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2006年 12月 04日 外光式オートストロボ National PE-320S



Canon EOS 30D / Canon EF 50mm F1.4 USM, National PE-320S
ISO100, Manual, F2.0, 1/125sec., Auto Synchro


母の形見のテディベアです。
体長30cmぐらい、ちょうど猫ほどの大きさです。
なんで、こんなものを撮ったか?といえば、ストロボのテストのためです。
先日、ナショナルPE-320Sという外光式オートストロボをオークションで落札しました。
2600円なり。
それが、今朝届きました。
とりあえず、テストということで撮ったのが上のカットです。





National PE-320S、GN(ガイドナンバー)32の外光式オートストロボです。
1980年代初頭の製品で、当時、「ストロボット」というベタな愛称で販売されていました。
この手のストロボは、外部調光式オートストロボとも呼ばれ、カメラとは完全に独立して調光可能というのがウリでした。
TTL調光ではなく、自ら発光する明かりを自分で測って露出が完結するストロボ。
腐ったようなボロカメラであっても、シンクロ接点があり、絞りさえきちんとしていれば、まともな写真が撮れるストロボです。

外光式オートストロボを使えば、フルマニュアルのクラシックカメラであっても、室内では完全なAEカメラとなります。
下の写真は、1950年代初頭の蛇腹式カメラ、Certo Super Dollina IIで撮ったもの。
SUNPAKの外光式オートストロボ(GN38)を繋ぎ、天井バウンスで撮影しています。
アクセサリシューがないカメラなので、右手にカメラ、左手にストロボという妙な格好で撮りました。




at Mr. Billiken 2001
Certo Super Dollina II / Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8
Fujifilm Superia 100, Scanned with EPSON GT-X750


外付ストロボ、中でもバウンスできる、つまり光を反射させ、拡散できるストロボというのは滅法便利です。
カメラ付属のストロボというのは直接光であり、被写体の正面から強い光を当てるため、影はできるし、コントラストは強いし、雰囲気ぶち壊しで、まぁ、あまり使いたくなるようなシロモノではありません。
ストロボ直接光で撮った写真は、証明写真や報道写真、鑑識写真のようで、情緒に欠けます。

それに対して、バウンス可能なストロボでは、光がよく回った柔らかい感じの写真が撮れます。
プロがスタジオで撮る写真というのは、基本的にはバウンスさせたストロボ光を使っています。
ストロボ光というのは、コントロールしやすい上に、色温度的に太陽光に近いため、演色性がよく、利用しやすいのですね。

そんな訳で、長年サンパックの外光式オートストロボを愛用してきたわけですが、EOS10Dを買う直前、2002年頃ぐらいに壊れました。
コンデンサーが完全に抜けてしまい、蓄電できなくなったのです。
まぁ、寿命という奴です。
1970年代末の製品ですから、よくぞ長持ちしたといった方がいいかもしれません。

最近は、アヴェイラブルライト専門だったのですが、一発ぐらい外光オートストロボがあってもいいなあとも思っていました。
決定的だったのは、fujisssさんの"R&M : Mask of Tina"を見てからです。
私も出張猫写真師をしたい、と思ったのですね。^^
mixiなんか見てると、綺麗な可愛い猫がいっぱいいますから。
猫写真なんて、といわれることが多いですが、猫は最高の被写体のひとつです。

室内猫写真を撮るとき、外光式オートストロボは非常に重宝です。
fujiさんはアヴェイラブルライトで撮ったとのことですが、たぶん、外光式オートストロボを使った方が歩留まりがいいです。
経験者の私が言うのだからホントです。
下の写真は、サンパックの外光式オートストロボを天井バウンスで撮っています。




Niki and Camnya 1988
Canon A-1 / Canon NFD 50mm F1.4
FUJIFILM SUPER HR 100, Scanned with EPSON Colorio GT-F520









猫写真で、バウンスストロボが有利な点は、絞れる点です。
アヴェイラブルライトで室内の猫を撮るとなると、50mmクラスの明るいレンズで、F2前後まで絞りを開くのが一番歩留まりがいいです。
歩留まりはいいのですが、開放付近での撮影ばかりだと、どの写真も似てきてしまいます。
背景ボケボケ、猫の眼だけシャープ、というやつですね。
時にはカリッと絞って、全身をシャープに写したいときもあるわけです。
そんなとき、バウンスストロボを使うと、F5.6ぐらいまでは楽勝で絞れます。
F5.6も絞ると、猫の全身をカッチリ描くことができますし、フォーカスの合う範囲が広がりますから、歩留まりもとてもよくなります。

バウンスできるストロボって高いのでは?
と思われる方も多いかもしれません。
たしかに、メーカー純正のTTLストロボは高いです。
TTLストロボというのは、レンズを通して入ってきた光を測り、ストロボ消灯のタイミングを決定するストロボで、原理的には確実な方式です。
確実なだけに、システムが複雑になり、ストロボも高くなります。
アクセサリシューの接点も、ストロボとカメラの間でデータ通信を行うため多接点化し、メーカー間での汎用性が失われます。

一方、外光式オートストロボでは、その名前の由来になったとおり、測光はカメラ側では行わず、外部、つまりストロボ側で行います。
ストロボだけで露出が完結するため、構造はシンプルになります。
アクセサリシューの接点も、発光タイミングだけ、つまり一点となります。
そのため、カメラを選ばず、汎用性が高くなります。
TTLではないため、フィルターワークや接写の際の露出倍数は考慮されていませんが、一般的な撮影では、あまり問題となることはないと思います。





外光式オートストロボには、必ず測光センサーが付いています。
上の写真、"National PE-320S"という文字の下にあるのが測光センサーです。
発光部が天井を向いていようが正面を向いていようが、ストロボはここで受光した光量を測り、消灯タイミングを決定します。
所定の明るさになったとストロボが判断すれば、発光を停止します。
これが、外光式オートストロボの基本動作です。

カメラとの間でTTLデータをやりとりする必要がないため、外光式オートストロボは安価です。
新品のPanasonic PE-36Sでも実売2万円ぐらいです。
中古であれば、それこそ500円ぐらいからあります。
ただし、あまり古いものは蓄電用コンデンサーが劣化しており、現役時代の発光量の半分ぐらいしか出ないものあるので注意は必要です。





外光式オートストロボの使い方は非常にシンプルです。
上は、ISO100、ストロボオート露出、照射角28mm、絞りF5.6に設定したところです。
これで、カメラにISO100のフィルムを入れ、絞りをF5.6にすれば、常に適正露出分のストロボ光が照射されます。

外光式オートストロボでは、露出はすべてストロボ頼み、カメラ側ではAEに関して何も制御をしません。
というわけで、カメラ側に余分な動作をさせないため、マニュアル設定にします。
デイライトシンクロなどの場合は、絞り優先AE、シャッタースピード優先AEで使うこともありますが、とりあえずマニュアル設定でいいです。

シャッタースピードは、フォーカルプレーンシャッターの場合、X接点スピードに設定します。
たいていは、1/60sec.、1/125sec.、1/250sec.あたりになるかと思います。
レンズシャッターの場合はフルシンクロですから、どのスピードでもOKです。
EOS30Dのシンクロ速度は1//250sec.ですから、それより遅いスピードであれば、とりあえずシンクロします。
えらく大雑把な!と思われるかもしれませんが、露出に関してはストロボ頼みなので、これでOKなんです。
ストロボ光の照射時間は非常に短いため、1/250sec.でも1/8sec.でも結果は変わりません。
とはいっても、1/8sec.とかにすると手ブレしますから、少なくとも1/60sec.ぐらいに設定した方がいいです。

外光式オートストロボとデジタル一眼レフの相性は悪くありません。
トライアルアンドエラーが実に簡単ですから。
とりあえず撮ってみて、アンダーだったら絞りを開ける。
上の場合だったら、レンズの絞りをF5.6からF4にしてみるわけですね。
コンデンサーが抜けた古いストロボではよくあります。
今回入手したPE-320Sも1段ほどアンダーでした。

同様に、もし、明るすぎるようであれば、F8にしてみます。
カメラ側の絞りをいじりたくなければ、ストロボ側の絞り設定をいじればいいわけです。
外光式オートストロボというのは原始的なだけに、調光はTTLストロボより簡単です。





外光式オートストロボでは、このように発光部を天井に向けて、天井バウンスで使うことが多いと思います。
直射する場合に比べて、大幅に効率が落ちますから、天井バウンスをするためには、少なくともGN30は欲しいです。
GN50程度の大光量ストロボであればいうことナシです。
天井が高い場合、ストロボは大光量が必要となります。
GN32というのは、六畳~八畳間あたりで光がよく回るガイドナンバーです。
店舗など天井が高い場所では、GN32では不足気味で、GN50クラスのものが必要になると思います。

天井バウンスや壁バウンスを行う場合、ホワイトバランスは微妙です。
ストロボ光モードもありますが、これは直射でストロボ光を当てる場合であり、バウンス光には当てはまりません。
というのも、光を反射させるため、天井や壁の色に光の色が左右されてしまうからです。
オートホワイトバランスで大丈夫な場合もありますが、固定ホワイトバランスの方がたいていは歩留まりがいいです。
極端に色が付いた天井の場合、あらかじめ白紙撮影モードでホワイトバランスをとった方が確実です。





縦位置撮影の場合は、照射部をこのように回転させます。
照射部が回転できないストロボでは、縦位置で天井バウンスができません。
天井バウンスにしろ、壁バウンスにしろ、間接光、拡散光ですから、正面からの明かりが不足することがあります。
人物写真や、猫写真の場合は、キャッチライトが眼に欲しいことも多いです。
瞳に光る点光源ですね。
そうした場合は、古来「名刺法」と呼ばれるストロボライティングが行われてきました。





これは縦位置撮影時の使用例ですが、発光部に名刺を付けただけです。
名刺でなくても、白いものなら何でもいいです。
上にはみ出した白い部分が直接光として被写体に当たることになります。
この部分を多くすれば、直接光が多くなり、少なくすれば間接光が多くなります。
上の例では、10mmほど出していますが、現実にはもっと少ないです。
上のCerto Super Dollina IIの作例(at Mr. Billiken 2001)では、5mm程度だと思います。
アイキャッチ目的なら、これぐらいで充分役目を果たします。

上の写真ではパーマセルテープで名刺を固定していますが、実際には左手親指で押さえていることが多いです。
トライアルアンドエラーで、名刺を出したり引っ込めたりして、直接光の量を調整するわけです。
あんまり出し過ぎると、直接光で撮ったような怖い写真になります。
このストロボの後継機、Panasonic PE-36Sには、キャッチシートという名刺がデフォルトで組み込まれたような収納式の板が付いています。
これはナイスアイディアです。
さすがは長年ストロボを作ってきた会社だけのことはあります。

外光式オートストロボは、TTLオートストロボに押されて、さっぱり人気がありませんが、実際のところ使いやすいです。
構造がシンプルなだけに調光がしやすいです。
一番いいのは、カメラボディに依存しませんから、シンクロ接点を持ったカメラであれば、どんなに古いものでも使えることです。
一台あると何かと便利ですよ。
一家に一台、外光式オートストロボ、ぜひどうぞ。

P.S.
出張猫写真師、練習中です。
美猫、美飼主のみなさん、誰か撮らせてくれ~。


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追記:2007/09/18
 現在入手可能なTTLオートストロボの使い方も解説を書きました。
 あわせてご覧いただければ、バウンスストロボの使い方が理解していただけると思います。

  "Xylocopal's Photolog 2007/09/18 猫撮りストロボ SUNPAK PZ42X"
   http://xylocopal2.exblog.jp/6980454/


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by xylocopal2 | 2006-12-04 23:26 | Hardware
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