが混じり、一発で拭きキズが付くようです。
慣れない方が、いきなり、イメージセンサーを掃除すると、拭きキズを付けるかもしれません。
くれぐれも慎重にお考えください。


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by xylocopal2 | 2007-12-20 19:37 | Hardware
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