Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved
Top
2006年 05月 14日 タルタルテスト(歪曲収差実写検証)



タルタルテストといっても、ソースや生肉ハンバーグのことではありません。
樽型歪曲収差、つまり、画像の周辺が樽型に曲がる歪曲収差のことです。
歪曲収差は、広角で樽型に、望遠で糸巻型になることが多いといいます。

建物を入れ込んだ空を撮ることが多い私にとっては、歪曲収差は少ない方がありがたいです。
そのため、広角系の新しいレンズを入手すると、近所のマンションの壁を撮って歪曲収差をチェックするのが習慣となっています。
うちのすぐそばに、歪曲収差チェック用にうってつけの壁があります。
先日入手した、EF24mm F2.8の他、手持ちのレンズを再チェックしてみました。

カメラはEOS 30Dですが、後半の方はEOS10Dとなっています。
APS-Cイメージセンサ機の広角~標準域のみのテストです。
フルサイズイメージセンサ機で撮れば、別の結果になるかもしれません。

------------------
2009/04/15 追記
その後入手したレンズも随時結果を掲載しています。
そのときどきの撮影距離がバラつき、ブロックの大きさが一様でないことをお許しください。
使用カメラはいずれも、APS-C。
現在は、EOS Kiss X2を使っています。



Canon EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM

10mm端です。35mm換算では16mmになります。
樽型歪曲なしとはいえませんが、超広角レンズにしては非常によく補正されている部類です。
一眼レフ用のレトロフォーカスタイプ超広角レンズでは歪曲収差を補正しにくいと云われますが、EF-Sというショートバックフォーカス&狭イメージサークルが有利に働いているのでしょうか、もう見事としか言いようがありません。
しかも、このレンズ、全焦点距離域において、カミソリのようにシャープ、4Hの鉛筆で描いたように緻密な描写です。
超広角レンズ、かくあれかし。
殿様商売と揶揄されるキヤノンですが、やればできるじゃないか!という見本みたいなものです。
このレンズがあるおかげで、EOS 5Dに転ばずに済んでいます。



17mmです。35mm換算27mm。
ますます見事です。ほとんど無歪曲。
APS-C用レンズの17-18mm域で、これ以上綺麗な歪曲補正は見たことがありません。



22mmです。35mm換算35mmです。
やや糸巻型歪曲ですが、まずまずOKじゃないでしょうか。
四角いものが四角く写る、という基本がしっかりできています。
このレンズ、開放F3.5-4.5と少し暗いこと以外は、文句の付けようがありません。
TAMRON SP AF11-18mm F4.5-5.6 DiIIに比べると逆光に弱いですが、タムロン11-18が無類に逆光に強いのであって、一般的レベルから言えば充分な耐逆光性能を持っています。



TAMRON SP AF17-35mm F2.8-4 Di

樽型歪曲多目です。
特に広角端で、直線を画角端に置くと目立ちます。
都心のビル街で使うときは、フレーミングに気を遣います。
タムロン屈指のシャープネスを誇るレンズだけに惜しいことです。



35mm換算35mmの22mmです。
樽型歪曲はかなり緩和されます。
この程度であれば、非常にシャープな35mmレンズとして問題なく使えます。



35mm端、35mm換算56mmです。
綺麗に補正されています。
一番使用頻度の高い画角ですが、歪曲は気にせずに使えると思います。



TAMRON SP AF17-50mm F2.8 DiII

広角端での撮影。
樽型歪曲を端の方で修正した「陣笠歪曲」です。
一般的な被写体を撮る場合は、まず歪曲は気になりませんが、直線を画面の端に置いたフレーミングをすると、直線が波をうったように見えることがあります。



TELE端は、軽い糸巻型歪曲収差です。
50mmという焦点距離にしては、やや多目でしょうか。



SIGMA 18-50mm F3.5-5.6 DC

広角端での撮影。
これも陣笠歪曲ですね。
周辺光量落ちもやや多目です。



Canon EF20mm F2.8 USM

単焦点レンズでありながら、EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMの20mm相当に負ける樽型歪曲です。
とはいえ、良く補正されている方だと思います。
場合によっては、この程度の軽い樽型歪曲が残っていた方が、パースペクティブを表現するのに都合が良いことがありますし、陣笠歪曲ではないのでレタッチで修正するのも簡単ですから、使いやすいレンズだと思います。

ただ、このレンズ、巨大すぎます。
銀塩カメラで20mmレンズとして使うには妥当なサイズですが、APS-Cで32mmレンズとして使うには威圧感がありすぎます。
キヤノンには、PENTAX DA 21mm F3.2AL Limitedのような小型軽量タイプの20mm単焦点レンズを作ってほしいものです。



Canon EF24mm F2.8

35mm換算38.4mmのコンパクトカメラエミュレーションレンズです。
先日入手したとき、けっこう歪曲あるな~、と感じましたが、なるほどです。



Canon EF 28mm F1.8 USM

ごく軽い樽型歪曲収差です。
よく補正されている方だと思います。



SIGMA 30mm F1.4 EX DG HSM

ごく軽い樽型歪曲収差です。
典型的なガウスタイプの歪曲ですね。
この程度なら私的には問題はありません。



Canon EF35mm F2

35mm換算56mmのAPS-C用標準レンズ。
うちの単焦点レンズの中では、あまり歪曲が気にならないレンズと思ってましたが、少しだけ出ています。
しかし、これぐらいなら、あまり気になる状況はないような気がします。



Canon EF50mm F1.4 USM

うちの単焦点レンズの中では、歪曲が気になる方のレンズですが、撮ってみるとあまり分からないですね。
気になったのは、銀塩EOSで使ったときですから、APS-Cでは気にしなくてもいいのかもしれません。
こうした明るいダブルガウスタイプのレンズは、どうしても樽型歪曲が残るといいます。
このレンズの場合、明るさを取るか、歪曲を取るかと問われれば前者に決まっていますから、理解して使うのが吉でしょう。



SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG

ごく軽い樽型歪曲収差です。
この程度ならまったくOKです。
このレンズ、エレメント構成は9群10枚とダブルガウスタイプではありません。
ダブルガウスではないため、樽型歪曲の呪縛からは解放されています。
少々カリカリ気味の描写ですが、歪まないし寄れるので、出番は多いです。



TAMRON SP AF28-75mm F2.8 XR Di

タムロンのエースA09こと、28-75/2.8です。
これは、28mm端。35mm換算45mmぐらいです。
明らかにタルなんですが、このレンズの場合は許せてしまいます。
コントラスト、シャープネス、ボケ味など他の要素のバランスが良いので。
歪曲自体も素直な樽型ですから、どうしても気になる場合は、レタッチで直しやすいと思います。
これが陣笠型歪曲だと、ソフトウェア的に直すのが難しくなります。




以下のレンズは手放して手元にないものです。
三脚を使わず手持ち撮影のため、歪曲がバラついて写っています。
「壁を撮る」というと簡単そうですが、これがなかなか難しいです。

まず、カメラを水平に保持しなければなりません。
水平にしないと、垂直線が垂直に写りません。
少しでも上を向いていれば、八の字型に上の方が先細りになります。
次に、壁に正対して、直角の位置から撮らなければなりません。
少しでも角度が歪むと、平行線が平行に写りません。

そんなわけで、手持ちで撮るとNG写真を量産するばかりです。
スマートにきっちり撮ろうと思ったら、3軸水準儀付き三脚を使った方が早いです。
手持ちで撮ったものはデータ的に怪しいんですが、参考にはなるので、UPしておきます。



TAMRON AF28-200mm F3.8-5.6 Model371D

タムロンのベストセラー、28-200です。
現行バージョンのA03ではなく、6年前の371Dです。
広角端はモデレートな樽型歪曲です。
高倍率ズームレンズにしては上出来の部類ではないでしょうか。
ただ、全域にわたってシャープネスが不足しており、手放してしまいました。



Canon EF35-135mm F4-5.6 USM

16年前の高倍率ズームレンズです。
広角端の歪曲はそこそこ補正されています。
1980年代末~1990年代初頭のキヤノンのレンズは真面目に作ってあるものが多く、AFやズームリングのガタが来ていても、光学性能は優秀なものが多いです。
このレンズ、暗いことを除けば、なかなか優秀でした。
開放からシャープで切れ味の良い描写、APS-Cで使うと、56-216mmという美味しいレンジ、ズームリングにガタが来ており、ゴリゴリでしたが描写は良かったです。



Canon EF35-70mm F3.5-4.5

初期EOSの標準ズームだったレンズです。
広角端は、上の35-135mmと同じ傾向です。
多少樽型歪曲は残っているものの、素直なラインで補正しやすいと思います。



TAMRON SP AF11-18mm F4.5-5.6 DiII

タムロンのAPS-C専用超広角レンズ。
陣笠歪曲ですね。
EF-S 10-22mmの描写を見た後には少々物足りない気がします。
歪曲が少ないとされるのは、EF-S10-22の他、SIGMA 12-24mmぐらいでしょうか。



SIGMA 18-125mm F3.5-5.6 DC

初期の高倍率ズームレンズです。
うねるような陣笠歪曲が特徴です。
左上あたりは、手持ちゆえの微妙なズレでしょうね。
水平も垂直もきちんとしていません。
それにしても、タイルの大きさが違って写るのはマズイです。
このレンズの望遠側は激烈糸巻型歪曲です。


教科書に載せたくなるような見事な糸巻型歪曲です。
このレンズ、周辺光量落ちも見事で、ほとんどHOLGAかLomo LC-Aかというぐらい‥‥、ってのは冗談ですが、今どきのレンズにしてはトンネル効果抜群のレンズでした。
TELE端開放では、トリプレットのようなグルグルボケにも悩まされました。
いわゆるハズレ玉を引いてしまったのかもしれません。



Canon EF24-85mm F3.5-4.5 USM

EOS 10Dと同時に買った、某社製某レンズがフォーカシング不調のため、急遽ピンチヒッターとして購入、以後1年以上にわたって使った「無事これ名馬」のレンズです。
2003年春~夏頃は、APS-C専用レンズというものがなく、キヤノンではこのレンズをEOS10Dの標準レンズと考えていたようです。
当時のカタログを見ると、必ずこのレンズを付けて10Dが写っています。
特にシャープでも明るくもない平凡なレンズですが、軽くて使い勝手は良かったです。

歪曲収差は素直な樽型です。
少々程度が重く見えますが、これはカメラを水平に保持せず、少し上を向けて撮っているからです。
上すぼまりになっていますから。
35mm換算38.4mmでこの程度の歪曲であれば、まずまずじゃないでしょうか。



Canon PowerShot S30

2001年発売の300万画素コンパクトデジカメです。
このエントリの最初の写真、三脚上のEOS30Dを撮っています。
歪曲は多目ですが、これも水平がとれていないですね。



FUJIFILM FinePix F11

PowerShot S30のリプレースとして買った、FinePix F11の広角端です。
まずまず優秀な歪曲補正です。
コンパクトデジカメといっても、必ずしも超タルタルとは限らないようです。
[PR]
by xylocopal2 | 2006-05-14 23:38 | Hardware
<< シンビジウムが咲いたよ 今日の空 曇のち晴 >>


Copyright © 2004-2010 Xylocopal All Rights Reserved