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2010年 04月 28日 CATV/BS/110°CS混合完了
今回は写真とは関係のない番外編。
先日、BS/110°CSアンテナをベランダに上げました。
これまで我が家では、衛星放送はCATVのセットトップボックス(Set Top Box = STB)経由で受信していたのですが、デジタル放送時代を迎え、色々と使いにくい部分が目立ってきました。

特に問題があったのはBS録画に関してでした。録画機能のないSTBに市販のディスクレコーダを接続して使う場合、予約録画が非常に煩雑となります。その上、我が家のSTBの場合、i.Link接続できないため、アナログコンポジット接続となってしまいます。何が悲しくてBSハイビジョンをSD画質で記録しなければいけないのか?

契約していたCATV会社には、ハイビジョン録画機能付きSTBもあるのですが、ブルーレイ対応ではなく未だにDVD対応のまま、しかもその利用料は不当に高価に思われました。このあたり、CATV会社の囲い込みを感じ、素直に契約する気分になれませんでした。そうした問題の抜本的解決として、BS/110°CSアンテナを自前で上げることにしたのです。

ついでに、UHFアンテナも上げて、地デジ受信も自前にしてしまえば良いわけですが、そう簡単にはいかない事情がありました。実は我が家は電波事情が極端に悪い、局所的な「難視聴地域」なのです。アナログ波に関しては、久屋大通テレビ塔方向に5階建ビルが壁のように隣接し、VHF受信は100%不可能でした。そのため、原因者費用負担の難視聴対策用CATVを引いていたわけです。

地デジ時代となり、送信タワーが瀬戸に変わっても電波事情は変わりませんでした。瀬戸タワー方面にも至近距離にあるビルが立ちはだかり、直接波はブロックされています。いかに地デジが反射波に強いといえども、このような電波の谷間では、まともな受信は難しく思われました。
そんなわけで、難視聴対策用原因者負担ケーブル回線は現在もなお有効で、地デジはCATV経由受信が現実的な選択でした。

幸い、我が家が加入していたCATV回線(スターキャット)では、地デジはトランスモジュレーション方式ではなく、同一周波数パススルー方式でした。
パススルーというのは、地デジ信号を周波数変換せず、そのままCATV同軸ケーブルに乗せて送信する方式です。
パススルー方式の場合、対応チューナ内蔵テレビ/レコーダであれば、STBなしでも地デジ受信は可能です。

そんなわけで、地デジはCATVパススルー受信、BS/110°CSは自前アンテナ、という変則運用とすることにしました。
CATV独自番組は見ず、映画チャンネルやスポーツチャンネルはBS/110°CSで見られるので、STBは解約しました。
毎月3000円近く払っていたCATV視聴料がゼロになりました。


BSアンテナを上げるにあたり、まずBS受信が可能かどうかを調べました。
前述のように、我が家はビルに囲まれています。
BS衛星が位置する南西の空も、ほとんど開けておらず、受信可能かどうかは微妙な状況でした。
BS放送に使われる10GHz以上のSHFでは、伝搬状況は光に近く、障害物が間にある場合はまず受信不可能です。
そこで、太陽方位/高度をシミュレーションすることで、受信可否を調べることにしました。

名古屋におけるBS衛星の位置は、方位221.5度/仰角40.2度にあたります。 [参考: マスプロによる方位/仰角一覧]
次に、"国立天文台 天文情報センター 暦計算室"にある"こよみの計算CGI"を利用して、太陽方位221度、太陽高度40度となる時刻を逆算して調べました。



たとえば、4月28日の場合、太陽方位221度となるのは13時00分、太陽高度40度になるのは15時10分です。
13時00分の太陽方位において、15時10分の高度で太陽が見えていれば、BS受信は可能ということになります。
調べてみた結果、ギリギリではあるけれど、確実に受信可能ということが分かりました。
この方法、方位磁石も分度器も要らず、設置前の受信状況を調べるには、なかなか便利です。

BSアンテナで受信した信号は、CATV信号と混合して、各部屋に分配することにしました。
同軸ケーブル1本でCATV/BS信号の両方が伝えられるので配線が簡単になります。
各部屋に伝えられた信号は、分波器でCATV(地デジ)/BSに分け、テレビ/レコーダーと接続することにしました。
最低でも5分配はするので、CATV信号/BS信号ともブースターで増幅することにしました。
配線プランは下記のようにしました。



BSアンテナコンバータ駆動用電源(DC15V)はブースターから得るようにしました。特定テレビの電源ON/OFFにかかわらずBSアンテナに給電することができ便利です。常時9Wほどの電力を食うため、エコロジー的にはペケですが、2世帯住宅の場合は仕方がないか?と思います。

CATV/BSブースターは、"マスプロ CATV/BSブースター 7BCB28"というものにしました。ブースターと混合器が一体となっているので、設置スペースが少なくて済み、使いやすいです。
[PDF: マスプロ CATV/BSブースター 7BCB28]

このブースター、CATV上り信号を増幅するタイプと増幅しないタイプがあるのですが、今回は非増幅のものを使いました。もとよりVODなど双方向コンテンツは視聴していませんでしたし、宅内1000Base-T LANもあるので。
設置前に、CATV会社に確認を取ったところ、双方向サービスを受信するのでなければ、上り非増幅タイプで問題ないとの回答をもらいました。上り非増幅タイプは増幅タイプに比べ、価格が安いので助かりました。(ヤフオク相場で9000円前後)

受信結果はまずまずでした。
我が家のテレビはパナソニック製ビエラなのですが、アンテナレベルは、BS/110°CSが63~64、地デジが68~69でした。パナソニック製チューナの場合、BS50以上、地デジ44以上あればOKとのことなので、満足できるレベルだと思います。

ブースタのBSアッテネータはOFF、CATV下りゲイン調整は30/100あたりにしてあります。BSアンテナ出力/CATV引込線をチューナダイレクト接続した場合のアンテナレベルと同じ数値が出ていますから、ブースタは役目を果たしていると思います。


配電盤からの室内引込線も経年劣化が見受けられたので、一部を新しいものに交換しました。
作業は自前で行いましたが、細かい出費が多く、費用総額は25000円ほどかかりました。

 -BS/110°CSパラボラアンテナ マスプロ BSC45R =5000円
 -BSアンテナ用サイドベース マスプロ SBM45E =3000円
 -CATV/BS混合ブースター マスプロ 7BCB28 =9000円
 -同軸ケーブル S-5C-FB 20m =2500円
 -F型コネクタ ×10 =1000円
 -VU/BS分波器 ×4 =4500円
 ====================================
  合計 25000円

安く上がったのかどうか、よく分からない結果となりましたが、BS/100°CS信号をダイレクトにレコーダーに接続できるようになったのは、たしかに便利になりました。
"NHK衛星映画劇場 BS-2/BS-Hi"が好物の私にとってはありがたい限りです。
STBレンタル料がゼロになったのも大きいです。年額3万円減ですから。
受信画質もトランスモジュレーションのSTB経由よりも心なしか向上したように思えます。
デジタルですから、そんなはずはないと思うのですが、まぁ気分の問題で。
by xylocopal2 | 2010-04-28 16:20 | Hardware
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