Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved
Top
2006年 09月 28日 とってもジャンクなオートヤシノンDX 50mm F1.7



Canon EOS 30D / Canon EF 20mm F2.8 USM
ISO400, Av -1.0EV, F4.0, 1/20sec., WB:Auto


ドイツ・ケルンでは、世界最大の写真機材展"Photokina"が一昨日から開催されていますが、尾張名古屋では恒例の丸栄スカイル 中古カメラ・用品大バーゲンが今日から始まりました。
このカメラ市は、名古屋在住の中古カメラウィルス感染者にとっては、フォトキナ以上のビッグイベントです。
特に初日は、レアもの、掘り出し物を求める人で大いに賑わいます。
私も会社員時代は、仕事をさぼって初日に駆けつけたものです。
会場の雰囲気などは、今年の春に撮ったXylocopal's Photolog 2006/04/27 丸栄・中古カメラ市を見てください。
まぁ、はっきり申し上げて亡者の大群、魑魅魍魎跳梁跋扈の世界です。^^

中でも人気があるのが、上の写真のようなジャンクカメラ、ジャンクレンズのコーナーです。
上品な言葉では「教材用」などとも呼ばれます。
要するに実用にならない不動品、ガラクタのたぐいなのですが、昔から非常に人気があります。
中古カメラ市に来る人の半分ぐらいはジャンク目当に来ているんじゃないでしょうか。
相場は、1000円~3000円ぐらい。
程度によっては安くもなるし、高くもなるという微妙な値付です。

訪れた老若男女は、一攫千金一網打尽を狙ってジャンク箱に群がるわけですが、実際のところ、それは淡い夢です。
玉石混淆とまでもいえないレベル、ほとんど全部が石であり、玉などはまずないのです。
それでも、カメラに魂を奪われた亡者ですから、ついフラフラと何か買ってしまうのです。
ホントに中古カメラウィルスというのは恐ろしいです。
今回、私がジャンク箱から救出してきたのは、M42マウントのレンズ税込2000円なりです。





YASHICA Auto Yashinon-DX 50mm F1.7。
1960年代末~1970年代初頭に製造されたM42マウントレンズです。
YASHICA TL Electro Xあたりに付けられていたものと思われます。
このレンズ、TOPCON RE Auto-Topcor 58mm F1.4をイモくさくしたようなデザインですが、私はこれをなかなかカッコイイと感じ、ジャンク箱から救出してきたのです。

何しろジャンクですから、鏡胴外装は非常に汚れていました。
ホコリまみれというか、ゴミだらけというか、えぇ、それはもうとっても素晴らしいルックスでした。
肝心のガラス部分も、カビこそ生えていないものの、なかなか盛大なクモリです。
後玉中央にはキズもあります。
おそらく、このキズがジャンクになった理由でしょう。
前玉に比べると、後玉のキズは深刻ですが、案外実写では分からないときもあります。
手持ちのSchneider Kreuznach Xenon 50mm F2の後玉には、かなり大きな気泡が入っていますが、気になったことがありません。

とはいえ、ヘリコイドはスムーズに動き、絞り羽根も軽々動作します。
自動絞りもマニュアル絞りも問題なし。
クモリは掃除すれば綺麗になるかな?と思い、駄目元で買ってみました。
オートヤシノンDX 50mm F1.7というのは、カリカリにシャープではないけれど、柔らかい描写でボケが美しい、という評判をどこかで聞きかじっていたからです。

レンズ自体のたたずまいもなかなか美しいと思います。
クロームメッキのリムは、ヘリコイドを繰り出すと1cmぐらい突き出し、キラキラ光って非常に綺麗です。
ピカピカ光るものに弱いのは、カラスの同族であり、文明的に立ち遅れた人間の証拠です。^^

このレンズ、ヤシカ製ですが、右インフ(無限遠)右開放の鏡胴設計、最短撮影距離50cm、F1.7という半端な開放F値などから察するに、おそらくは富岡光学製造によるOEM製品だろうと思います。
富岡光学とは、現在の京セラオプテックの前身で、ヤシカ、チノン、マミヤ、ポルストなどのレンズを作っていました。
ヤシカ製CONTAXのツァイスレンズを作っていたのが富岡光学だというのは、けっこうよく知られた話です。
富岡製レンズなら何でも素晴らしい、というわけではないのは分かっていますが、実績ある会社のレンズであれば、あまり無茶苦茶な描写ということはないでしょう。

家に持ち帰って、レンズまわりを掃除してみましたが、クモリは完全には取れませんでした。
どうやら、中玉も曇っているようです。
レンズ構成は、5群6枚のダブルガウス型と思われます。
コーティングは、アンバー系の美しいもので、写真に撮ると非常に高級なレンズに見えます。
ただし、ところどころコーティングは禿げています。

このレンズ、後玉の出っ張りが常識外れに大きいです。
無限遠にすると、5mm近く出っ張ります。
絞り押しピンより出っ張っているのは、いかがなものかと。
ミラーが大きなカメラに付けると、シャッターを切ったときにミラーが後玉に当たるかもしれません。

試してみた結果、Voigtländer Bessaflex TMで3m以上にすると、ミラーが当たりました。
Praktica MTL5、MTL50、PLC3では、無限遠でも大丈夫です。
ミラーが小さく、ショートバックフォーカスレンズ対応のCanon EOS 30Dでは、もちろん何も起こりません。
EOS1Ds、5Dあたりだと、ぶつかる可能性があります。





Canon EOS 30D / Yashica Auto Yashinon-DX 50mm F1.7
ISO400, Av -0.7EV, F4.0, 1/125sec., WB:Auto


とりあえず、EOS30Dに付けて撮ってみました。
夕刻の薄暗い光の中で撮っているので、あまり参考になるような写真ではありませんが、一応ピントは来ます。
ピントの山はなだらかで、パンコラーのようにくっきり立って見えるということはありません。
EOS30Dのファインダーでは少々合わせにくい手合いです。
評判どおり、カリカリシャープというよりは、まったり柔らか系ですね。
ボケも綺麗です。富岡系って、こんな感じらしいです。
しかし、全体にローコントラストで、黒に締まりがありません。
おそらくはクモリのせいでしょうね。


上の写真のヒストグラムです。
左端、黒の部分がスッポリありません。
年代物の古いレンズで撮った典型的なヒストグラムです。
うちにある1930年代~1950年代のクラシックカメラも、スキャン直後はこんなヒストグラムになります。
でも、この手のレタッチはとても簡単ですから、チャッチャと直せます。
それが下の写真。






ハイエストライトも少しだけ詰めてみました。
ディープシャドウはもともとそれほどない画像なので、こんなものでしょう。
全体にシアンかぶりしていたので、少し赤を足しています。
古いレンズは、ヘタに分解掃除して光軸を狂わせるより、レタッチで黒を締めた方が好結果な場合が多いようです。

明日、もう少し明るい時間帯に撮り直してみますが、まぁまぁ使えそうです。
クモリとの相乗効果で、なんともボケタンと柔らかな描写です。
牧歌調レンズとして使うと吉かもしれません。
2000円の勝負に勝ったのかどうかは、現時点ではまだ謎です。
逆光で撮ると、何が起こるか分かりません。
たぶん、盛大なフレアが出るんだろうなぁ。
[PR]
by xylocopal2 | 2006-09-28 23:55 | Hardware
<< スペイン料理店から 黄昏都市 >>


Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved