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2005年 12月 05日 Meopta Flexaret VI Automat



Canon EOS 10D / TAMRON SP AF28-75mm F2.8 XR Di
ISO200, -0.5EV, F5.6 1/20sec., WB:Manual


Weblogの方で、何回もしつこく、「チェコ製二眼レフ、メオプタ・フレクサレットがほしい」と書いていたのですが、11月30日に入手しました。
"Meopta" "Flexaret VI"というブローニー判二眼レフで、1961年から1967年の間に作られたものです。
まだ、チェコスロバキア時代、「プラハの春」の直前ですね。

フレクサレットは、6型と7型が上の写真のようにライトグレーのビニールレザー貼仕上げになっており、黒革調グッタペルカ(人造皮革)を張った真っ黒な二眼レフが多い中、なかなか軽快な印象を受けます。
いかにも、共産圏の生まれだぞ、サービスなんぞ期待するな、という愛想のないデザインも気に入っています。
私、チェコやハンガリー、ポーランドなどの旧COMECON諸国をこきおろして書くことが多いんですが、実はかなり好きなんです。^^

メオプタはチェコ東部、モラヴィア地方の小都市、Přerovに本拠を置く、旧COMECON陣営屈指の光学メーカーです。
順番からいうと、東ドイツのCarl Zeiss Jena、ロシアのKMZ、ウクライナのArsenalに続くぐらいじゃないかと思います。
LOMO、LZOSと同格、BelOMOより少し上といった感じでしょうか。

鉄のカーテン時代、共産主義の計画経済のため、メオプタは民生品はあまり作らせてもらえず、もっぱら軍事用光学機器を作っていました。
小銃用照準器、戦車用照準器、火器管制装置などです。
現代のメオプタのウェブサイトも軍用光学機器が大きな顔をして登場しており、中には、カラシニコフ自動小銃用ナイトスコープなど、テロリスト御用達の物騒なものも並んでいます。

このフレクサレット6型、アメリカ版ヤフオク"eBay"で$75で落としました。
eBayも、私が買いまくっていた5年前に比べると、かなり相場が上がっています。
ものによっては、倍以上の落札相場になっているものもあります。
このカメラ、2000年~2001年頃は$50以下が相場でした。

それでも、国内オークションに比べれば安いですし、外国製のカメラの場合は桁違いに種類が豊富です。
フレクサレット6型完動美品は、ヤフオクだと3万円以上すると思います。
今回は、$75+送料$27 = $102 = 12200円ですから、かなり安く上がりました。

フレクサレットでも5型、4型、3型などはもっと安く落とせます。
5型だと$40~$50くらいでしょうか。
オートマット巻上ではない赤窓式のフレクサレットなら、もっと安いと思います。
"eBay / Flexaret"で検索すると、大体の相場が分かります。
最新型(といっても1966-71年製)のFlexaret VIIは、構造的に弱いらしく完動品が少ないという情報があります。
特にシャッターに問題が多いらしく、ネット上でも良い評判を聞きません。
ライトグレー貼皮のフレクサレットを得るのであれば、6型が良いようです。

出品者は、東欧製/ロシア製カメラ愛好者の間では有名な、スロバキア在住のC氏です。
5年前当時から、名前が知られたパワーセラーで、旧共産圏の珍しいカメラやレンズを極めて安価で出品していました。
私も2回ばかり、彼から買っています。

C氏の商品は質が良く、説明書き以上はあっても以下はない、メール対応も誠実丁寧、解読不可能な英文を書かない、梱包も厳重という、安全確実いうこと無しの優良出品者です。
eBayにも、ヤフオクの出品者評価にあたる、Positive Feedbackというものがあるのですが、C氏の場合、総フィードバック数4931のうち、99.8%がPositive Feedbackです。
こういう優良セラーから買っておけば、多少高くても、まず大丈夫だと思います。

ebayの場合、落札から2~3週間で商品到着というパターンが多いのですが、今回もだいたい2週間で入手できました。
以前は、送金に国際郵便為替(IPMO=International Postal Money Order)を使っていましたが、今はヤフオク簡単決済のような、"PayPal"という即時送金システムがあるので、非常に便利になりました。
IPMOの場合、どんなに少額でも、いちいち郵便局に出向き、相手の住所氏名を用紙に書き、手数料1000円を郵政省に払わなければならなかったのですから、えらい違いです。

PayPalは3~4回使ったことがありましたが、本当に便利だと思いました。
PayPalの影響を受けて、ヤフオクが始めたのが簡単決済です。
両者とも、個人宛の送金をクレジットカードを利用して行えるシステムです。
欠点は、あまりにも気軽に入札してしまうことかな。^^
2001年の春に使ったきり、PayPal、ほったらかしにしてあったのですが、まだ使え、利用履歴も残っていました。

以前であれば、相手に商品送付場所、送金方法、希望発送方法などを連絡するため、何回もメールのやりとりをする必要があり、英語が得意でない者にとっては、かなり面倒くさいのがeBayの欠点でした。
しかし、今や、eBayに住所を登録しておけば、落札時、自動的に相手に連絡されるようになっており、便利になりました。
そんな便利は嫌じゃ、という人もいるかもしれませんが。
簡単な入手までのスケジュールを書いておきます。

