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2006年 08月 27日 輸出専用MF一眼レフ CHINON CM-5



Canon EOS 30D / Sigma Macro 50mm F2.8 EX DG
ISO100, Av -1.3EV, F8.0, 1.0sec., WB:Manual


昨日の熱田神宮の写真、"Xylocopal's Photolog 2006/08/26 神域にて"を撮ったカメラです。
CHINON CM-5といい、1980年代中頃に販売された銀塩MF一眼レフです。
決して高級品ではなく、コスト意識に強く支えられた普及価格帯カメラです。

CHINONというのは、長野県茅野市に本拠を置いたカメラメーカーですが、8mmシネカメラ以外は自社ブランドでの国内販売をほとんどせず、もっぱら、OEM/輸出専門メーカーとしてカメラの生産をしてきました。
チノンという名前はキヤノンのパクリか?と思いがちですが、創業者(茅野弘氏)と創業地(長野県茅野市)の双方から"CHINO"という音を取った由緒正しい名前です。
最近まで、KODAK製デジカメの生産を行っていた会社でもあります。

チノンの名前は、国内より海外の方が有名で、今なお、eBayには多くのチノンのカメラが出品されています。
現在、日本で流通しているチノン製一眼レフの多くは、逆輸入製品ではないか?と思われます。
チノンのカメラは、ニコン、キヤノンあたりのカメラに比べると大幅に安価であったことから、北米市場ではシアーズ・ローバックなどのカタログ通信販売でよく売れたようです。
国土が広く、1930年代からカタログ通販が盛んだったアメリカでは、マニアがカメラ専門店に出向き高級一眼レフを買うという風土があまりなく、通販カタログ上の実用一点張りの安価な一眼レフの方が売れるという傾向が強かったようです。

一般に、アメリカ人というのは写真好きな国民です。
どこの家庭を訪れても、リビングルームの一画に写真コーナーがあり、フォトスタンドに一杯写真が飾られています。
ここでとっつかまると、「これは、アンクルビリーとカナダに行ったときの写真だ、これは娘たちとフロリダに行ったときの写真だ」などと猛烈な説明を受けることになります。
ただ、彼らはカメラに関しては、日本人に比べ、はるかに無頓着です。
高スペックを求めず、普通に撮れればいい、という人が多いようです。
Argus C3という弁当箱のようなカメラが1966年まで売られたというのがアメリカという国ですから。
アメリカでは、通販カタログに載っているような安価でロースペックなカメラが一番売れる、というのはありそうな話です。

CHINON CM-5 基本スペック
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 使用フィルム: 135判 (24x36mm)
 レンズマウント: Pentax K
 シャッター: SEIKO MFC 縦走りメタルフォーカルプレーン
 シャッタースピード: B, 1sec. - 1/1000sec.
 ファインダー倍率: 0.87倍
 ファインダー視野率: 92%
 露出計: TTL中央重点測光, +2EV to +18EV, ISO25-1600
 バッテリー: LR44 or SR44 x2
 ボディサイズ: 135.5 x 86.0 x 50.5mm, 455g
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ボディサイズ、重量を見れば分かるとおり、非常に小型軽量な一眼レフです。
PENTAX MXより小さく、MEとタメを張るほどのサイズです。
PENTAX MXやMEが欲しいが貧乏でお金がない、電子制御シャッターは嫌だ、マニュアル露出の方がいい、という方に向いています。






このカメラが販売された1980年代中頃というと、MF一眼レフは完成の域に達しており、多くのカメラはAEモードを備えていましたが、このカメラはマニュアル露出オンリーです。
露出インジケータは、ファインダー内ではなく、ファインダーアイピース左横に付けられています。
視野の端に光る三点LEDを捉えるという方式ですが、いちいちファインダーを覗かなくても大雑把な露出が分かるので意外に使いやすいです。
LED表示は、オーバーとアンダーが赤、適正露出が緑で点灯します。
写真では、下の赤と緑が点灯していますから、ややアンダーといったところです。






CHINON CM-5は、外装はプラスチック部分が多く、プラカメと呼ぶにふさわしいチープな一眼レフですが、裏蓋を開けると、まだまだ金属部分が多いです。
パトローネ室~フィルムガイドレール~スプロケット室は、ダイキャストでこそないものの、板金加工の金属製です。
AF一眼レフのEOS100 QDは、このあたりがすべてエンジニアリングプラスチック製ですから、質感にはずいぶんと違いがあります。


シャッターは縦走りメタルフォーカルプレーン。電子制御なしの純メカニカルシャッターです。バッテリーはあくまでも露出計のためのものですから、バッテリーを抜いてもシャッターは全速動作します。
わざわざ、MF一眼レフを使うのであれば、シャッターはフルメカニカルの方が気分的には嬉しいです。

この時代のメタルフォーカルプレーンシャッターは、東独製ペンタコンのものを除けば、COPAL SQUAREかSEIKO MFCシリーズが定番ですが、このカメラはSEIKO MFCということになっています。
SEIKO MFCといえば、PENTAX MEあたりに使われていたものと同じですが、何となく外観が違います。記憶にある、PENTAX MEのシャッターは、普通の鎧戸式ダイアフラムでしたが、CHINON CM-5のシャッターダイヤフラムは放射状というか扇状に広がっています。
写真は後幕ですが、先幕も同様なダイヤフラムパターンです。

シャッター音はなかなかいいです。
しっかりしたメカルカルシャッターの音でありながら、RICOH XR500ほどうるさくありません。
これで写真を撮ると、いかにも「撮ったぞ!」という達成感があり、幸せになれます。

フィルム給装関係はまったく問題がなく、巻上げも実にスムーズです。
ロシア製や東独製一眼レフに比べると、さすがはMade in Japan。実に優秀です。
動作が渋い部分は何もありませんし、20年経っても写真を撮るのに充分な機能を保ち続けています。
ローコストカメラではありますが、決して作りがいいかげんなカメラではありません。






レンズマウントは、PENTAX-K。
その昔、Kマウントユーザだった私にとっては見慣れたマウントです。
種も仕掛けもない、初代電子接点なしのKマウントですね。

Kマウントボディが2台に増えました。
RICOH XR500と、CHINON CM-5。
なのに、Kマウントレンズは一本しかありません。
いかに、ボディの方が安いといっても少々アンバランスなので、少しはレンズも買わないといけないようです。
この手のフルメカニカルシャッターMF一眼レフは、空シャッターを切って、その音のワビサビを楽しむのが本来の用途であり、写真なんか撮っちゃいかんのですが。^^
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by xylocopal2 | 2006-08-27 21:16 | Hardware
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