 11/11 入札
 11/14 落札
 11/22 スロバキアから発送
 11/30 到着

落札から発送まで時間がかかっているのは、C氏がたくさん出品しているからと思われます。
C氏の出品量から考えると、半プロのカメラ専門古物商のように思われます。
eBayで落札した商品は、航空便で送られてきますから、少しでも送料を安く上げるため、たいていの出品者は信じられないほど小さな小箱にカメラやレンズを入れて送ってきます。
どれほどの緩衝効果があるのか疑わしいことが多いです。

そうした中、C氏は大きめの箱に発泡スチロールを切り抜いて作ったケースに商品を入れて送ってきます。
発泡スチロールケースの仕上げは素人臭く、プロの仕事にはみえませんから、一人分づつ、このケースを作っているように思われます。
多少時間がかかっても、しっかりとした梱包をしてくれた方が嬉しいので、いつも評価に、Well Packed.と書いています。



撮影用レンズは、Meopta Belar 80mm F3.5が付いています。
ベラーと読むのか、ベラールと読むのかよく分かりません。
フレクサレットの名前を世に知らしめた名レンズです。
3群4枚のテッサータイプのレンズですが、西独製テッサーのようなカリカリの描写ではなく、東独製テッサーやシュナイダー・クセナーのように、柔らかさもあるレンズと聞いています。
東独製Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8は、当たりからハズレまで5本ぐらい使ったことがあるので、傾向はある程度予想がつきます。
当たりの場合は、本当にシャープかつ柔らかい描写になります。
目視では薄紫色のコーティングがうっすらとかかっています。
時代的に考えて、かの国では単層コーティングだろうと思います。

シャッターは、METAXというものがついています。
AGC Prontor SVSのコピーと聞いたことがあります。
コピーするにしても、Prontorではなく、F.Deckel Compurにしておけば良かったのにと思ってしまいます。
シャッター速度は、B、1、1/2、1/5、1/10、1/25、1/50、1/100、1/200、1/400となっています。
一応、倍数系になっていますが、1960年代のシャッターとは思えない古めかしさです。

カラ撃ちをしてみたところ、動かない速度はなく、低速が粘ることもありませんでした。
eBayで買ったクラシックカメラは、これを最初にやるのが儀式です。^^
C氏から買ったものにハズレはなかったですが。
ごく希に、低速が思いっきり粘って、1/2秒なのに2秒くらいかかってシャッターが落ちるものがあります。
これは撮らなくても分かります。




Meopta Flexaret VI / Meopta Belar 80mm F3.5
FUJIFILM NEOPAN 100 ACROS, F5.6, 1/200sec.
Scanned with EPSON GT-F520


さっそく、フォーカスチェックとシャッター速度チェックをしてきました。
二眼レフでもミラーが歪んでいたりすると、フォーカスが狂っていることがあります。
レンジファインダーは言わずもがなで、狂っているものも少なくありません。
テスト結果はまったく問題なく、ファインダーで見たとおりにフォーカスが来ていました。
一安心です。

シャッターも様々な速度でテストしてみます。
たいてい、遅くなっていますから、ネガを見たとき極端に黒いコマがあれば怪しいです。
上がってきたネガの濃度を見る限り、極端にずれているものはなさそうでした。
絞りは、裏蓋を開け、レンズを光源に向け、バルブでシャッターを切り、絞り爪を動かすだけでチェックできます。
レンズシャッターの絞り羽根は枚数が多く、きれいな円形絞りになっていることが多いです。
このフレクサレットも10枚以上、羽根がありそうでした。



上の写真を拡大したものです。
画面上部中央に指紋のようなものが同心円状に渦を巻いています。
これは、ニュートンリングというもので、フィルムをスキャナのガラス面に密着させてスキャンすると出ます。
高解像度で出るとは聞いていましたが、こんなに出るとは思わなかったです。
Belarの解像度がいい証拠ですかね。^^
ウソです。2400dpiでスキャンしたら、こうなりました。

うちのスキャナは安物なので、ブローニー版フィルム用光源とキャリアがついていません。
しかたがないので、乳白色アクリル板をフィルムの上に置き、その上からZランプを当てています。
こんな感じです。
この状態で、解像度を高くしてスキャンするとてきめんにニュートンリングが出ます。
1200dpi以上にすると、はっきり分かるぐらい出てしまうので、困ったものです。

ブローニー用フィルムキャリアを使うと、スキャナガラス面にフィルムを密着させず、1mmほど浮かせた状態でスキャンすることができます。
上位機種のフィルムキャリアだけ取り寄せてみようかとも思うのですが、使えないかもしれません。
アクリル板を組み合わせて、キャリアを作ってみるかな。だいぶ面倒くさいな。^^
一番素直な方法は、ブローニースキャンできるスキャナを買うことかな。
ボタンを拾って、スーツを作る羽目になった男の話を思い出しました。^^

Photologに書くのだからお手軽に、と思っていたら、Weblogに書くのとあまり変わらない量になってきました。^^
いずれ、Weblogの方に、もう少しマシな写真を撮って載せると思います。
ニュートンリング問題を解決してからですが。


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2006/02/21 追記
遅蒔きながら、フレクサレットの実写例をUPしました。

 "Xylocopal's Photolog : 2006/02/21 Gentle Lights (名古屋市市政資料館)"
  http://xylocopal2.exblog.jp/3559886/
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by xylocopal2 | 2005-12-05 01:35 | Hardware
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